エマヌエーレ・フィリベルト・ディ・サヴォイア皇太子と妻で女優のクロティルド・クロー、娘のヴィットーリアとルイーザ。
Emanuele Filiberto di Savoia
- イタリア王族が宝石の返還を求めていると、テレグラフが報じた。
- 王族は、君主制が廃止された際、3億ユーロ相当の宝石を失った。
- それ以来、宝石はイタリア銀行の金庫に保管されている。
イタリアの旧王族が国に対し、3億ユーロ(約386億円)相当とみられる宝石の返還を求めているとテレグラフが報じた。
サヴォイア家の名で知られる王家は、1946年に君主制が廃止された際、ティアラ、イヤリング、ネックレス、ブローチなどのコレクションを失った。それ以来、それらの宝石はローマのイタリア銀行の金庫に保管されているという。
テレグラフによると、イタリア銀行の担当者とサヴォイア家の弁護士の間で、2022年1月25日に調停が行われたが、結論は出なかった。同紙は、銀行が王室の要請を政府に委ねる可能性が高いと付け加えている。
「イタリアは正しいことを行い、宝石を我々家族に返すべきだ」とエマヌエーレ・フィリベルト・ディ・サヴォイアはテレグラフに語った。
「我々は宝石の金銭的な価値に興味はない。重要なのは、我々王族にとっての歴史的で感情的な価値だ」
彼は、イギリスでは王冠をロンドン塔に飾るなど、他国では宝石類を展示しているが、イタリアではそのようなことが行われたことはないと付け加えた。
「イタリアは、旧王族の私有財産が国の管理下にある唯一の国で、これは恥ずべきことだ。ロシアやユーゴスラビアでさえ、私有財産は王家に返還された」と彼は述べている。
エマヌエーレは、イタリア王国最後の王ウンベルト2世の孫、元王太子ヴィットーリオ・エマヌエーレ・ディ・サヴォイアの長男だ。彼はイタリアでは著名人のひとりで、以前Insiderに、イタリア政府が男性の王位継承者の帰国を禁じているため、彼は人生の最初の30年を亡命先で過ごしたと語っている。その禁止令は2002年に解除された。
エマヌエーレ・フィリベルト・ディ・サヴォイアの代理人と、イタリア銀行にコメントを求めたが回答は得られていない。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)