2014年に撮影されたしぶんぎ座流星群。長時間撮影による星の軌跡とはまったく別角度で見える軌跡が、流れ星のものだ。
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1月3日の夜から4日明け方にかけて、2022年最初の天文イベント、「しぶんぎ座流星群」が見ごろを迎える。
しぶんぎ座流星群は、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群と並ぶ三大流星群の1つ。
国立天文台によると、今年は「絶好」の条件で、1時間に50個以上の流れ星が観測出来る可能性もあるという。
最も流れ星が観測される「極大」の時刻は、1月4日午前5時から6時頃。この時間帯にかけて、流れ星の数はどんどん増えていく。早朝ではあるものの、東京の日の出が6時51分であることを考えると、極大時は空がまだ十分暗い。
1月3日が「新月」であることから、月明かりの影響をほとんど受けずに観測が可能だ。
こういった好条件が重なったことから、国立天文台も「近年まれに見る絶好の観察条件」と指摘している。
観測のコツは?
「しぶんぎ座流星群」は、今はすでに存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」という星座付近から出現することからその名がつけられている。
「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」は、現代で言えば、「りゅう座」と「うしかい座」の中間付近。あるいは、北の空に見られる“ひしゃく”の形をした星座である「北斗七星」の“ひしゃくの持ち手”付近に位置している。
流れ星は、この付近の1点(放射点)を中心に出現する(下の図参照)。
極大の時刻にはこの放射点が非常に高い高度をとるため、空全体を広く見渡すのが観測のポイントだ。また、屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほど観察を続けると良いという。
しぶんぎ座流星群は、8月のペルセウス座流星群や12月のふたご座流星群と比較して、流れ星が頻繁に観察できる期間は前後1日程度と短い。また、年によって出現する流れ星の数にムラがあるため、国立天文台も
「1時間あたり30個程度にとどまる可能性もあります。両方の可能性があることに注意して観察してください。」
としている。
新年の運試しも兼ねて、ぜひ観測にチャレンジしてみてほしい。
1月4日の星座。
出典:国立天文台天文情報センター
流れ星の原材料は、宇宙空間を漂うダスト(ちり)。
ダストが地球へと落下する際に、大気との摩擦によって発熱・発光するだけではなく、ダストと衝突してエネルギーを得た空気の分子が発光することで、流星特有の強い輝きが生まれている。
流星群は、彗星などが宇宙空間に放出したダストの密集地帯に地球が突入することで、大量のダストが地球へと落下することで生じる現象だ。このダストの発生源(母天体)は、基本的に地球の近くにやってきた「彗星」だとされている。
しかし、国立天文台によると、しぶんぎ座流星群の母天体は諸説あり、まだ確定していないという。
防寒対策や新型コロナウイルスの感染対策をした上で、ぜひ流れ星の観測にチャレンジしてみてはいかがだろう。
(文、三ツ村崇志)