『ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ』より。
WarnerMedia
- 映画『ハリー・ポッター』シリーズの出演者と撮影スタッフが映画公開20周年を記念した特別番組『ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ』で再会を果たした。
- この特番では、恋愛、骨折、いたずらなど、さまざまな"舞台裏"が明かされた。
- 映画の撮影中、ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリントはそれぞれ、若くして手にした名声に苦しんでいた。
(以下、敬称略)
多くの出演者は、映画に出演する前から本のファンだった
mohd kamarul hafiz/Shutterstock
最初の映画『ハリー・ポッターと賢者の石』の撮影が始まる前に、本は3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』まで出版されていたので、多くの出演者がすでに本を読んでいた。
ハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンは当時、父親が『ハリー・ポッター』の本を彼女とその兄弟に読んでくれていて、「夢中だった」と語った。
マシュー・ルイス、アルフレッド・イーノック、イヴァナ・リンチも、自分たちがどんなにこの本が大好きだったかを語っている。
フレッドとジョージを演じたジェームズ・フェルプスとオリバー・フェルプスは、特にウィーズリーの双子のパートを読むのが楽しかったという。
「物語に双子が登場することはあまりないから、ぼくたちはすぐにフレッドとジョージに親しみを感じたんだ」とジェームズは特番で語った。
監督のクリス・コロンバスは、最初の映画に対する自身のビジョンを売り込むためにスコットランドまで飛んだ
クリス・コロンバスは映画『ハリー・ポッター』シリーズの最初の2本で監督を務めた。
Nick Wall
クリス・コロンバスが実際に『ハリー・ポッター』を読み始めるまでに、彼の娘は何度もこのシリーズを読むよう説得しようとしたという。
そして、本を読んだコロンバスは映画化を手掛けたいと考えた。
「すぐに映画が見えました。ただ、見えたんです」とコロンバスは語った。
「あれ以来、そういうことは起きていません」
コロンバスは作者のJ・K・ローリングに自身のビジョンを売り込むために、スコットランドまで飛んだという。
ハリー・ポッターのキャスティングは難航した
HBO Max
ハリー・ポッターのキャスティングは「常軌を逸していた」とコロンバスは振り返った。
「わたしたちはハリーを見つけられなかったんです」とローリングは特番で放送された事前収録の映像の中で語った。だんだん「パニック」になっていったという。
その後、ダニエル・ラドクリフが出演していた『デビッド・コパーフィールド』(1999年)を見たコロンバスは、すぐにラドクリフにオーディションを受けてもらいたいと考えた。
ラドクリフの両親は当初、これを断った。あまりにもプレッシャーが大きいと考えたからだ。ただ、プロデューサーのデヴィッド・ハイマンの説得もあり、最終的に両親は息子にオーディションを受けさせることに同意した。
フェルプスの双子はオーディション直前に衣装を変えた
HBO Max
フレッドとジョージの"ウィーズリーの双子"は、『ハリー・ポッター』シリーズの中で何度もマッチング・コーディネートを披露しているが、フェルプスの双子は当初、オーディションで同じようにするつもりはなかったという。
「お揃いの服を着ていない双子は自分たちだけだと気付いたんだ」とオリバー・フェルプスは語った。
「道を渡って、お揃いのトップスを買ったよ… 普通の既製品を」
最初の映画では、子役たちを集中させるのが大変だった
HBO Max
ハグリッドを演じたロビー・コルトレーンは、コロンバスは子どもたちと仕事をするのがとても上手かったと話した。
「コロンバスは子どもと仕事をする経験が豊富で、本当に素晴らしかった」とコルトレーンは振り返った。
ただ、ネビルを演じたルイスは「子どもを相手にするのはものすごく忍耐がいるから、簡単なことではない… ぼくたちが皆そうだったように、異常に活発で興奮しやすい子どもの場合は特に、ね」と指摘した。
監督が撮影現場で子役たちを楽しませ、「ただの子ども」でいられるようにしていたことに、複数の出演者が驚いた。
「ぼくたちが楽しめるようにしてくれたことで、彼らは恐らく自分たちの仕事をより大変なものにしていたと思う。ぼくたちはやるべきことから気を散らしていたんだから」とラドクリフは語った。
子役たちは、自分たちが伝説的な俳優たちと仕事をしていると認識しているようには見えなかった
Nick Wall
ドラコ・マルフォイを演じたトム・フェルトンは、子役たちは基本的に知らず知らずのうちに「イギリス俳優業界の一流の人々」に囲まれていたと語った。
「ぼくはしばらくの間、リチャード・ハリスが観光ガイドとしてここで働いているんだと思っていたんだ」とフェルトンはジョークを飛ばした。
コロンバスは「当時は自分たちが一緒に仕事をしている相手… イギリスの俳優界のトップたち… のすごさを理解できている子はいなかったと思います」と付け加えた。
ただ、子どもだらけの撮影現場では、伝説的なおとなの俳優たちも「一緒になっていたずらをしていた」とワトソンは語った。中でもコルトレーンについては、グリントが「本当に子ども」と話している。
大広間に浮かぶろうそくにはもともと操演が使われていたが、ひどい結果になった
HBO Max/Warner Bros.
