「wena 3 Frosted Black Edition Styled for Xperia」はソニーが同社のファンに向けた1000本限定のハイブリッド型スマートウォッチだ。
撮影:小林優多郎
ソニーは1月13日、ハイブリット型スマートウォッチ「wena 3」と、同社のスマートフォン「Xperia」シリーズとのコラボモデル「wena 3 Frosted Black Edition Styled for Xperia」を発表した。
発売日は1月28日、予想実売価格は7万5000円(税込)前後。1000本のみの限定販売となる。
wena初の“SONY”ロゴ付きアナログ時計
Xperia 1 IIIとwena 3 Frosted Black Edition Styled for Xperiaの時計部。
撮影:小林優多郎
wena 3はハイブリッド型スマートウォッチとして、2020年11月に発表。時計本体ではなくバンド部にセンサーなどスマートウォッチとしての機能を搭載し、アナログ時計と共存できる特徴的な製品だ。
今回の「wena 3 Frosted Black Edition Styled for Xperia」は、通常のwent 3と本コラボオリジナルのバンドとアナログ時計のセットとなる。
特にアナログ時計は、wenaシリーズとはしては初めて「SONY」ロゴが文字盤と背面に刻印されている(製造はシチズン時計が担当)。
ストップウォッチボタンのクロスローレット模様はXperia 1 IIIのシャッターボタンと共通のデザイン。
出典:ソニー
また、クロノグラフのストップウォッチボタンは「Xperia 1 III」のシャッターボタンと同じクロスローレット模様が採用されており、ソニー並びにXperiaファン向けの工夫が施されている。
シャッターと音楽コントロール機能が追加
音楽コントロール機能にアップデートで対応。操作だけではなく、曲のタイトルも手元で確認できる。
撮影:小林優多郎
ハードウェア面だけではなく、ソフトウェア面でも「Xperia連携」は垣間見える。
発売日の1月28日には、過去機種を含めたすべてのwena 3を対象に、「カメラシャッター」機能と「ミュージックコントロール」機能が追加される。
カメラシャッター機能はその名の通り、wena 3に表示されるボタンをタップするとスマホのシャッターが切られるというもの。
「Photography Pro」アプリでカメラシャッター機能を使うには、Xperia camera appを利用する必要がある。
撮影:小林優多郎
さらに、「Xperia 1 III」(2021年夏モデル)向けには「Xperia camera app」という別アプリがwena内に追加される。これはXperia 1 IIIの標準カメラアプリが「Photography Pro」になっており、一般的なカメラアプリとは違う挙動をするためだ。
なお、Photography Proを搭載するXperia 1 II/5 II/5 III/PRO/PRO-Iに関しては後日のアップデートで対応予定となっている。
XperiaユーザーはSuicaを除く電子マネー対応に注意
wena 3は、ハードウェア的にはSuicaやその他の電子マネーや会員証に対応している。
出典:ソニー
1点注意が必要な点もある。それはwena 3で使える電子マネー機能についてだ。
wena 3では設定することで、Suica、楽天Edy、iD、QUICPayといった電子マネー、ANAスキップサービス、dポイントカード、ゴールドポイントカードがタッチで利用できる。
Suicaに関してはiOS/Android版ともにスマホアプリからSuicaの発行やチャージが可能だが、その他のサービスは設定時にiOS向けアプリ「おサイフリンク」が必要になる。
そして、この「おサイフリンク」アプリにAndroid版は存在しない。そのため、Xperiaユーザーがwena 3でSuica以外の電子マネーを使うことは原則できない。
時計本体の背面にもソニーロゴはある。
撮影:小林優多郎
今回の「wena 3 Frosted Black Edition Styled for Xperia」の登場は、2021年4月にwenaの事業部がソニーの新規事業創出プログラムから本社のモバイル事業部(=Xperiaの所管部署)に移管されたことが少なからず影響している。
もちろん、Suicaだけでもある程度は実用性はある。ただ「for Xperia」と冠するならば、このwenaシリーズが抱える「おサイフリンクのAndroid版不在」の問題を解決してほしかった、というのが正直なところだ。
(文、撮影・小林優多郎)