インダストリアルな見た目は、ナチュラルな要素の台頭で人気にかげりが出てきている。
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- Insiderは、2022年のインテリアのトレンドで廃れるものと流行るものについて、業界の専門家に尋ねた。
- オープンシェルフや仕切りのない間取りは、今後も人気が下がり続けるという。
- 花柄や黒のアクセントを用いたり、自然のものを取り入れるインテリアの人気が出てきていると専門家は話している。
「オープンフロア」は仕切られた空間よりも機能的でないことが証明された
ひとつの大きな空間となっているキッチンとリビングは、かつてほど快適ではない。
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オープンフロアのプランは、かつてインテリアデザインの世界で人気が急上昇したが、建築の専門家で住宅設備会社ロフテラ(Loftera)のCEO、ザック・ホートン(Zac Houghton)は、このトレンドが先細りになるだろうとInsiderに語っている。
「新型コロナウイルスのパンデミックが発生したときに、多くの人たちがキッチン、ホームオフィス、ダイニング、ファミリールーム(家族団らんの部屋)、リビングルームがすべて同じであってはならないことを痛感した。結局のところ、プライバシーの欠如は機能性の欠如につながってしまう」と彼は述べた。
家にオープンな空間がある場合には、仕切りなどでプライバシーを確保する方法を見つけるといいだろう。
「ファストファニチャー」は廃れる
人々は長持ちする家具を買うようになってきた。
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カウンタートップのデザイン・施工会社、ストーン・ウィザーズ(Stone Wizards)の創業者、トーマス・バイブ(Thomas Vibe)は「家庭ですぐに組み立てられるような安くて中途半端なクオリティの家具を買うことは、今後それほど流行しないだろう」と語っている。
「ファストファニチャーは、今後数年のうちにさらに少なくなると思う。我々の部屋は、今や日常的に多機能に利用されており、柔軟で適応性のある生活空間にするためにカスタマイズされている。家具を長く使うために、品質はもちろん、より多くの用途のある商品を選んでいる顧客が増えている」
「オープンシェルフ」はなくなる可能性が高い
オープンシェルフに置かれる物はすべて乱雑な状態に見えてしまう。
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オープンシェルフも一時期は大ブームとなったが、そろそろ終焉を迎えつつある。
インテリア、ガーデニングサイト「トレンディ(Trendey)」のホームデザイン・ライター、アンドラ・デルモニコ(Andra DelMonico)は「ここ数年、人々は家で過ごす時間が増えて、キッチンを本当によく使うようになっている」と話している。
「オープンシェルフをうまく機能させられず、雑然とした印象になってしまうことや、オープンシェルフには扉のついたキャビネットのような収納力がないことを痛感するようになってしまった」
2022年はオープンシェルフの代わりに、上に取り付けるキャビネットと飾り棚の組み合わせが主流になると彼女はいう。
「露出型のレンジフード」は減少する
露出型のレンジフードから清潔感は感じられない。
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美しくスタイリッシュなレンジフードは、多くのキッチンで定番となっているが、今後はその傾向が弱まるかもしれないと、建築・インテリアデザイン会社、メッシュバーグ・グループ(Meshberg Group)の創業者兼CEO、アダム・メッシュバーグ(Adam Meshberg)は話している。
「伝統的なレストランスタイルのレンジフードは、住む人がより清潔で目立たないスタイルを選ぶようになる2022年には徐々に姿を消していくだろう。フードは今後キッチンの他の部分と同じような目立たないものになるだろう」
10年間支持された「グレー」の人気は終わりが近づいている
ニュートラルなグレーは流行遅れになりつつある。
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白、ベージュ、グレーなどのニュートラルカラーは家中で取り入れられている人気の色だ。しかし、特にグレーは最も早く廃れつつあると見られている。
「色は時代とともに登場したり消えたりするが、一般的に色の人気には10年程度の寿命があると言われている。グレーはその10年の終わりの時期に近付いている。人々は、白、ベージュ、グレーといったニュートラルな色に飽きてきている」とデルモニコはInsiderに語っている。
「特にキッチンでは、普遍的でモダンな印象を与えるグレー系の配色が人気だったが、2022年はキャビネットやカウンター周りのパネルには、より大胆でドラマチックな色使いが増えるはずだ」と彼女は付け加えている。
