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土星の「デス・スター」衛星にも地下の海があるかもしれない…探査機カッシーニが自転の「揺れ」を観測

NASAのカッシーニ探査機は、2010年のフライバイで土星の衛星「ミマス」に最接近した際に、これまでで最も詳細な写真を撮影した。

NASAのカッシーニ探査機は、2010年のフライバイで土星の衛星「ミマス」に最接近した際に、これまでで最も詳細な写真を撮影した。

NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

  • 土星の小さな衛星「ミマス」には、地下深くに液体の水のが存在する可能性がある。
  • NASAの探査機カッシーニは、この氷衛星が自転しながら揺れていることを検出した。この揺れは天体内部に熱が関係している可能性がある。
  • ミマスは表面的には不活発に見えるが、その下に海があるとすれば、新たなタイプの「隠れた」海洋天体が発見されたことになる。

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、土星木星の衛星のいくつかについて、それらの地下深くに液体の水の海があり、そこでエイリアンが繁栄している可能性を調査している。その中に、以前は荒涼とした氷衛星だと思われていた「ミマス」が加わるかもしれない。

ミマスは土星の小さな衛星で、巨大でくっきりとしたクレーターがあることから、しばしば映画『スター・ウォーズ』に登場する宇宙要塞「デス・スター」にたとえられる。表面に多くのクレーターがあるため、科学者たちは長い間、ミマスが不活発な氷衛星であると考えてきた。地下に海のある氷衛星であれば、地表に噴き出した水が氷となってクレーターを覆ったりするため、通常は表面が滑らかだ。そのような衛星は潮汐力によって伸縮し、表面の氷が割れるとともに天体内部が加熱され、地下の海が維持される。

しかし、10年以上にわたって土星を周回し、調査してきたNASAの探査機カッシーニは、ミマスの自転に予想外の揺れを検出した。自転しながらわずかにぐらついているのだ。新たな分析によると、このような揺れは、氷の外殻の奥深くに海がある可能性を示している。

土星の輪の向こう側に見えるのが、周回するミマスの姿。2008年にNASAのカッシーニ探査機が撮影した。

土星の輪の向こう側に見えるのが、周回するミマスの姿。2008年にNASAのカッシーニ探査機が撮影した。

NASA/JPL/Space Science Institute

研究を率いたサウスウエスト研究所の地球物理学者、アリッサ・ローデン(Alyssa Rhoden)は、「もしミマスに海があるとすれば、それは新しいタイプの小さな『隠れた』海洋天体が存在することを意味する。表面がミマスのような衛星でも海が存在するかもしれないということだ」と、プレスリリースで述べている。

ローデンの発見に関する研究論文は、アリゾナ州の惑星科学研究所のマシュー・ウォーカー(Matthew Walker)との共著で、2022年1月4日にIcarusのオンライン版に掲載された。

だが、まだミマスの「秘密の海」の存在が証明されたわけではない。さらなる証拠を得るために調査が必要だ。

アメリカ地質調査所で氷衛星を研究する宇宙科学者であり、ローデンとこの研究について議論を交わしたこともあるマイケル・ブランド(Michael Bland)は、「この研究は、ミマスの地下に海があることを証明するものではないが、現在把握しているデータと我々の物理学の理解を照らし合わせてみても、海の存在は何ら矛盾するものではない。そして、著者らはこの点に関して適切な注意を払っている」と、メールでInsiderに語った。

「またこの研究は、答えと同じくらい多くの問いを呼び起こすものだと思う」

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