大広間にろうそくが浮いているシーンは魅力的だった。
ふわふわと空中に浮いているように見せるため、当初、ろうそくは天井から透明の釣り糸に吊るされていた —— 火災を起こしそうになるまでは。
「撮影現場でのお気に入りの瞬間の1つは、浮いているろうそくの火がろうそくを天井に固定するためのロープに燃え移って、大広間に落下し始めた時だ」とラドクリフは語った。
その上で「今ならその多くに視覚効果が使われただろう。セットにそれが実在したのは… スチュアート・クレイグのおかげだね」と付け加えた。
クレイグは『ハリー・ポッター』シリーズのプロダクション・デザイナーを務めた人物だ。
クィディッチをどう見せるかが難しかった
クィディッチのシーンの撮影に臨むダニエル・ラドクリフ。
HBO Max
魔法界のスポーツ「クィディッチ」はシリーズの重要なパートの1つだったので、製作側は映画でそれをどう見せるのか、原作をもとに考え出さなければならなかった。
「撮影が一番難しかったのはクィディッチのシーンで、見ている人にそのルールがすぐに分からなければならなかった」とコロンブスは振り返った。
幸い、ローリングが彼らのために「試合のあらゆる詳細」を説明したクィディッチのルールブックのようなものを作ってくれた。
それをもとに、「本物」と感じられるようなクィディッチの競技場をクレイグがデザインした。
ジェイソン・アイザックスはもともと別の役のオーディションを受けていた
Warner Bros. Pictures
ジェイソン・アイザックスはルシウス・マルフォイを演じたが、もともとギルデロイ・ロックハート役のオーディションを受けていた。
すでに『ピーター・パン』(2003年)でフック船長を演じることが決まっていたので、子どものかたき役をもう一度演じたくなかったのだと、アイザックスは語った。ただ、コロンバスはアイザックスにルシウス役を演じてほしいと伝えた。
「最後はルシウスを演じることになるだろうと思っていました。自分がやりたくなかったから」とアイザックスは振り返った。「歯を食いしばって最後まで読んで、とても苦しかった。もちろん、それこそが必要だったもので、彼らはわたしにルシウスを演じてくれないかと尋ねた。彼らがそうしてくれて良かった」
その後、アイザックスはこの役が「とんでもなく楽しい」と気付いたという。
フェルトンはアイザックスとの共演を時々、厄介に感じていて、ちょっとした怪我をさせられたこともあった
Warner Bros. Pictures
アイザックスはフェルトンと一緒のシーンが多く、フェルトンのことを「本当にかわいい子」だと語っている。
ただ、フェルトンは突然、役に入るアイザックスのことをちょっと厄介だと感じていた。
「彼は突然、ものすごく不愛想でぼくがこれまで出会った中で一番ひどい人間になる」とフェルトンは語った。
「こんな悪魔のような父親だったかと思えば、カットがかかると、ぼくの方へやってきて抱きしめたり…」
アイザックスは最初に撮影したシーンで、ヘビの頭が付いた自分の杖でドラコを叩かなければならず、うっかり"息子"の手を傷つけてしまったと明かした。
「わたしを見上げた彼の目には涙があふれていた。『トム、本当にごめん…』と言ったら、彼は『大丈夫です。良いシーンになりました』と言ったんだ」とアイザックスは語った。
リチャード・ハリスは不死鳥フォークスのアニマトロニクスを本物の鳥だと思っていた
リチャード・ハリスは『ハリー・ポッター』シリーズの最初の2作品でダンブルドアを演じた。
Warner Bros. Pictures
ダンブルドアを最初に演じたリチャード・ハリスは、子役たちが共演するチャンスに恵まれた伝説的な俳優の1人だった。ただ、ラドクリフとコロンバスは、撮影現場でハリスが自分の周りの状況をあまりよく分かっていなかった時があったと、振り返った。
「きみとぼくはリチャード・ハリスのことで一緒にものすごく笑ったことがあったね。不死鳥フォークスのアニマトロニクスがいて… 現場に入ってきたリチャードがそれを見て、『おお、こういう動物は最近、驚くほどよく訓練されているな』って言ったんだ」とコロンバスは特番でラドクリフに語りかけた。
ラドクリフは、フォークスの目の中にカメラがあって、ハリスがフォークスを見ると、オペレーターがまるで本物の鳥のようにそれを動かしていたと説明した。
「ぼくたちはハリスにそのことを一度も話さなかった」とラドクリフは語った。
2作目まで撮ってシリーズから離れたことに、コロンバスは「常に罪悪感があった」
HBO Max
特番の中で、ラドクリフはコロンバスに「あなたがやったやり方でこのシリーズを始めることができた人は、他にはいないと思う」と話した。
しかし、コロンバスが2021年にThe Hollywood Reporterに語っているように、コロンバスは当時「精神的にも肉体的にも疲労困憊」で、自分の子どもたちとの時間を失いつつあるのではないかと感じていた。コロンバスは2作目を撮り終えると、シリーズを離れた。
