ビヨンド・ミートのチキンがずいぶん盛り上がっているようなので、確かめに行ってきた。
Rachel Askinasi/Insider
- KFCが全米で「ビヨンド・フライドチキン」の販売を開始したので、筆者も試しに行ってみた。
- 私はビーガンではなく、動物の肉も食べる。
- 私はもうこれを注文することはないだろうが、植物由来の代替肉のチキンが好きな人にはたまらないだろう。
アメリカのKFCは、2019年にアトランタでのテスト販売を経て、2021年1月10日から全米で「ビヨンド・フライドチキン」の販売を開始した。この商品は、ビヨンド・ミート(Beyond Meat)との提携によるもの。ビヨンド・ミートは、すでに他の食品チェーンともさまざまな商品で提携している。
筆者は動物性タンパク質を食べ、本物のチキンナゲットも大好きだが、植物由来の代替肉があればいつも試したくなる。家庭で調理できる代替肉をいくつか食べてみて気に入ったので、この商品はどの程度のものなのか試してみることにした。そこで、身支度を整え、KFCに向かった。
「ビヨンド・フライドチキン・ナゲット」は現在、6ピースが6.99ドル(約800円)、12ピースが13.99ドル(約1600円)で販売されている(価格は店舗によって異なる。またコンボミールに含まれていることもある)。
確かにチキンナゲットのような匂いがした。サイズは思ったよりもずっと大きい。
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ナゲットを目の前にしてすぐ、匂いは最高だと思った。だがそれは「代替チキン」や衣のおかげというより、揚げ方によるのかもしれない。ビニール袋から鮮やかな緑色の箱を取り出してテーブルに置くと、すぐにおなじみのフライドチキンの匂いがしてきた。
このナゲットの大きさと形には、少し衝撃を受けた。およそ4×5cmの長方形で、私が他のチェーン店で食べ慣れたファストフードのナゲットよりもずっと大きい。
この巨大なナゲットをかじる前に、どんなナゲットであってほしいか、少し考えてみた。
まず、中身の見た目はどうなっているのだろう。チェーン店によって、鶏肉を細かく挽いたような食感のものもあれば、もっと肉の塊が残っていて、見た目も食感も肉の繊維を感じるものもある。どちらもしっかりとした肉質だと思うが、代替肉は前者のような見た目なのだろうと思っていた。
植物由来の「肉」は、裂くと筋っぽく(左)、切るとスポンジのよう(右)だった。
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ナゲットを1つ半分に裂いてみて、この製品の開発者は筋ばった見た目にこだわりがあることが分かった。その美しさには感心したが、味や食感はいまひとつだと感じた。見た目は本物の鶏肉のように繊維が見えるが、食べ始めるとそれが感じられず、むしろぐにゃぐにゃとした感じだった。
味はというと、ほぼ衣の味だった。KFCのフライドチキンサンドを思い起こさせるような、強めの塩味に胡椒の風味が感じられる。代替肉自体の味はほとんどしないが、わずかに塩味があった。
ファストフードのナゲットの特徴はいろいろあるが、顕著なのはその水分だと思う。大手のファストフードチェーンで、パサパサのチキンナゲットを食べた記憶はない。だから、このKFCのナゲットにも、そのジューシーさを求めていた。
確かにしっとりとしていたが、他のナゲットとは違っているように思えた。熱々の肉汁がにじみ出し、口の中が風味で満たされるのではなく、ナゲットを噛んだ時にだけ水分を感じることができた。噛んだときはスポンジのような感触で、他のチェーン店のように風味が炸裂するような感じはなかった。
衣がはがれてしまい、がっかりした。
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私が個人的にがっかりしたのは、衣がはがれやすいことだ。普通のチキンでもそうなると、本当にイラっとする。衣がはがれてしまうと、残念なことにナゲットをあまり楽しめなくなってしまう。
結局、自分のためにこれを注文することはもうないだろう。本物と同じ味ではないし、本物のチキンの方がいい。とはいえ、植物由来食品を食べ、代替肉に慣れている人にとっては、味や食感は十分に楽しめるものだと思う。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)