「花柄」は大きな注目を集めている
壁紙を使うことで花柄をインテリアに加えられる。
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「今、花柄が人気の主役になっている」とデザイン会社、カトラーシュルツェ(Cutlerschulze)の創設者、マーク・カトラー(Mark Cutler)とニコラス・シュルツェ(Nichole Schulze)は話す。
「花柄はさまざまな形でその勢いを増しているところだ。間違いなく壁紙では強いニーズが続くだろう。またファブリックでも花柄のモチーフが増えている」と彼らはInsiderに語った。
「花柄が人気になっている理由は人々が喜びを求めているからであり、花や色、それをモチーフにした柄ほど、簡単に喜びを届けられるものはない」
アクセントとして「黒」の人気が高まりそう
黒をアクセントにするとポップな印象になる。
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家の細かい部分に関しては、黒の躍進が期待できる。
「2022年、家のアクセントとして注目すべき色は黒だ」とフロア360(Floor360)のインテリアデザイナー、オータム・スタンコフスキー(Autumn Stankovsky)はInsiderに語っている。
「窓枠、縁取り、ドア、キャビネットの金具、蛇口、ドアフレームなどで黒が見られるようになるだろう」
黒はスマートでモダンな印象を与えることが多い。しかも、他の多くの色とマッチするので選びやすい色でもある。
「ラウンドシェイプ(円形)」が注目を集めている
ラウンドシェイプは家具や照明などで取り入れることができる。
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形を変えれば、テーマや雰囲気を変えることができる。「家の中では丸いものが増えていくことが予想される」とホートンはInsiderに語っている。
「2022年は家具、照明、装飾品に丸みを帯びた形が多く見られるようになるだろう。円形の有機的な形はデザインに柔らかさを与え、空間をより落ち着いた雰囲気にする」
「自然」をモチーフにしたインテリアが主流に
グリーンの色合いや自然素材で、このトレンドを実現することができる。
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「家を持つ人たちは自然を室内に取り込む方法を探している」とデルモニコは言う。
「人々はアウトドアでのライフスタイルを好むようになったが、24時間365日、外で過ごすことができないことは分かっている。最もシンプルな方法は、例えば、室内のペイントや家具のファブリックなどにグリーンの色合いを多く使うことだ」
デルモニコは、花や動物柄のファブリックが人気を集めており、自然素材や生の植物を用いることで、そのトレンドを引き立てることができると付け加えている。
「壁紙」の人気は衰えない
2021年も壁紙は大人気だった。
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壁紙は、簡単に好みの色や柄で家を彩ることができる方法だ。
「壁紙は今後も人気が続き、特に草木素材のものは、1960年代と1970年代の全盛期以来の最大の盛り上がりを見せるだろう」と、キム・ターナー・デザイン(Kim Turner Design)のデザイナーでドウェル・ウィズ・ディグニティ(Dwell With Dignity)のアドバンスディレクター、キム・ターナー(Kim Turner)はInsiderに語っている。
「草木素材の壁紙は、天然で環境に優しい素材であることだけではなく、ほとんどすべてのデザインスタイルを補完できるのが人気の理由だ」とターナーは付け加えている。
2022年にホットな色は「グリーン」
今年はグリーンの人気が高まりそうだ。
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インテリアデザインに色彩は欠かせない。その中でも特に注目されている色があるとクレア・ジンネッカー・デザイン(Claire Zinnecker Design)の創設者であるクレア・ジンネッカー(Claire Zinnecker)は話している。
「我々は、長い間家の中に閉じ込められていたので、パーソナルスペースの中で気分転換をしたくてうずうずしている。『グリーン・ルネッサンス』はペイント色としても、インテリアとしても、2022年に本格化するだろう」
ジンネッカーは、「多くの人は家の中に落ち着きを求めているが、それはニュートラルでソフトな色合いのグリーンを取り入れることで実現できる」と付け加えている。
[原文:5 interior-design trends that will disappear this year, and 6 you'll see everywhere]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)