エフクト・ドットオーグのニック・ブラウンCEO。自らの新年の抱負をトラッキングして3年になる。
Kalen Jesse
私は「新年の抱負」の信奉者だ。
以前は紙にその年の抱負を書き出していたのだが、私が掲げる抱負は曖昧で野心的すぎるのが常で、達成可能でも現実的でもなかった。次の年が始まれば前年の抱負の振り返りをしたが、もちろんいつも未達に終わっていた。
ところが、抱負をトラッキングし始めると状況は一変した。
私は(デジタル・マーケティングのコンサルティング会社)エフクト・ドットオーグ(Effct.org)の共同創業者兼CEOだ。およそ3年前、「新年の抱負」というものに真剣に取り組もうと心に決めた。
何年も前のことだが、起業家になる前の私は教師だった。当時、生徒に対しては極めて明確な目標を課していて、それが生徒の助けになっていた。
そこで考えた。自分自身に対しても、トラッキングができて、達成可能な形で自己目標を設定したらいいのではないか、と。
抱負を追跡管理するようになってから、体と心の健康、人間関係、精神的な成長、キャリア、資産の面で改善が見られるようになった。
本稿では、私が毎年行っているやり方を紹介する。
1. 今年何を達成したいか決める
まずは、1年後にどんな自分になっていたいか、自分自身に問いかける。人生をどう改善していきたいかを明確にしなくてはならない。私は以下の6つの領域に着目するのが好きだ。
- 精神面
- キャリア
- 人間関係
- 体の健康
- 資産関連の目標
- 個人目標
私の場合、通常カテゴリーごとに2つ程度、目標を設定することにしている。目標を決める際は、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Actionable(行動可能)、Relevant (的を射ている)、Timely(時機に適う)の5つの頭文字に沿ったSMARTゴールにするのが大切だ。
例えば、「もっと夜のデートがしたい」では具体性に欠けるので、「パートナーと1週間に1回はデートしたい」と言い換えるという具合だ。目標は極めてシンプルなもので構わないが、数値化できるものにするのが肝心だ。
私は非常にシンプルなGoogleスプレッドシートを使って、自分の目標をトラッキングしている。ここに置いてあるので、コピーして利用してほしい。
スプレッドシートはカテゴリーごとにタブを分けてある。「体の健康」のタブは以下のようなものだ。
ニック・ブラウンの「新年の抱負」管理用エクセルの「体の健康」のタブ。
ニック・ブラウン
2. 7つのステップに従って目標を達成する
私はトニー・ロビンス(Tony Robbins)の自己啓発動画を見て、「新年の抱負」には最初に5つのステップがあることを学んだ。
- 1. 心から求めているものは何か、ビジョンを書く
- 2. 求めている理由を書く
- 3. 抱負を見直し、毎日反芻する(私は自転車や車に乗っている際に、自分の抱負について考えている)
- 4. 志を高く持つ。その目標を絶対に達成しなければならない理由を書く
- 5. その目標を達成するために、何を習慣化し、何を目標とするのかを書く
しかしこれでは不足だと考えたので、私はさらに次の2つのステップを追加している。
- 6. いくつかのSMARTゴールを書く。
- 7. 目標に応じて、毎日、毎週、毎月など適切な頻度で進捗を管理する。例えば私は、エクササイズについては毎日トラッキングしているが、食習慣に関する目標は週1回程度しか管理していない。
ステップ3を着実に実行するため、状況が許す限り、自分の抱負を声に出して言うことにしている。または自分の抱負を1ページにまとめたものを印刷して、音読することもある。自分の抱負は真剣に捉え、自己目標や、それらの目標を立てた理由についてじっくりと考察する。
目標管理は常に行うようにしているが、エクササイズ関連を除き、毎日はしていない。スプレッドシートにくぎ付けの人生なんて誰だって嫌だろう。少なくとも私は御免こうむりたい。
その代わり、毎週日曜日に15〜30分程度の時間を取り、進捗管理と目標に対しての振り返りを行うことにしている。スプレッドシートは、自分がスプレッドシートの外で行っていることに集中させてくれるツールに過ぎない。
3. 自分の目標は高めに設定する
すべての目標を達成できるわけではないし、柔軟に対処する必要もある。目標自体がばかげていたり達成不可能だったりすることに気づいて、途中であきらめるものもある。それはそれで構わない。抱負をトラッキング管理することで、進捗が分かるからだ。前に進み続ける限り、振り返ることもできるし、幸福感も得られる。
この2、3年、目標に対するトラッキングを続けてきた結果、うまく使いこなせるようになってきたと思う。考えと行動が以前より一貫しているし、「新年の抱負」を意識した生活ができるようになった。
この方法で目標を管理すると自分の進歩を可視化でき、やる気も維持できるので非常にいい。
例えば、昨日はTikTokを見ながら「ジムに行かなくちゃ」という考えがよぎった。そこで「行けばゴールに一歩近づけるぞ」と思えたから、重い腰を上げることができたのだ。
いずれ振り返りをする際に、どれくらい実際に達成できたか考えられる。そうすると本当にいい気分になれるのだ。
(翻訳:カイザー真紀子、編集:大門小百合)