「(シリーズを)離れたことに常に罪悪感があった。きみたちにさよならを告げた時、ぼくはこの子たちを置いていくなんて信じられないという気持ちだったんだ」とコロンバスはラドクリフに語った。
ゲイリー・オールドマンは、ラドクリフが『ハリー・ポッター』シリーズで初めて実際に会って感激した俳優だった
Warner Bros. Pictures
シリーズの初めの2作品でハリス、コルトレーン、マギー・スミス、アラン・リックマンなど、評価の高い数多くの俳優と共演してきたものの、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でシリウス・ブラックとしてゲイリー・オールドマンがキャストに加わるまで、ラドクリフは実際に会ってものすごく感激したことはなかった。
「実際に会って、自分が圧倒されたのを覚えている最初の人がゲイリーだった」とラドクリフは語った。
「あなたがゲイリーのことを話したのを覚えているわ」とワトソンは振り返った。
「あなたは『聞いて、エマ。落ち着かなきゃダメだよ、ゲイリー・オールドマンなんだから。すごいことだよ。落ち着かなきゃね』って」
ラドクリフは、あれは素晴らしい俳優が撮影現場にやってくることへの「自身の恐怖心の投影」だったと話した。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督アルフォンソ・キュアロンは、ラドクリフとオールドマンの関係性は「心温まる」もので、ハリーとシリウスの関係性にも似ていると話している。
リックマンだけは、本の出版前に自身が演じる人物の心の軌跡を知っていたかもしれない
Warner Bros.
最初の映画が公開された時、『ハリー・ポッター』の本はまだ続きが書かれていたので、出演者たちは自分が演じる人物の心の軌跡が最終的にどうなっていくのか知らなかった。
ラドクリフによると、唯一の例外はセブルス・スネイプを演じたリックマンかもしれない。
リックマンは早い時点でローリングを説得し、スネイプに何が起こるのか聞いていたという。
ただ、リックマンはローリングがスネイプをどうするつもりでいるのか、他の出演者や監督にも教えなかった。
キュアロンがメインの3人に宿題を出したところ、3人の対応はそれぞれが演じるキャラクターとぴったりだった
HBO Max
キュアロンがシリーズ3作目に取り掛かり始めると、コロンバスのスタイルからの"変化"があったとワトソンは話している。その1つが3人に出した宿題だ。
ロンを演じたルパート・グリントによると、キュアロンはグリント、ワトソン、ラドクリフにそれぞれが演じているキャラクターについてレポートを書くよう言ったという。キャラクターをより身近に感じるためだ。
ラドクリフは1ページの半分くらい書き、ワトソンは約12ページ書き、グリントはレポートを提出しなかった。まるでハリー、ハーマイオニー、ロンのようだった。
ジョージ・ウィーズリーを演じたオリバー・フェルプスは、撮影現場で監督マイク・ニューウェルの肋骨を折ってしまった
撮影現場でレスリングをするジェームズ・フェルプスとマイク・ニューウェル。
HBO Max
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ウィーズリーの双子が三大魔法学校対抗試合に参加しようとして失敗、取っ組み合いをする。
監督のマイク・ニューウェルは、自らオリバーと戦うことで、どんなやりとりをすべきか見せようとした。
ただ、ニューウェルは「あれは本当にやるべきじゃなかった」と話している。結果的に肋骨を何本か折り、その後の撮影は「激しい痛み」を伴うものになったからだ。
出演者の多くが初恋や恋愛を撮影現場で経験した
HBO Max
ジニー・ウィーズリーを演じたボニー・ライトは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は「初恋を経験するティーンエイジャーの物語」だったと話していて、それは若い出演者にとっても同じだったようだ。
「文字通り、同じ経験をわたしたちはしていたわ」とライトは語った。
ラドクリフとワトソンは現場でお互いにデートのアドバイスをし合っていたと言い、ラドクリフは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が自分にとっては「ホルモンのピーク」だったと話している。
ルイスも、この年代の子どもたちが通う学校と同じように、撮影現場に"恋愛"があったと話した。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、フェルプスの双子はグリントにダンスレッスンに参加し損なったと信じ込ませた
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』より。
Warner Bros.
