表裏に「44」と「第44代大統領を讃える」の文字が入ったラベルが貼られたヘネシー・コニャックのボトル。2009年1月22日、フランス南西部のコニャックで。
REUTERS/Regis Duvignau
- 2022年1月12日、ヘネシーはブロックバーと提携し、22万6000ドルでNFTの販売を開始した。
- それぞれの「デジタルボトル」は、購入者が注文して飲むことができる実在のボトルと連動している。
- ブロックバーは高級酒に特化したNFTプラットフォームで、410億ドル規模に成長したNFT市場の一翼を担っている。
LVMH傘下のコニャックブランド、ヘネシー(Hennessy)は2022年1月12日(現地時間)、同社初となるNFT(非代替性トークン)の販売をNFTプラットフォームのブロックバー(BlockBar)で開始した。これは、購入者に実在するボトルを所有する権利も与えるコレクションになっている。
このNFTは、2017年に250点限定で販売された「ヘネシー8」の最初と最後のボトルを基にデザインされており、価格は70.47イーサ(ETH)で、約22万6450ドル(約2600万円)相当となっている。
LVMH傘下のヘネシーはプレスリリースで、「ヘネシーのマスターブレンダーが8世代にわたって築き上げた『命の水(eau-de-vie)』から作ったヘネシー8は、250年の卓越した技術を体現している」と述べている。
このNFTは、実在するボトルの所有権も含んでおり、所有者はNFTの売買や交換ができる一方、実際の酒を楽しみたい場合には、ヘネシーから本物のボトルを送ってもらうこともできる。
また所有者には、カラフェにメッセージを刻んだり、フランスのコニャックにあるヘネシーのエステートを訪問したりするオプションも用意されている。
ブロックバーは蒸留酒に特化したNFTプラットフォームで、高級酒ブランドのさまざまなデジタルアイテムを、実在するボトルと対応させて販売している。それには刻印されたカラフェ、コルクホルダー、ピペット、認証プレート、その他の装飾品が含まれている。
NFTは2021年に410億ドル規模の市場に膨れ上がり、ブームが続いている。NFT推進派の専門家は、NFTがインターネットの次の段階を開く鍵になると言っているが、まだそれに納得していない人もいる。
2021年11月、飲料大手のバドワイザー(Budweiser)は、イーサリアムベースのNFT「Key to the Budverse」ラインを発売した。これは同社の缶ビールが発売された1936年のデザインを用いたNFTで、999ドル(約12万円)で販売された。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)