北京冬季五輪のマスコット「ビンドゥンドゥン」を求めて行列を作る人々。
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- 中国では、北京冬季五輪のパンダのマスコット「ビンドゥンドゥン」のグッズが飛ぶように売れている。
- ただ、春節(旧正月)に工場が閉鎖していた影響もあり、供給が不足している。
- 公式ライセンス商品の売り上げは、25億元(約455億円)に達する可能性がある。
冬季オリンピックが開催されている中国では、パンダのマスコット「ビンドゥンドゥン」のグッズが飛ぶように売れているものの、供給が追い付いていない。
宇宙飛行士のスーツを模した氷の"シェル"を装着しているこのパンダのマスコットは中国で大人気となっていて、氷点下の北京では先週末、ビンドゥンドゥンのグッズを手に入れようとたくさんの人々が最大で7時間行列に並んでいたと、上海日報が報じた。
ただ、こうした"努力"にもかかわらず、多くの人々がビンドゥンドゥンを手に入れられなかったとロイターは報じた。グッズはオンラインでも売り切れで、アリババが運営する天猫(Tmall)の冬季五輪公式ショップでは時間を制限しての販売が予定されている。
ロイターによると、1週間に及ぶ春節の休暇で工場が閉鎖していたことで供給不足が悪化したと、大会組織委員会の報道官である趙衛東氏は2月6日の会見で語ったという。
組織委員会はビンドゥンドゥンのグッズを増産するとしている。
「わたしたちはこの問題に細心の注意を払っています。ビンドゥンドゥンの供給を増やすために(工場と)連携しています」と趙氏は続けた。
そして、中国の伝統的な灯篭の形をしたパラリンピックの公式マスコット「シュエ・ロンロン」への愛も呼びかけた。
ビンドゥンドゥンとシュエ・ロンロン。
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ビンドゥンドゥンを手掛けたデザインチームの責任者である曹雪氏は、あまりの人気に自身の息子ですらまだ手に入れることができずにいると上海日報に語った。
「ビンドゥンドゥンがこれほど人気になるとは驚きでした。ビンドゥンドゥンを持っていないかと、たくさんの友人や親戚に聞かれました」と曹氏は話していると、同紙は伝えている。
「残念ながらわたしの手元にはない、もうすぐ出回るようになるはずだと答えています」
中国でかわいらしい動物のぬいぐるみが大人気になったのは、これが初めてではない。2021年10月には、イケアがサメのぬいぐるみ「ブローハイ」の販売を終了すると発表し、ソーシャルメディアで大きな話題となった。2021年12月には、ディズニーのピンクのキツネのぬいぐるみ「リーナ・ベル」が大人気となり、転売が横行した。
金融ニュースサイトCLSによると、中国の山西証券は北京冬季五輪の公式ライセンス商品の売り上げが2週間の大会期間中に25億元(約455億円)に達する可能性があると見ているという。
(翻訳、編集:山口佳美)