左からジェフ・ベゾス氏、ビル・ゲイツ氏、イーロン・マスク氏。
Susan Walsh/AP; Joshua Roberts/Reuters; Axel Schmidt/Getty Images
- 多くのビジネス界のリーダーは、本から得た知識が自身の成功に役立ったと話している。
- ジェフ・ベゾス氏、イーロン・マスク氏、ビル・ゲイツ氏もこれまで、伝記からリーダーシップについて書かれた本、SF小説までさまざまな本を推薦してきた。
- ビジネス、リーダーシップ、この世界について、多くを教わったと3人が薦める25冊の本を紹介しよう。
わたしたちは試行錯誤することで学ぶだけでなく、読書からも多くを学ぶ。
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏、テスラとスペースXのCEOイーロン・マスク氏、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏といった多くの影響力のあるビジネス界の大物たちは、その重要な教訓の一部を本から得てきたと言う。
自身のビジネス感覚を鍛えてくれた、リーダーシップについて教えてくれたとして、この3人はこれまで数えきれないほどたくさんの本を推薦してきた。
2022年に読んでおきたい、ベゾス氏、マスク氏、ゲイツ氏が薦める25冊の本を紹介しよう:
ジェフ・ベゾス氏のお気に入りの本の中には、KindleやAmazon Web Services(AWS)といったプロダクトやサービスの立ち上げに役立ったものもある。
Mario Tama/Getty Images
『日の名残り』
Vintage International/Amazon
カズオ・イシグロのこの小説は、休暇中に自身の主人に対する忠誠心に疑問を持ち始めるイギリスの執事の物語だ。
この本についてベゾス氏は「これを読むまでは、完璧な小説が可能だとは思っていなかった」とコメントしている。
『私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ』
Bantam Books/Amazon
この自伝で、ウォルマートの創業者でビリオネアのサム・ウォルトン氏は世界有数の小売店を築き上げた自身のキャリアを振り返っている。
『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』
HarperCollins Publishers/Amazon
この本は、偉大な企業とその他のライバル企業との違いについて、6年に及ぶスタンフォード大学経営大学院の調査をもとに描かれたものだ。ベゾス氏はこの本を自身の「お気に入りのビジネス書」に挙げている。
『Creation: Life and How to Make It』
Amazon
著者のスティーブ・グランドはこの本で、自身の1996年のコンピューターゲーム「Creatures」を通して人工生命について議論している。
『イノベーションのジレンマ』
Harvard Business Review Press
著者のクレイトン・クリステンセンはこの本で、さまざまな企業の破壊的革新の成功と失敗を分析している。
『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』
Amazon
著者のエリヤフ・M・ゴールドラットとジェフ・コックスはこの本で、経営的視点から制約条件の理論を研究している。
『リーン・シンキング』
Simon & Schuster/Amazon
この本はさまざまな業界のリーンな(無駄のない)企業の事例をもとに、業務効率の改善に関する教訓を授けてくれる。
『ブラック・スワン:不確実性とリスクの本質』
Random House
著者のナシーム・ニコラス・タレブはこの本で、ほとんどあり得ない、誰も予想しなかった、強いインパクトをもたらす事象を意味する「ブラック・スワン」という言葉を世に広めた。
イーロン・マスク氏の"読むべきリスト"には、SF小説や人工知能(AI)に関する本が数多く含まれている。
Elon Musk, Tesla CEOPatrick Pleul/picture alliance via Getty Images
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』
Amazon
著者のピーター・ティールはこの本で、ペイパル(PayPal)やパランティア(Palantir)といった企業の立ち上げから自身が学んだ教訓を共有している。
マスク氏はこの本について「ティールは複数のブレークスルー企業を作り、ゼロ・トゥ・ワンはそれをどのように成し遂げたかを示している」とコメントしている。
『指輪物語』
Amazon
マスク氏は子どもの頃、たくさんのファンタジー小説やSF小説を読んだと話していて、J・R・R・トールキンのこの有名な三部作の台詞をツイッターで引用したこともある。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
