1月14日(金)の東京・渋谷の様子。ここ数日間で感染者数は急増しているが、人出は変わらない。
撮影:三ツ村崇志
1月13日、東京都では新型コロナウイルスへの新規感染者が3124人確認された。全国では、1万8859人と、2021年9月以降の高い水準となった。
日本では新規感染者数が2022年に入ってから急増。世界的に猛威を奮っているオミクロン株の割合も8割を超えていると推定されている。
13日に開催された東京都新型コロナウイルス感染症対策モニタリング会議で、小池百合子都知事は政府に対し、病床の使用率が20%を超えた場合には「まん延防止等重点措置」、50%を超えた場合には「緊急事態宣言」の要請を検討すると明らかにした。
オミクロン株の流行による第6波が日本にも本格的に押し寄せている今、世界の感染状況を17枚のデータでみていこう。
世界での総感染者数は3億人を突破した。
WHOの6つの地域区分に属しない国・地域があるため、総感染者数と各地域の感染者数の和には若干のずれがある点に注意。
出典:1月11日付のWHOのWeekly epidemiological updateより引用
アメリカでは世界最多となる6000万人以上が感染。死亡者も80万人を超えた。インド、ブラジルも感染者が多く、ついでヨーロッパ諸国での感染例が多い。
直近ではオミクロン株の流行によって、各地域で2021年末から感染者が急増している。
出典:1月13日付けのWHO Coronavirus (COVID-19) Dashboardデータより引用
G20各国を感染者数の7日間平均で比較した。アメリカに次いでフランスやイタリア、インドなどで感染者数が急増している。
出典:Our World in Dataより引用
G20加盟国のワクチン普及率は世界平均よりも比較的高い水準だ。
出典:Our World in Dataより引用
世界ではオミクロン株が急速に拡大している。日本を含めて、アメリカやオーストラリア、イギリス、スペインなどではここ1カ月でゲノム解析したケースの半数以上がオミクロン株だった。
色が濃い地域ほど、オミクロン株の割合が高い。
出典:1月11日付のWHOのWeekly epidemiological updateより引用
世界的に感染者数は急増しているものの、現状では多くの国でデルタ株の流行時と比べて死亡者数が極端に増えているわけではない。
死亡者数の7日間平均。
出典:Our World in Dataより引用
アメリカ大陸ではアメリカで直近7日間に500万人の感染が確認されている。次いでアルゼンチンやカナダ、ブラジルの感染事例が多い。
ヨーロッパでは、フランスの感染者数が急増している。イタリア、イギリスも直近7日間の感染者が100万人を超えている。
ただし、イギリスではすでに新規感染者数は減少傾向だ。各国の「感染者数」だけではなく、時系列変化を見ると状況が異なっていることが分かる。
出典:1月13日付けのWHO Coronavirus (COVID-19) Dashboardデータより引用
東南アジア地域では、インドでの感染が圧倒的に多い。インドも現状は感染者数が急増している
アフリカでは南アフリカの感染者数が多いものの、すでに感染者数はピークを超えている。
ただし、南アフリカの死亡者数は現状でも微増している。オミクロン株は軽症の割合が高いとはいえ、感染が拡大すれば一定数死亡してしまうということに変わりはない。
出典:1月12日付けのWHO Coronavirus (COVID-19) DashboardデータよりFlourishを用いて編集部が作成
東地中海地域では、感染者、死亡者数ともに日本と水準が近い国が多い。
西太平洋地域では、オーストラリアの感染拡大が顕著。
オーストラリアでは、デルタ株の流行時と比べても遥かに大きな感染の波を迎えている。
出典:1月12日付けのWHO Coronavirus (COVID-19) DashboardデータよりFlourishを用いて編集部が作成
国内でも感染者数は増加の一途をたどっている。都内ではオミクロン株の割合が8割(推定)を超えており、全国的にもほぼ同水準となっている。
デルタ株(L452R変異ウイルス)の検査に対して「陰性」となったケースを「オミクロン株疑い」として感染状況を推定している。
出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年1月13日)より引用
データ・情報の出典
(文・三ツ村崇志)