テスラも提携「再エネ100%電気」オクトパスがついに日本上陸。常識変える「大胆な単価」低料金プラン開始

Greg Jackson octopus energy top

オクトパスエナジー創業者でCEOのGreg Jackson氏

提供:オクトパスエナジー

イギリスのテック・ユニコーンとして注目を集める再生可能エネルギー小売りのオクトパスエナジーが、日本でサービスを本格的にスタートした。

テスラ(Tesla)との提携、アメリカ元副大統領アル・ゴア氏の投資ファンドから6億ドル(約680億円)調達など、「2022年に注目すべきイギリスのテック・ユニコーン」にも名を連ねるオクトパスエナジー。2022年1月24日、日本で実質再エネ100%の電気料金プラン「グリーンオクトパス」の提供開始を発表した。

非化石証書で、安く、再エネ100%を実現

グリーンオクトパスは、再エネで発電した電気の“環境価値”を証明する「非化石証書」を組み合わせ、実質再エネ100%で二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロの電気を供給するプラン。2022年3月末までの申し込み限定で、受け付けを開始した。

注目されるのは、オクトパスエナジーが同時に提供を始めた非化石証書無しの新プラン「スタンダードオクトパス」より割安という、「大胆な単価設定」(オクトパスエナジー)だ(【図1】)。

octopus energy plan green standard

【図1】2022年1月に提供を開始した新料金プラン2種。再エネ実質100%のグリーンオクトパスは、月の使用量が120kWhを超えると、スタンダードオクトパスより安くなる。

出所:オクトパスエナジー

日本では、非化石証書など再エネの調達に関わるコストを料金に上乗せすることが多く、再エネの電気料金は通常より高い傾向にある。

そうした「再エネの電気は高い」というイメージを打ち破ることが、グリーンオクトパスの狙いだ。

オクトパスエナジーによると、自社のスタンダードオクトパスだけでなく、各社が提供している再エネ由来ではない通常の料金プランにも対抗しうる価格になるよう設定したという。

octopus energy plan green simulation

公式サイトトップに郵便番号を入力すると料金をシミュレーションできる。「1月の使用量が150kWh(契約アンペア30A)」で見積もりをしてみると、若干ではあるものの、スタンダードオクトパスより安い金額が表示された。

オクトパスエナジー公式サイト画面をキャプチャ

再エネのほうが安い「文化」をつくる

オクトパスエナジーはなぜ、「安い再エネ電気」にこだわるのか。

それをひも解くカギは、「Cheaper and Greener(環境価値の高いエネルギーをより安く)」という同社のミッションにある。

マーケティング・ディレクター(Japan)の厚地陽子氏は、次のように話す。

「社会にいいこと、より良い未来につながる選択が、お客さまの負担になるのは『クールじゃない』という考えがあるからです」(厚地氏)

普及率の低さなど、再エネをめぐる日本の現状を踏まえると、(普及率の高い)欧州のように再エネの電気料金を「ガンガン安くできるような状態ではない」(厚地氏)。しかし、オクトパスエナジーのミッションや哲学をアピールするために、敢えて思い切った単価設定をしたという。

「確かにちょっと頑張って背伸びしている状態ではあります。でも、私たちの未来像を日本のお客さまにも感じてもらいたい。『再エネにしたほうが安い』という『文化』や、消費者の方々からの『期待値』を日本でも積み上げていく、そのための第一歩として設定しました」(厚地氏)

イギリスをはじめ7カ国で再エネ100%の電気を供給しているオクトパスエナジーは2021年2月、都市ガス最大手の東京ガスとTGオクトパスエナジーを設立。同11月から、ベータ版の電気料金プラン「ハジメテオクトパス」を、関東圏(東京電力管内)の低圧電力契約者(家庭や小規模事業者)向けに提供していた。

今回の新料金プラン2種も、同じく東京電力管内の家庭・小規模事業者向けに提供。電気は引き続き、主に東京ガスから調達する。

オクトパスエナジーが、イングランド・プレミアリーグのアーセナルFCの本拠地、エミレーツ・スタジアムへの充電ステーション設置を記念して動画を製作。オクトパスエナジーはイギリスなどで電気自動車(EV)用の料金プランも展開している。

Octopus Energy Official YouTube Channel

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