カリフォルニア州メンロパークにあるメタ本社に掲げられた社名ロゴ。
Liu Guanguan/China News Service via Getty Images
- フェイスブックの親会社であるメタは、活況を呈するNFT市場への参入を計画している。
- ソーシャルメディア大手の同社は、ユーザーがNFTを作成し、販売できるようにすることを計画していると、フィナンシャル・タイムズが報じた。
- 計画はまだ初期段階だが、同社の暗号通貨ウォレット「Novi」を中心に展開することになりそうだ。
ブロックチェーンと結びついたデジタルアート作品を売買するNFT市場が活況を呈しており、そこにフェイスブック(Facebook)の親会社であるメタ(Meta)も参入する計画だと報じられている。
メタはソーシャルメディアのユーザーがプロフィールにNFTを表示できる機能を加えることを計画していると、この問題に詳しい複数の関係者の話としてフィナンシャル・タイムズ(Financial Times:FT)が伝えている。また、NFTの制作を支援する機能や、ユーザーがNFTを売買するためのマーケットプレイスの創設も検討しているという。
Insiderはメタにコメントを求めたが、同社はまだ回答していない。
報道されたような機能の導入は、メタが成長著しいNFT市場に参入しようとする初めての試みになる。ある試算によると、2021年のNFT市場における取引額は400億ドル(約4兆5500億円)以上に膨れ上がったという。
この計画は、メタの暗号通貨ウォレット「Novi(ノビ)」を中心に展開することになりそうだとFTが報じている。メタは2021年10月、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の協力を得て、Noviの運用を開始した。これによってユーザーは、米ドルに紐づけられたステーブルコインであるPax dollar(ティッカーシンボルは「USDP」)の形で、お金を送受金できるようになった。
フェイスブックが2021年にメタへと社名変更したのは、未来的なデジタル世界、メタバースへ進出するという意味が込められていた。そこではユーザーのアバターが交流し、働き、遊び、買い物などをすることができる。
メタのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、メタバースに関する会話の中で、NFTはいずれこの世界を支えるようになると述べたとFTが報じている。
2021年、メタ傘下のインスタグラム(Instagram)のアダム・モセリ(Adam Mosseri)CEOは、同プラットフォームがNFTをより利用しやすくするための機能を「積極的に模索」していると述べているが、具体的な内容は明らかにしていない。関係者がFTに語ったところによると、インスタグラムは現在、NFTを表示する機能をテスト中だという。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)