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ダンスパーティが大きなパートを占めた。
パーティの前にマクゴナガル先生が生徒にダンスを教えるシーンを撮影する前、フェルプスの双子はグリントに、事前にダンスレッスンを受けるはずだったと信じ込ませた。
「彼を怒らせたんだ」とジェームズは語った。
「ぼくたちが『ステップは分かってる?』って言ってね」とオリバーが付け加えた。
「ルーティンは知ってる? ぼくたちは皆、ここ6週間くらいそれをやってきたんだよ」
ダンスパーティにドラマチックに登場するハーマイオニーのプレッシャーはすごかった
Warner Bros.
ハーマイオニーがダンスパーティに登場するシーンの重要性に触れたワトソンは、このシーンはハリーとロンが初めてハーマイオニーをただの自分たちの仲間ではなく、1人の若い女性として見た時だと語った。
「これが大きな意味を持つことだと分かっていたから憂鬱だった」とワトソンは話した。
「アヒルの子が白鳥になるような瞬間だと分かっていたわ。突然、そのプレッシャーに気付いたの」
「もちろん、階段から落ちたわ」とワトソンは付け加えた。
ワトソンとフェルトンは恋愛関係になったことは一度もないものの、お互いへの愛を示している
Nick Wall
ワトソンはフェルトンのことが好きだったことがあり、フェルトンもそれに気付いていた。そして、ワトソンは自分が恋に落ちた瞬間を覚えているという。
シリーズ前半の撮影中、現場で受けたチュートリアルで2人は、神様がどんな見た目をしていると思うか、絵を描いてみるよう言われ、フェルトンはスケートボードに乗った、帽子を後ろ向きに被った少女を描いた。
「どう言ったらいいか分からないけれど、ただ恋に落ちたの」とワトソンは語った。
ワトソンは毎日、進行予定表でフェルトンの番号である「7」をワクワクしながら探していたものの、フェルトンが自分のことを妹のように見ていることも分かっていたという。
ワトソンの3歳上のフェルトンは、ワトソンのことを絶対に守らなければという気持ちが強かったという。
「彼女のことはずっと大好きだよ。それは今も続いている」とフェルトンは付け加えた。
「わたしたちにロマンチックなことは一度も起こらなかった」とワトソンは明言した。
「ただ、お互いへの愛があるだけ」
ラドクリフは『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の撮影中、ヘレナ・ボナム・カーターにラブレターを書いていた
Nick Wall
ベラトリックス・レストレンジを演じたヘレナ・ボナム・カーターは今回の特番に、ラドクリフが『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の撮影中、彼女のために書いたサインの写真を持ってきた。
そこには「あなたを愛しています。あと10年早く生まれていたら、チャンスがあったかもしれない。たくさんの愛を込めて。かっこよくいてくれてありがとう」と書かれていた。
ボナム・カーターは「あれはこれからもずっと大切にする」つもりだと話した。
ベラトリックスがシリウスを殺すシーンはもっと長いはずだった
Warner Bros
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で、ベラトリックスはシリウスに死の呪文を放ち、シリウスは生と死の間にある門としての役割を果たす神秘的なアーチの中へと落ちていく。
映画ではシリウスの死は突然やってくるが、実際は原作に近い、もっと長い戦いのシーンが撮影されていた。
ボナム・カーターはこのシーンを「本当に素晴らしいシーン」だったと言い、オールドマンは何日もかけて撮影したものが全てカットされたと語った。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の後、ワトソンはハーマイオニーを演じ続けたいかどうか分からなかった
HBO Max
多くの共演者に比べて若いワトソンは、4作目の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の後、「名声がいよいよ精神的に大きな負担となって」映画を離れることを考えたという。
