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- アメリカでは3人に1人が"政府に対する暴力は正当化される"と考えていることが、最新の調査で分かった。
- "政府に対する暴力は正当化される"と考えている人の割合は、2015年の調査では23%、2010年の調査では16%だった。
- 支持政党別に見ると、共和党支持者では40%、民主党支持者では23%が"政府に対する暴力は正当化される"と考えている。
アメリカでは「市民が政府に対して暴力的な行動を取ることは正当化される」と考えている人の数が増えていることが、ワシントン・ポストとメリーランド大学の最新調査で分かった。
今回の調査では、34%の人々が"政府に対する暴力は正当化される"と考えていた。同様に考えている人の割合は、2015年の調査では23%、2010年の調査では16%で、増加しているという。
調査は2021年12月17日から19日にかけて、1101人の成人を対象に行われた。ワシントン・ポストによると、共和党支持者の40%、民主党支持者の23%が"政府に対する暴力は正当化される"と考えていることも分かった。
中でも、大卒の若い男性は"暴力を容認できる"と答える傾向が強かった。人種別に見ると、"政府に対する暴力は正当化される"と答えたのは、黒人ではわずか18%だった一方、白人では40%だった。
全体では回答者の62%が"暴力は決して正当化されない"と答えているものの、多い時で90%が"暴力は決して正当化されない"と答えていた1990年代に比べると、その割合は減っているとワシントン・ポストは報じている。
回答者は、新型コロナウイルスの規制の行き過ぎや少数派の選挙権のはく奪など、政府が人々の権利や自由を侵害したり、奪おうとする時に暴力が正当化されると答えた。
「人類の歴史において、政府がもはや国民を代表せず、他に頼れるものがなければ、その時なのかもしれません」とビバリー・ルーカスさん(75)はワシントン・ポストに話している。
共和党員でトランプ前大統領に投票したルーカスさんは、2021年1月6日にワシントンD.C.で起きた議事堂侵入事件が自身の考え方に影響を与えたと同紙に語った。ルーカスさんは、暴徒化した人々の写真や映像に恐怖を感じはしたものの、非暴力の代替手段がなかったのであれば、暴力が正当化できると思える場面がいくつもあったと話した。
(翻訳、編集:山口佳美)