左から『マクベス』のデンゼル・ワシントン、『ロミオ+ジュリエット』のレオナルド・ディカプリオ、『恋のからさわぎ』のヒース・レジャー。
A24/Apple/Disney
- ウィリアム・シェイクスピアの作品はこれまで何度も映画化されてきた。
- Insiderでは、数ある作品の中からベスト10をまとめた。
- 『アメリカン・ピーチパイ』(2006年)や『マクベス』(2021年)などがランクインした。
10位 『マクベス』(2015年)
『マクベス』より。
StudioCanal
ジャスティン・カーゼル監督が手掛けた、スタイリッシュかつ原作に忠実な映画化作品。主人公のマクベス(マイケル・ファスベンダー)は3人の魔女からいずれスコットランド王になると予言される。野心に取りつかれ、行動を起こすよう妻(マリオン・コティヤール)に駆り立てられたマクベスは王を殺し、自らが即位する。
9位 『ハムレット』(2000年)
『ハムレット』より。
Miramax Films
マイケル・アルメデイア監督の異彩を放つ『ハムレット』は、シェイクスピアの言葉を使いつつも、その舞台を現代のニューヨークに移している。死去した大企業「デンマーク・コーポレーション」のCEOのゴーストがイーサン・ホーク演じる息子ハムレットのもとに現れ、自分はハムレットの叔父で今では義理の父となった、デンマーク・コーポレーションのトップに就いたクローディアスに殺されたと告げる。
ハムレットはゴーストが本当に自分の父親で、クローディアスに殺されたのかどうかを調べる旅に出る。
8位 『キング』(2019年)
『キング』より。
Netflix
ネットフリックス(Netflix)の歴史ドラマ『キング』は通常のプロジェクトとは異なる。シェイクスピアの『ヘンリー四世 第1部』『ヘンリー四世 第2部』『ヘンリー五世』の登場人物とストーリーをもとに、亡くなった父親からイングランドの王位を継いだハル(ティモシー・シャラメ)という名前の若き王子の成長を描いている。
7位 『から騒ぎ』(1993年)
『から騒ぎ』より。
Metro-Goldwyn-Mayer Studios
ケネス・ブラナー監督の『から騒ぎ』では、若き恋人のヒーロー(ケイト・ベッキンセイル)とクローディオ(ロバート・ショーン・レナード)が1週間で結婚しようとする。
2人は暇つぶしに、ドン・ペドロ(デンゼル・ワシントン)と一緒になってベネディック(ケネス・ブラナー)とベアトリス(エマ・トンプソン)をくっつけようとする。
一方、ドン・ジョン(キアヌ・リーブス)は結婚式を台無しにしてやろうと画策する。
6位 『乱』(1985年)
『乱』より。
Rialto Pictures
1957年にも『マクベス』を原作とした『蜘蛛巣城』を手掛けた黒澤明監督は、その約20年後に『リア王』をベースに毛利元就の「3本の矢」の故事などを取り入れた『乱』を手掛けた。
映画では、年老いた猛将・一文字秀虎(仲代達也)が3人の息子に家督を譲ることを決めた。ところが、その新たな権力をめぐって息子たちが父親に反旗を翻し、血で血を洗う骨肉の争いを始めるとは思いもしなかった。
5位 『マイ・プライベート・アイダホ』(1991年)
『マイ・プライベート・アイダホ』より。
Fine Line Features/New Line Cinema
1991年に公開された『マイ・プライベート・アイダホ』は、ガス・ヴァン・サント監督が手掛けた3本目の映画で、野心的な作品だ。シェイクスピアの『ヘンリー四世』を緩やかにベースとしたこの作品は、孤児のマイク・ウォーターズ(リバー・フェニックス)と市長の息子スコット・フェイバー(キアヌ・リーブス)の2人の若い男娼の旅を描いている。
1990年代初めのクィアをテーマにした独立映画製作のムーブメント「ニュー・クィア・シネマ」における重要な作品の1つ。
4位 『恋のからさわぎ』(1999年)
『恋のからさわぎ』より。
Buena Vista Pictures
『恋のからさわぎ』は、シェイクスピアの喜劇『じゃじゃ馬ならし』の舞台を現代のアメリカの高校に置き換えたものだ。
映画では、転校生のキャメロン(ジョセフ・ゴードン・レビット)がビアンカ(ラリサ・オレイニク)に一目ぼれし、彼女の父親が課しているデートに関する厳しい条件をクリアするために、頑固だが頭の回転の速いビアンカの姉キャット(ジュリア・スタイルズ)と学校のはみ出し者パトリック(ヒース・レジャー)をデートさせようと画策する。
3位 『アメリカン・ピーチパイ』(2006年)
『アメリカン・ピーチパイ』より。
DreamWorks
シェイクスピアの『十二夜』を原作とした『アメリカン・ピーチパイ』は、そのプロットの独創性でシェイクスピア作品の映画化としては最も興味深い作品の1つとなっている。
主人公は女子サッカー部に所属しているヴァイオラ・ヘイスティングス(アマンダ・バインズ)という女子高生で、セバスチャンという双子のきょうだいがいる。女子サッカー部が廃部になり、セバスチャンがロンドンでバンド活動をするために学校をずる休みすると、ヴァイオラはセバスチャンのふりをしてライバル校のサッカー部に入部する。
ところが、ヴァイオラはルームメートのデューク(チャニング・テイタム)に恋をし、デュークはオリヴィアのことが、オリヴィアはセバスチャン(つまりヴァイオラ)のことが好きになる。
2位 『マクベス』(2021年)
『マクベス』より。
A24
多くのシェイクスピア作品に見られる道徳的なあいまいさや内なる葛藤に対する答えは、その言葉の美しさの中にあるため、映画化は簡単ではない。カメラの前の俳優にただ台詞を言わせるだけではダメだ。監督は舞台と同じもしくは舞台を上回る熱量が届けられる視覚世界を作らなければならない。
現代映画の中で、ジョエル・コーエン監督が手掛けたこの『マクベス』ほどその良い例はない。弟イーサン抜きの初めての監督作品で、ジョエル・コーエンはマクベス役にデンゼル・ワシントンを、マクベス夫人役にフランシス・マクドーマンドを選んだ。
ワシントンとマクドーマンドの演技は素晴らしく、そのモノクロ映像は簡潔かつ力強い。
1位 『ロミオ+ジュリエット』(1996年)
『ロミオ+ジュリエット』より。
Disney
モンタギュー家とキャピレット家は、現代のカリフォルニアで勢力を二分するマフィアの一家で、恋に落ちるロミオとジュリエットをそれぞれレオナルド・ディカプリオとクレア・デインズが演じた。シェイクスピアの最も有名な戯曲の1つ『ロミオとジュリエット』をバズ・ラーマン監督が映画化した。
ラーマンが銃やスポーツカーといった現代的な小道具をいくつか映画に取り入れたことは有名だが、台詞は原作に忠実だ。
サウンドトラックも素晴らしかった。
[原文:The 10 best modern Shakespeare movie adaptations, ranked]
(翻訳、編集:山口佳美)