メルセデス・ベンツ ヴィジョンEQXX。
Mercedes-Benz
- ラスベガスで開催された大規模なテクノロジー見本市「CES 2022」が1月8日に終了した。
- そこには多くの自動車メーカーが参加し、最新かつ最高のアイデアを搭載した車を世界に披露した。
- キャデラック、シボレー、メルセデス・ベンツ、BMWなどが電気自動車を公開した。
最近、いつもより多くのテクノロジー関連のニュースを目にするのにはそれなりの理由がある。ラスベガスで行われた大規模なコンシューマー向け技術展示会「CES2022」で、さまざまな業界の企業が最新かつ最高のイノベーションを披露したばかりなのだ。
CESでの自動車関連の展示では、新しい電気自動車や新しいデザインのコンセプトカーを見ることができた。以下で、CES2022で披露されたBMW、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)、シボレー(Chevrolet)、そしてソニー(Sony)のクールな電気自動車を紹介しよう。そう、あのソニーだ。
BMW iXフロー(BMW iX Flow)
BMW iXフロー。
BMW
BMWはCES2022で、電動SUV「BMW iX」のボディカラーを変えられる車両を初公開した。これには、アマゾン(Amazon)の電子書籍リーダーKindleで利用されているE-Inkの技術が使われており、ボタンを押すだけでボディカラーを切り替えられる。これで問題が解決するわけではないが、恐ろしくクールに見えることは否定できない。
ぜひ以下の動画を見てほしい。
BMW iX M60
BMW iX M60。
BMW
BMWは、iXの高性能バージョン「iX M60」も公開した。このスポーティな電動SUVは2つのモーターから619馬力を発生し、3.6秒で時速60マイル(約97キロメートル)に到達する。大型のSUVとしては驚異的な速さだ。
フル充電で280マイル(約450km)の走行が可能で、特別にチューニングされたサスペンションで、ハンドリングも強化されているとBMWは述べている。
BMW iX M60の価格は諸費用込みで10万5000ドル(約1210万円)。2022年6月にアメリカ国内のディーラーで発売予定。
シボレー シルバラードEV(Chevrolet Silverado EV)
シボレー シルバラードEV RST。
Chevrolet
ゼネラルモーターズ(General Motors)は2022年1月5日、待望のシボレー シルバラードEVを発表した。この電動ピックアップトラックが2023年半ばに市場に出てくれば、フォード(Ford)のF-150ライトニング(F-150 Lightning)やリビアン(Rivian)のR1Tのライバルになるだろう。
航続距離は最大400マイル(約644km)、664馬力で、ほかに興味深い特徴も備えている。例えば、荷台と運転席の間をつなげて長い積み荷を運搬することも可能だ。
フル装備のRSTファースト・エディション(RST First Edition)は、10万5000ドル(約1210万円)。最終的には、3万9900ドル(約460万円)のベースモデルも販売する予定だ。
シボレー エクイノックスEV(Chevrolet Equinox EV)
シボレー エクイノックスEV
Chevrolet
ゼネラルモーターズがCESのためにとっておいた発表はシルバラードのEVだけではなかった。それは2023年発売予定の小型電気自動車SUV、「エクイノックスEV」だ。価格は3万ドル(約346万円)で、EV市場に手頃な選択肢をもたらすことになりそうだ。今後1年間のエクイノックスEVに関する詳細情報に注目したい。
クライスラー エアフロー(Chrysler Airflow)
クライスラー エアフローのコンセプトカー。
Chrysler
ステランティス(Stellantis)傘下のブランド、クライスラー(Chrysler)は、2028年までに電気自動車だけを販売するようになることをCESで発表した。そして、これを記念して「エアフロー(Airflow)」という名の洗練された電気SUVをお披露目した。
エアフローは現時点ではコンセプトモデルに過ぎず、2025年に生産を開始するという。しかし、すでに生産モデルのようにも見えるので、クライスラーの最初の電気自動車がこの姿で登場しても驚きではない。
クライスラー エアフローの内装。
Chrysler
エアフローの内装はスクリーンを多用した近未来的なデザインで、航続距離は350マイルから400マイル(約483kmから644km)だ。
キャデラック インナースペース(Cadillac InnerSpace)
キャデラックは2022年1月5日に開催されたCES2022でコンセプトカーを初公開した。
Cadillac
キャデラックは、地上の道路ではなく、宇宙空間を疾走するような自動運転のコンセプトカーを公開した。ハンドルやペダルといったものがない「インナースペース」は、車輪が付いた快適なラウンジとして設計されている。目の前の大きなスクリーンに目を向けながら、ゆったりとくつろいでいる間に、さまざまな場所へ連れて行ってくれるのだ。
キャデラックは2022年1月5日に開催されたCES2022でコンセプトカーを初公開した。
とにかくそういうアイデアだ。インナースペースは、まだ見ぬ自動運転車の未来に向けて設計されている。しかし、ゼネラルモーターズ(キャデラックの親会社)は、大胆にも2020年代半ばまでに完全自動運転車を販売開始すると述べている。
メルセデス・ベンツ ヴィジョンEQXX(Mercedes-Benz Vision EQXX)
メルセデス・ベンツ ヴィジョンEQXX。
Mercedes-Benz
メルセデス・ベンツのヴィジョンEQXXのコンセプトカーは、このドイツの自動車メーカーがいかに効率的なEVを作ることができるかということを表している。メルセデスによると、軽量で空気力学の原理を応用したEQXXのコンセプトカーは、1回の充電で620マイル(約998km)の走行が可能だという。この航続距離は、テスラの最高記録よりも200マイル(約322km)以上長く、現在購入できる最も航続距離の長いEVである17万ドル(約1960万円)のルシード・モータース(Lucid Motors)のエア(Air)よりも100マイル(約160km)も長い。
EQXXは購入できないモデルだが、メルセデスがその開発で成し遂げた飛躍的な進歩のいくつかの技術は、あなたの未来の電動ベンツに搭載されるかもしれない。
ソニー Vision-S 02(Sony Vision-S 02)
ソニー Vision-S 02。
Sony
ソニーは2020年に電気自動車のコンセプトセダンを発表している。現在はEV市場への参入に本腰を入れており、CES2022ではさらに新しいデザインのコンセプトカーを公開した。
Vision-S 02は、マルチスクリーンとモバイルゲーム機能を搭載したSUVの試作車両だ。このコンセプトカーは車の周囲とドライバーを監視することでより安全な運転を支援する40台のカメラとセンサーのシステムが搭載されている。
ソニーが独自のEVを販売するのか、単に他のメーカーのために技術を構築するのかはまだ分からない。ソニーは「EV市場への参入を検討する」ため、「ソニーモビリティ(Sony Mobility)」という新会社を設立した。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)