「株価急落でも再上昇する」半導体関連の注目28銘柄。Nvidia、AMD…米大手投資銀行の「買い推奨」集中

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画像処理半導体大手エヌビディア(Nvidia)のグラフィックスカード。大手投資銀行アナリストらの予測によれば、2022年早々の株式市場急落にもかかわらず、今後の株価再上昇が期待されるという。

Andreas Merchel/Shutterstock.com

スマートフォンやノートパソコン、電気自動車(EV)など、今後10年間に大きな成長が期待される産業分野において、半導体チップは不可欠の部品だと証券アナリストらは考えている。

スイス金融大手UBSのマーク・ヘーフェリ最高投資責任者(CIO)率いる調査チームは最近のレポートで、半導体を「投資すべき4つのテクノロジー」の1つと位置づけ、「構造的な需要増、利益率の拡大、2ケタ台前半の増収が想定される」と評価する。

ただ、2022年の年明け早々に株式市場を揺るがせたテクノロジー関連銘柄の株価急落を、半導体メーカーも免れることはできなかった。

上場株式信託商品の「ヴァンエック半導体ETF」「iシェアーズ・セミコンダクターETF」は年初来それぞれ11.1%、11.9%の下落を記録している。

それでも、金融アナリストのパフォーマンス評価サイト「ティップランクス(TipRanks)」によれば、半導体銘柄には長期的に見てさらなる株価上昇の余地が残されているようだ。

ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースなど大手金融(主に投資銀行)が過去3カ月間に発表した調査レポートをもとに計算された同サイトのアナリスト・コンセンサスでは、時価総額10億ドル(約1150億円)以上の半導体関連28銘柄が「買い」レーティング(評価)とされている。

うち4銘柄は(投資テーマとしての)メタバースに深くかかわるもので、さまざまな方向から追い風を受けている。

メタバース分野の主要銘柄で構成される株価指数のパフォーマンスに連動する世界初の上場投資信託「ラウンドヒル・ボール・メタバースETF」にも組み込まれているその4銘柄とは、エヌビディア(Nvidia)、クアルコム(Qualcomm)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices、AMD)、スカイワークス・ソリューションズ(Skyworks Solutions)。

なかでもエヌビディアは最大の時価総額(約6160億ドル、2月1日時点)を誇る。米カリフォルニア州に本拠を置く画像処理半導体メーカーで、前出のコンセンサス・レーティングではアナリスト25人中23人が「買い」としている。

米銀大手バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ビベック・アーリアは最近の調査レポートで次のように分析する。

「エヌビディアの優れて独特で、活用範囲の広いアクセラレーテッドコンピューティング(=一般的なCPU以外、例えばGPUなどを使って、機械学習やビッグデータ分析など高度な演算を可能にする)プラットフォームは、これから数十年という長期にわたって幾度となく訪れる最も重要な機会をモノにして成長を実現できる最有力候補と言えるでしょう」

Insiderは前出のコンセンサス・レーティングをもとに、エヌビディアなど半導体関連27銘柄について、アナリストの投資判断やアップサイド(=株価の上振れ)の余地を整理した。なお、各銘柄の株価は1月31日時点のもの。

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