アマゾンのアレクサ搭載製品。
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- アマゾンが、アレクサへの興味や利用の減少に対抗するため数十億ドル投じていると報じられた。
- ブルームバーグが入手した内部文書によると、新たにアレクサを入手した人々の最大25%が2週目にはもう使っていなかった年もあるという。
- アマゾンはアレクサにユーザーの話している部屋を特定させることを目指しているとブルームバーグは報じている。
アマゾン(Amazon)が、購入当初の興奮が冷めた後もアレクサ(Alexa)を使い続けてもらうことに苦戦している、とブルームバーグが伝えている。
ブルームバーグは12月22日、2018年から2021年の内部文書を引用し、アレクサ・オーナーの製品への興味が薄れ、使用頻度が減っていることを多くの証拠が示していると報じた。
内部の調査データは新たなユーザーの15%から25%が、購入して2週目にはアレクサへの興味が薄れていることを示しているという。アマゾンはInsiderに対し、ユーザーの大半は購入後1カ月以上経っても使用を続けていると反論している。
ブルームバーグが言及した2019年の企画書には、新たなユーザーは起動から3時間で、全機能の半分を見つけると書かれているという。アマゾンはInsiderに対し、これは2016年のリサーチに基づいているため、もはや正確とは言えないと語った。
「アレクサの成長が減速しているとの主張は正しくない」と、アマゾンの広報担当者、キンリー・ピアソール(Kinley Pearsall)はInsiderに対してコメントした。
「事実は、アレクサの成長は続いているということだ。顧客の利用頻度は高まっているし、世界中の多くの家庭で利用されている。毎日数千万人の顧客がアレクサを使っており、我々はこれまでと同様、アレクサの未来に対して楽観的だ」
ブルームバーグは、2021年のアレクサ関連プロジェクトの固定費が42億ドル(約4810億円)だったことが記載された文書から、人員が1万人以上投入されていると指摘し、同社はこの問題を解決すべく多くの資金と人材を投じていると報じた。
アマゾンはInsiderに対し、そのようなデータは公表していないと語っている。
ブルームバーグによると、同社は2018年はアレクサ搭載スピーカー1台あたり5ドル(約570円)の赤字だったが、2028年には1台あたり2ドル(約230円)の黒字へ転換したいとしていた。だが、2020年に実施された市場調査の結果、アマゾンはスマート・スピーカーは「成長期を過ぎた」との結論を下したとブルームバーグは報じている。
文書には、ユーザーが話している間に声の違いを認識し、どの部屋にいるのかを特定するためのカメラとセンサーの搭載も計画されている、とブルームバーグは述べている。
アマゾンはInsiderに対し、これは目新しいことではないとし、「超音波モーション検知」、「ビジュアルID」、煙探知器やガラスの割れた音などをユーザーに知らせる「Alexa Guard」などのオプション機能が既にあると指摘した。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)