履歴書の小さなミスで、せっかくの求職活動が台無しになってしまうかもしれない。
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- 2021年のイギリスの履歴書で多かった不備は、誤字脱字や説明のつかない職歴の空白期間だと、求人広告検索サービスのアズナが発表した。
- アズナは、同社のオンライン報酬評価ツールにアップロードされた、イギリスの14万7000件以上の履歴書を分析した。
- 履歴書は雇用者に好印象を与える最初の機会なので、最高の出来栄えにすることが重要だ。
求人広告検索サービスのアズナ(Adzuna)の調査によると、2021年にイギリスの求職者が履歴書を作る際に犯してしまった最も一般的な間違いとして、誤字脱字、説明のつかないキャリアギャップ(職歴の空白期間)、大文字の使い過ぎなどがあることがわかったという。
同社は、ValueMyCVにアップロードされた約14万7000件のイギリスの履歴書を分析した。ValueMyCVは、履歴書の内容に基づいて、労働者が得るべき収入を推定するツールだ。
ミスの中ではスペルミスが一番多く、履歴書全体の62.4%に少なくとも1つの間違いがあったという。これは単にスペルを間違えるだけではなく、イギリスの応募者がアメリカ式のスペルを使っている、例えば「analyse」ではなく「analyze」としていることがしばしば問題になっている。
また、アズナが分析した履歴書の3分の1近くは、経歴の要約の記載がなく、これは2番目に多い不備だった。経歴の要約は簡潔な自己説明になっているため、採用担当者は、応募者のスキルや職務へのどう貢献できるかを知るために参考にしているので、記載したほうが賢明だ。
3つ目に多いミスは、説明のつかないキャリア・ギャップ(無職の期間)に関するものだった。大退職(Great Resignation)によって、キャリア・ギャップに対する一部の採用担当者の意識は変わり始めているが、依然としてキャリアギャップについては説明する必要があり、27%の履歴書がキャリアギャップの説明ができていなかったという。
あなたの履歴書は、雇用主になるかもしれない人に好印象を与える最初のチャンスとなるものなので、きちんと整理しておくことが重要だ。
4番目に多かったのは、「住所の不備」、次いで「長すぎる、または短すぎる履歴書」が続いた。採用担当者は、通常、履歴書は2枚以内で収めるようにアドバイスしている。
アズナが発見したミスの第6位は、オンライン履歴書へのリンクが切れていること。第7位は電話番号の不備、8位はEメールアドレスの不備だった。9番目に多かったのは、「大文字の使いすぎ」だったという。
採用担当者は通常、1枚の履歴書を数秒間でざっと目を通し、その応募を先に進めるかどうかの判断をする。最近はその前に、AIツールを使用して評価することが増えているため、不正確な情報を発見した場合は、自動的に履歴書をフィルタリングして除外することが可能になっている。
良い履歴書は、応募する職務に合わせて作られたものであると採用担当者は話している。また自分の実績をリストにする際には文字数が多くならないようにし、一貫したフォーマットでレイアウトする必要があるという。
アズナの共同設立者であるアンドリュー・ハンター(Andrew Hunter)は、「ずさんな履歴書は、応募者が最初のハードルで落とされてしまうことを意味する」と述べている。
「自己紹介文にキャリアの希望の概要を書き、リモートワークやハイブリッドワークなどの希望する雇用形態を示すことで、(雇用主の)期待に応えることができる」とハンターは話す。
「それによって求職者が雇用主との相性を見極め、将来的に充実したキャリアを歩むための早道になる可能性もある」
[原文:9 mistakes job seekers made on their résumés in 2021 – and how to avoid them
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)