クエンティン・タランティーノ。
Jordan Strauss/Invision/AP
- クエンティン・タランティーノは、計画していた通り「パルプ・フィクション」の脚本からいくつかのチャプターに関連するデータをNFTとして販売する。
- それぞれのNFTは、2022年1月17日から1月31日にかけて、個別にオークションにかけられる。
- 製作・配給会社のミラマックスは、この販売に関してタランティーノを訴えているが、オークションはそのまま実行される。
クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)は、1994年に公開された映画「パルプ・フィクション」のオリジナル脚本のスキャン画像などをNFT(非代替性トークン)として販売することを以前から計画しており、権利を巡って映画を製作・配給したミラマックス(Miramax)から訴えられているが、そのままオークションを実行しようとしている。
アカデミー賞を始め、多くの受賞歴のあるタランティーノは2022年1月5日のプレスリリースで、7つのNFTのオークションを2022年1月17日から1月31日まで開催すると発表した。各NFTは個別に販売される。オークションに参加するには、仮想通貨ウォレットのメタマスク(MetaMask)とイーサリアム(ETH)あるいは他の暗号通貨を所有していなくてはならない。
2021年11月、タランティーノは「パルプフィクションのノーカットシーン」を、Secret Networkのブロックチェーン上に構築されたNFTの形で販売すると発表した。このコンテンツは所有者のみが閲覧可能で、所有者は他の人とシェアするかどうか、選択することもできる。
その数週間後、この映画を製作・配給したミラマックスは、タランティーノを契約違反と著作権および商標権の侵害で訴えた。
タランティーノ側の弁護団の1人で、Proskauer Rose LLPのパートナー弁護士であるバート・ウィリアムズ(Bart Williams)は、「タランティーノのチームは、ミラマックスの請求を退けようとしたことはなく、反論や申し立てをしたこともない」と述べている。
1月5日のプレスリリースによると、NFTには「パルプ・フィクション」の手書きの脚本の一部とタランティーノ自身による音声解説が含まれているという。
「この希少な限定版のNFTを購入したコレクターは、クエンティン・タランティーノの精神と独自の創作過程を初めてのぞくことになる」とNFTの販売用ウェブサイトに記載されている。
タランティーノの弁護士は、ミラマックスの訴えに対する回答書の中で、この訴訟を「無礼でメリットがない」ものだとし、「タランティーノは、彼が何十年も非公開にしてきた個人的な創作による宝である『パルプフィクション』の手書きのオリジナル脚本を公開するあらゆる権利を持っている」と述べている。
訴訟事件一覧表によると、法廷での最初の日程調整会議は、2022年2月24日に予定されている。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)