「悪夢は終わった。しかし、これも恐ろしい」…救急医が感じたオミクロン株の怖さ

2022年1月5日、ニューヨーク市マンハッタンの病院へ緊急搬送される患者。

2022年1月5日、ニューヨーク市マンハッタンの病院へ緊急搬送される患者。

REUTERS/Carlo Allegri

  • 新型コロナウイルスのオミクロン株は、以前のウイルスとは異なる方法で人々を病気にしていると救急医は話している。
  • この変異株は他の病状を悪化させることが「とても多い」と、救急治療室の医師であるクレイグ・スペンサーは言う。
  • 彼は「悪夢は終わった。でもこれも怖い」とツイッターに投稿した

ミクロン株によるCIVOD-19(新型コロナウイルス感染症)は、以前のウイルスと比較し、「人々を別の方法で病気にしている」と最前線のER(救急治療室)で働く医師が指摘している。

コロンビア大学医療センターの救急医療の准教授であるクレイグ・スペンサー(Craig Spencer)博士は、2020年3月に始まった新型コロナウイルス第一波とは異なり、「息切れして」酸素を必要とする患者は少なくなったと2022年1月4日にツイッター(Twitter)に投稿している

「しかし、その症例数は非常に多く、さまざまな形で患者に影響を与えている」とスペンサーはニューヨークのERでの経験を話している。

「記録的な数の」新型コロナウイルスの患者がERにやってきており、新型コロナウイルス以外の患者の数も「極めて多い」とスペンサーは話す。

「第一波の期間は、ERで見た病気はCOVID-19だけだった」

スペンサーによると、現在のCOVID-19は既往症を悪化させているという。例えば、糖尿病患者の場合、糖尿病性ケトアシドーシスという命にかかわる状態を引き起こす可能性がある。

またCOVID-19を発症した高齢者はベッドから起き上がれないほど衰弱し、歩けなくなることもあるという。

さらにスペンサーは、「今までと違う点は、新型コロナウイルスの感染者が、ウイルスを避けるためにあらゆる手段を尽くしてきた患者の隣のベッドにいることがあり、感染によって重大な被害を受けてしまう可能性があることだ」とも述べている。その患者とは、化学療法中のがん患者、免疫不全や他の病気の重症者だという。

公式統計によると、2022年1月3日時点でニューヨーク市内で新型コロナウイルスに罹患し入院したのは5495人で、2週間前の4倍となり、2020年5月以降で最多となっている。

「あの悪夢は終わった。でもこれも怖い」とスペンサーは述べている。

オミクロン株が最も一般的な変異株になったイギリスでは、2021年12月31日に発表されたNHSイングランドのデータによると、新型コロナウイルス患者の3分の2が、新型コロナウイルスが直接の原因で入院している。

残りの患者は、新型コロナウイルスによって持病が悪化した人、新型コロナウイルスが偶然見つかった人、または入院中だった人などだとユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでオペレーショナル・リサーチの教授を務めるクリスティーナ・パジェル(Christina Pagel)は当時ツイッターに投稿している

オミクロン株自体が他の変異株と異なる症状を引き起こすのか、過去の感染やワクチン接種による免疫が、オミクロン株による重症化を食い止めているだけのかはまだ明らかになっていない。

スペンサーによると、オミクロン株感染で重症化した患者のほとんどは、ワクチン未接種だったという。「まだ予防接種や追加接種を受けていなければ、今がまさにその時だ。違いが出てくるだろう」と彼は言った。

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

あわせて読みたい

新着記事

ukraine-crisis

【ウクライナ危機】「ロシアへのエネルギー依存」で弱腰のヨーロッパ。これ以上こじらせたくない事情とは

  • 土田 陽介 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 副主任研究員]
  • Jan. 27, 2022, 01:00 PM

Popular