「わたしは孤独だった… 怖かったんだと思う」とワトソンは語った。
撮影現場では、若くして有名になることについて、彼らが話し合うことは一切なかったとラドクリフは当時を振り返った。
「14歳の少年だったぼくは、周りの他の14歳に『元気? 問題はない?』と聞くことはなかった」
グリントも、自分たちが取り組んでいることの影響力の大きさに気付き、シリーズから離れたらどんな感じなのだろうと考えたことがあったと語った。ただ、ワトソンが自分と同じように感じていたことは知らなかったという。
最終的に、ワトソンは「誰かがわたしを説得する必要はなかった。ファンは心から成功を祈ってくれていたし、わたしたちは皆、お互いを助け合っていた。素晴らしいことよね?」と話した。
ワトソンが飼っていたハムスターが撮影中に死んでしまい、舞台装置担当はワトソンのために本物の棺を作った
Nick Wall
ホグワーツの生徒がねこやフクロウ、ネズミを学校に連れて来ていたように、ワトソンも「ミリー」と名付けたハムスターを撮影現場に連れて来ていた。
残念ながら、ミリーは撮影中に死んでしまったものの、舞台装置の担当者が「わたしがあまりにも悲しんでいたので、ミリーのために中がベルベッドになっている、彼女の名前を彫った木製の特注の棺を作ってくれた」とワトソンは明かした。
また、ワトソンが死んでしまったハムスターを手放そうとしないので、舞台装置の担当者はミリーを棺に入れておくよう彼女を説得しなければならなかったと、ワトソンは語った。
共演者を失うのは、家族を失うのと同じような感覚だという
Warner Bros.
映画が作られてから、これほど多くの出演者が死んでしまったことは「衝撃的だった」とワトソンは話した。グリントは、出演者を失った悲しみは、家族を失う悲しみと同じだと語った。
これまでにハリスやリチャード・グリフィス、リックマン、ジョン・ハート、ヘレン・マックロリーといった出演者が他界している。
ラドクリフは、バーノンおじさんを演じたグリフィスを失ったのが、自分にとってはとても大きかったと話した。撮影現場でその知識を「惜しみなく」共有してくれた思い出があるからだという。
アイザックスは、シリーズの中で自身の妻ナルシッサ・マルフォイを演じたマックロリーを、自分がこれまで出会った中で「最高の女優」だったと話した。彼女が自分にどれだけいろいろなことを教えてくれたか話していたフェルトンは、目に涙を浮かべていた。
ワトソンは、リックマンは常に自分と真剣に向き合ってくれたと話し、感謝していると語った。
ロンとハーマイオニーのキスシーンは撮影するのが本当に難しかった
Warner Bros.
シリーズ8作目の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』では、ロンとハーマイオニーが初めてキスをするが、ワトソンはその撮影が「一番恐ろしかった」と語った。
監督のデビッド・イェーツは、何年もそのキスを待っていた観客にとってその瞬間が重要であることを理解していたものの、ワトソンとグリントはそのシーンを笑わずに撮るのに苦労したという。
ラドクリフは、「完全にバカ」だった自分が状況をさらに悪くしたと謝った。
「状況をぼくは良くしなかった… 『現場に来て、きみたちがキスするのを見るつもりだよ』って感じで」とラドクリフは語った。
ワトソンとグリントは、ワトソンがリーダーシップを発揮してこのシーンを撮影することができた。ただ、グリントとのキスはきょうだいにキスをするような感じだったと、ワトソンは振り返った。
「ぼくは意識を失っていたような気がする。きみの顔がどんどん近づいてきたことだけ覚えているんだ」とグリントはワトソンに語った。
「ルパートとのキスは、これまでやらなくちゃいけなかったことの中でも一番難しかったことの1つね。おかしな感じだった。あらゆるレベルでものすごくおかしな感じだった」
[原文:26 of the biggest takeaways from the 'Harry Potter' reunion special]
(翻訳、編集:山口佳美)