Amazon
同様に、マスク氏は10代の頃に『銀河ヒッチハイク・ガイド』も読んでいて、SF作品に登場する宇宙船の中でもこの本に登場する宇宙船が自身のお気に入りだとしている。
『Benjamin Franklin: An American Life』
Amazon
マスク氏の"読むべきリスト"には、このベンジャミン・フランクリンについて書かれたウォルター・アイザックソンの作品といった伝記も含まれている。
『アインシュタイン その生涯と宇宙』
Amazon
マスク氏はアイザックソンが手掛けたアインシュタインの伝記も楽しんだ。
『スーパーインテリジェンス 超絶AIと人類の命運』
Amazon
マスク氏は、人類の叡智を結集した知力よりもはるかに優れた超絶知能(スーパーインテリジェンス)が出現する世界について論じたこの本を含め、人工知能(AI)について書かれた本を何冊か推薦している。
『人工知能 人類最悪にして最後の発明』
Amazon
AIの危険性と可能性を分析したこの本について、マスク氏は「読む価値あり」と2014年にツイートしている。
ビル・ゲイツ氏は頻繁にお薦めの本を紹介することで知られている。
Leon Neal/Getty Images
『Tap Dancing to Work: Warren Buffett on Practically Everything, 1966-2012』
Penguin
ゲイツ氏のお気に入りの1冊は、ウォーレン・バフェット氏について書かれた『Tap Dancing to Work: Warren Buffett on Practically Everything, 1966-2012』だ。
『A Full Life: Reflections at Ninety』
Amazon
ゲイツ氏は、ジミー・カーター元大統領の『A Full Life: Reflections at Ninety』も気に入っている。
『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』
Amazon
わたしたちの世界の見方をゆがめる思考のパターンや傾向について書かれた1冊。ゲイツ氏は「これまで読んできた中で最もためになる本の1つ」とコメントしている。
『オリジン・ストーリー 138億年全史』
Little, Brown and Company
ビッグバンからグローバリゼーションまで、著者のデイヴィッド・クリスチャンはこの宇宙の歴史を描いている。
『RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる』
Amazon
『RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる』は、現代の仕事は「超専門化」を重視しているものの、実は多くの分野に精通し知識と経験の「幅」のあるゼネラリストの方が成功しやすいと論じている。ゲイツ氏は著者エプスタインのこのアイデアが「マイクロソフトの成功の一部を説明するのに役立っている。なぜならわたしたちは専門分野だけでなく領域を横断して幅広い知識を持っている人間を雇ってきたからだ」とコメントしている。
『6度目の大絶滅』
Amazon
著者のエリザベス・コルバートはこの本で、地球の大量絶滅の歴史をまとめている。一部の科学者がすでに始まっていると継承を鳴らしている6度目の大絶滅も含めて。
『人と企業はどこで間違えるのか? 成功と失敗の本質を探る「10の物語」』
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ゲイツ氏は、この本は「これまで読んだ中で最高のビジネス書だ」とコメントしている。もともとは雑誌『ザ・ニューヨーカー』に掲載された、ゼネラル・エレクトリックやゼロックスといった企業の成功と失敗について書かれた12の記事をまとめたものだ。
『The Myth of the Strong Leader: Political Leadership in the Modern Age』
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アーチー・ブラウン著のこの本は、20世紀の政治リーダーシップについて書いている。
『Making the Modern World: Materials & Dematerialization』
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著者のバーツラフ・シュミルはこの本で、現代の世界を作った資源とプロセスを分析している。
『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』
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ウェブコミック『xkcd』のクリエーターであるランドール・マンローに寄せられた、科学に関するおかしな質問に対する著者の回答をまとめたおもしろくてためになる1冊。
(翻訳、編集:山口佳美)