ディセントラランドで行われたレイブ会場での筆者のランダムアバター。
Decentraland
- フェイスブックがメタ(Meta)と社名を変えて以来、「メタバース」が爆発的に盛り上がっている。
- その可能性の一つが2022年1月20日の朝、「メタバース・レイブ」で示された。
- 私は少し仮想世界を歩き回ったが、その体験はあまり参加型ではないことが分かった。
「メタバース」とは何か?
映画『マトリックス』に出てくるような3Dで写実的な世界なのか。あるいは『レディ・プレイヤー1』に出てくるようなもっとデジタル化された世界なのだろうか。
それはまだはっきりわからないが、直近の例ではいわゆる「Web3」の世界を指すことが多いようだ。これにはブロックチェーン、NFT、メタバースなどさまざまな技術が含まれている。
「ユーザーによって創造され、所有される仮想世界の社会」と説明されるブラウザベースの「ディセントラランド(Decentraland)」で、ノルウェーのアーティスト、ビャーネ・メルガード(Bjarne Melgaard)によるNFTの新シリーズのリリースを記念してレイブ配信が行われた。
メルガードは、ノルウェー国立美術館に収蔵されている彼の彫刻作品「The Lightbulb Man」をもとに「1122枚のグラフィカルで印象的なイメージ」のNFTを制作し、2022年1月20日にリリースした。それを祝して「テクノレイブ」が開催されると、イベントのプレスリリースに記載されている。
今回の「レイブ」では、複数のノルウェー人DJによるライブパフォーマンスが披露された。「フォートナイト(Fortnite)」でトラヴィス・スコット(Travis Scott)やアリアナ・グランデ(Ariana Grande)といったアーティストを招いて行われた同様のライブイベントを、大幅に縮小したような内容だった。
ソーシャルメディアではこのときの映像がすぐに、2000年代初頭に登場した仮想世界「セカンドライフ」と比較されていたが、「ディセントラランド」は少し違う。
「ディセントラランド」は、スタンドアローン型ゲームとしてアクセスするのではなく、ブラウザベースの仮想世界となっている。それは、共有された仮想空間ではなく、ユーザーが所有・運営する個々の世界として創造され、数千ドルで取引される。例えば今回のレイブは、リンクから直接行ける独自の空間だった。
だが残念なことに、その体験では参加しているという実感は得られなかった。
私ができたのは、アバターでわずかに感情を表現することと、会場内を移動したり、ジャンプしたりすることだった。大麻の葉のイラストで覆われた華麗な衣装を着たアバターが通り過ぎるのを見かけたりもした。ダンスフロアの隣の建物に向かうと、エリアから出た瞬間に音楽が途絶えた。音源から遠ざかるほど、音量が小さくなるという普通の法則が、ここでは適用されていない。
何よりも、このメタバースのレイブ体験は、手持無沙汰なゲームのように感じられた。
[原文:I went to a 'rave' in the 'metaverse.' It felt like I was playing a game without anything to do.]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)