撮影:Business Insider Japan
セガやバンダイナムコなど大手ゲーム会社の現役の経営陣らが参画する、異色の「ゲームに特化したブロックチェーン開発」のプロジェクトが立ち上がった。2月8日、ブロックチェーン関連企業Oasys社(本社・シンガポール、代表・松原亮)が、複数の発起人らとともに発表した。このプロジェクトにより、より安価で高速なブロックチェーンゲーム体験を提供するという。
初期の発起人としては、セガ副社長の内海州史氏、バンダイナムコのグループ企業であるバンダイナムコ研究所社長の中谷始氏といった国内大手ゲームメーカーの幹部らが名を連ねている。
海外勢としては、著名なブロックチェーンゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」にも関わる、フィリピンを拠点とする「Yield Guild Games(イールド・ギルド・ゲームズ)」の創業者も参画している。
ブロックチェーン技術を使ったプラットフォームの1つ「イーサリアム」を基盤とするゲームは、2018年頃から多くが開発・運用されてきた。
しかし、イーサリアムの人気が高まり多くの取引(トランザクション)が行われたことによって、取引手数料(いわゆるガス代)が高騰。取引にかかる時間も長くかかるようになってしまった。
イーサリアム基盤のアプリが多く生まれている現状において、こうした問題(イーサリアムのスケーリング問題とも呼ばれる)を解決するため、さまざまなブロックチェーンプロジェクトが立ち上がっている。
例えば、大手NFTマーケットプレイス「OpenSea(オープンシー)」でも使われている「Polygon(ポリゴン)」や、大手NFTゲーム開発企業「Dapper Labs(ダッパーラボ)」が独自に開発しているブロックチェーン「Flow」などが挙げられる。
Oasysもこうしたイーサリアムのスケーリング問題を解決する一手段になると、同社広報担当は説明する。同プロジェクトの発起人は、以下の通り。
- Gabby Dizon氏(Yield Guild Games共同創業者)
- 國光宏尚氏(gumi創業者/Thirdverse代表取締役CEO)
- 中谷始氏(バンダイナムコ研究所代表取締役社長)
- 上野広伸氏(doublejump.tokyo代表取締役CEO)
- 内海州史氏(セガ取締役副社長)
(文・西山里緒)