認証店も知事判断で酒提供の停止要請:「まん延防止等重点措置」広島・山口・沖縄に。東京はどうなる?(解説)

岸田首相

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政府は1月7日、新型コロナ特措法に基づく「まん延防止等重点措置(以下、重点措置)」を広島県・山口県・沖縄県に適用することを決定しました。岸田政権では初の「重点措置」の発出となります。

期間は1月9日から31日まで。適用地域では、知事が法律に基づき時短要請や命令などを出せるようになります。

年末年始を挟んで、各地でオミクロン株の市中感染が確認されています。また、沖縄では米軍基地でのクラスターが発生。6日には沖縄県内で過去最多となる981人の感染者が確認され、爆発的な感染拡大が続いています。

今回、重点措置の対象にはならなかった東京でも、年明けからの感染者が急増しています。

今後、東京は重点措置の対象になるのか ──。1月5日、産経新聞は「都が重点措置の適用も視野に政府と調整に入った」と報道しましたが、小池知事は5日の時点では要請について「考えていない」と否定しています。

一方、小池知事は7日の会見で「1月6日の新規感染者は641人。12月30日は64人だったので10倍に跳ね上がった」と危機感を表明。

都は同日「オミクロン株の急速拡大に伴う緊急対応」を発表。現在、認証店では「1グループ8人以内」としている会食の人数制限について、11日から31日まで「1グループ4人以内」に制限を要請。5人以上の場合はワクチン接種証明書の提示を求めます。

都立施設も11日から31日まで原則休館となります。

政府が再開を目指していた「GoTo」施策の先送りを受けて、都民向けの観光振興「もっとTokyo」の再開も延期する意向を示しました。

東京都「オミクロン株の急速拡大に伴う緊急対応」

東京都「オミクロン株の急速拡大に伴う緊急対応」

東京都

6日の都モニタリング会議では、年末年始の大人数での会食による感染例が報告されました。

幸いにも重傷者数は5日時点では3人と抑えられているものの、感染者数が増加すれば重傷者数も増える恐れがあり、医療提供体制の逼迫が想定されます。

都のモニタリング会議は「新規陽性者数の増加比が著しく上昇し、これまでに経験したことのない高い水準になった」とし、デルタ株からオミクロン株への置き換わりによる急速な感染拡大を警戒。都の感染状況を表す4段階の警戒レベルは、約2カ月半ぶりに下から2つ目のレベルに引き上げられました。

オミクロン株の感染急拡大を受けて政府は「基本的対処方針」を変更します。なにが、どう変わるのか。「重点措置」の仕組みとあわせて、簡単に解説します。


【簡単解説】「まん延防止等重点措置」とは?

1.「まん延防止等重点措置」とは?

「まん延防止等重点措置」(以下、まん延防止措置)とは、特定の地域で新型コロナ感染症が生活や経済に「甚大な影響」を及ぼすレベルで拡大(まん延)することを防ぐための措置とされています。

新型コロナ特措法:第三十一条の四(まん延防止等重点措置)

政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章及び次章において同じ。)が国内で発生し、特定の区域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある当該区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を集中的に実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、当該事態が発生した旨及び次に掲げる事項を公示するものとする。

平たく言えば「地域限定の緊急事態宣言」と言えるもの。「特定の区域が属する都道府県において感染が拡大するおそれ」「医療提供体制・公衆衛生体制に支障が生ずるおそれがある」時に適用されます。

専門家が定めた4段階の感染状況のうち2番目に深刻な「ステージ3」相当、または状況次第では「ステージ2」相当で適用されます。これがもし、最も感染状況が深刻な「ステージ4」相当になると「緊急事態宣言」の発出目安となります。

2.「基本的対処方針」の変更も

オミクロン株の感染拡大を受けて、政府は新型コロナ対策の「基本的対処方針」を変更します

まず、重点措置の適用地域では、感染対策の認証店であっても、知事の判断で酒類の提供停止を要請できるようになります。岸田文雄首相は6日の会見で、重点措置の強化ポイントの1つとして「知事の判断により酒類の提供を停止することなど、更なる措置を可能とする」と表明しました

また、オミクロン株が急拡大している地域では自宅での療養体制が整っていることを条件に、感染者や濃厚接触者でも症状に応じて自宅での療養なども可能にするとしています。

一方で、イベントの開催条件などについて、現在は「ワクチン・検査パッケージ」制度の活用を人数制限の緩和条件としていましたが「全員検査」を実施すれば人数制限を緩和することも可能とする方針です。

3.お店の営業時間は? 制限や義務、ペナルティは?

適用地域の都道府県知事は、各事業者に対して営業時間の短縮要請(時短要請)ができます。

要請に従わなかった事業者に対して、知事は「命令」を出すことも可能。立ち入り検査や店名の公表もできます。

ただし、緊急事態宣言とは異なり、休業要請はできません。

住民に特定区域との行き来や特定の業態店舗への出入りの自粛要請、店舗への見回り、イベント開催の制限なども可能になります。大阪府ではマスク未着用者の入店禁止や飲食店のアクリル板設置の義務化などが実施されています。

もし、知事の「命令」に従わなかったり、立ち入り検査や報告徴収を拒否した事業者には20万円以下の過料が課されます。なお、緊急事態宣言下では30万円以下の過料となっています。

UPDATE:2022/01/07 22:11 情報を更新しました

(文・吉川慧)

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