創業者が語る、誰も教えてくれない「ストックオプション」…SmartHR 、LayerX、カウシェ編【1万字対談】

宮田昇始(SmartHR)、門奈剣平(カウシェ)、福島良典(LayerX)

写真左から宮田昇始(SmartHR)さん、門奈剣平(カウシェ)さん、福島良典(LayerX)さん。

撮影:今村拓馬

スタートアップ企業の従業員になる魅力の1つである「ストックオプション」(新株予約権、以下SO)。

シェア買いアプリで知られるカウシェが2021年の終わりに、「退職後も権利を行使できるストックオプション制度を導入した」ことはSNS上で大きな話題となった。

給与を下げて入社するケースも少なくないスタートアップ企業の経営者にとって、SOは「良い人材を獲得するための切り札の1つ」であり、会社の成長と従業員のモチベーションを同期させられる大きな武器だ。

従業員にとっても億万長者という夢への切符にもなり得るが、一方で「ただの“紙クズ”になった」「なんだか怖い」という声もある。

スタートアップ企業の経営者は、どんな考えでSOを設計しているのか?また、どんな「課題」があるのか?

気鋭のスタートアップ創業者3名を招き、前後編で鼎談をお届けする。

まず前編は、人材や資本政策の思想が色濃く表れるSOについて。3人にその課題と理想を生々しく語ってもらった。

福島良典:大学院在学中にニュースアプリGunosyをつくり起業。同社は2015年に上場した。その後2018年にLayerXを立ち上げ、CEOに就任。コーポレートDXを加速させる「バクラク」シリーズなどを提供している。

宮田昇始:人事労務ソフトSmartHR社の創業者。同社は2021年6月に企業価値・推定1731億円(登記簿情報などをもとに日経新聞が調査)となり、国内6社目のユニコーンに。社長を退任し、今後はSmartHR100%子会社を作って新規事業に専念すると公表している。

門奈剣平:日用品や食料品を共同購入(シェア買い)できるアプリ「カウシェ」を提供するカウシェのCEO。2021年11月に第三者割当増資で約8億1000万円を調達した。

そもそも、ストックオプションとは何か

門奈剣平(カウシェ)

カウシェ代表の門奈剣平さん。

撮影:今村拓馬

SOは企業の役員や従業員らが決められた価格(権利行使価格)で自社株を購入できる権利のことで、上場後に売却すれば株価と権利行使価格の差額が利益になる。中には株価が権利行使価格の数十〜数百倍に跳ね上がるケースもあり、特に評価額が1000億円超の、いわゆる「ユニコーン企業」が上場した際の従業員へのインパクトは大きい。

メルカリが東証マザーズに上場した際の発行済株式総数に対するSO比率は20.9%。役員だけではなく従業員からも複数の資産家が誕生して注目が集まった。

一方で、SOを行使する際の条件は企業が独自に決めることができ、上場までに退職した場合は権利を保持できないことも少なくない。そんな中、カウシェが新たに導入したSOは、「3年間在籍した役員や従業員は、上場前に雇用契約が終了してもSOを100%保有し続けることができる」設計だ。

SOがもたらす、スタートアップ人材流動性への功罪

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