メキシコ産アボカドの2022年のスーパーボウル広告を予告するCMの一場面。
Avocados from Mexico/YouTube
- Crypto.com、バドワイザー、ドリトスなどのブランドは、2月13日(現地時間)のスーパーボウルに向けた広告を計画している。
- この試合は広告主にとって一年で最大の舞台であり、1億人近くが視聴すると予想されている。
- 広告主のブランドや広告代理店に、どのように広告を組み立てているのかを聞いた。
今年最大の広告イベントに向けて、各ブランドは準備を進めている。
Crypto.comのような初出稿の広告主が、長年の広告主であるペプシ(Pepsi)、バドワイザー(Budweiser)、ドリトス(Doritos)とともに、2月13日(現地時間)にロサンゼルスで開催される第56回スーパーボウルに参戦する予定だ。
試合ではロサンゼルス・ラムズとシンシナティ・ベンガルズが対戦するが、各ブランドも、人々を楽しませ、製品を買うように説得するテレビコマーシャルのために何カ月もかけて準備してきた。
NBCユニバーサル(NBCUniversal)は、30秒の広告を流すのに650万ドル(約7億5000万円)を広告主に請求するが、広告主は制作費とデジタル広告費にさらに数百万ドルを費やしている。
Insiderは、象徴的な広告を作るにはどうしたらよいかを知るために、舞台裏の有名人やあまり知られていない広告業界幹部に話を聞いた。
2022年の広告主は、ユーモアを重視する
広告代理店のグッドバイ・シルバースタイン&パートナーズ(Goodby Silverstein & Partners)は、フリトレー(Frito-Lay)やサミュエル・アダムス(Samuel Adams)のスーパーボウル広告を何十回も手掛けている。スーパーボウル広告をヒットさせるには、常にユーモアが欠かせないが、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマーガレット・ジョンソン(Margaret Johnson)は、2022年はより洗練されたユーモアのある広告が見られるだろうと予想している。
「人々は、いつものノリにうんざりしている」と彼女はInsiderに語っている。
「しかし、気取ったユーモアは、今年はうまくいかないでしょう。特にパンデミックのことを考えると、もっと洗練されたユーモアが求められている」
最適なメッセージを作るには
スーパーボウルにおける広告主にとって最も大切なことは、人々の心に響く適切なメッセージを作ることだ。シカゴに拠点を置き、50以上のスーパーボウル・キャンペーンに携わってきた創業者を擁するハイダイブ(HighDive)は、ナシャ・スミス(Nasha Smith)にこのアドバイスをした。
「まずは戦略、ブランドの信念、そして製品の真実を明確にすることから始めるべきだ」と、共同設立者のマーク・グロス(Mark Gross)とチャド・ブルード(Chad Broude)は述べている。
「ここからが本当の違いだが、スーパーボウルの幅広い視聴者と彼らが期待するエンターテイメントを認識すること。その期待に応えることができれば、ブランドを文化として根付かせることができる」
「そうしないと失敗してしまうかもしれない。消費者がCMを楽しみにするのは1年に1度だけだ。実際に彼らは(楽しいCMを)求めているのだから、それを後悔させないことが重要だ」
インテュイット(Intuit)社のブランド、QuickBooksの初めてのスーパーボウルスポットCMでは、最近買収したメールチンプ(Mailchimp)を宣伝するため、有名人を起用する予定だ。
有名人の起用は実績のある広告手法だ。
「一番大切なのは、ブランドのDNAに触れ、メッセージを真に体現するセレブを戦略的に配置することだ」と、広告代理店のBBDO Worldwideで食品大手のマース(Mars)を担当するバイスプレジデント兼グローバルビジネスリーダー、スザンナ・ケラー(Susannah Keller)は述べている。
コロナウイルスはCM制作を変えてしまった
スタートアップ企業のClickUpは、初めて地域限定のスーパーボウル広告を実施する上で、2種類の広告をテストしている。ClickUpのチーフ・クリエイティブ・オフィサー、メリッサ・ローゼンタール(Melissa Rosenthal)は、コマーシャルの撮影方法について、より多くのプロトコルが用意されていることから、最終的な広告に選択肢を与えるためには、できるだけ多く撮影することが重要だと述べた。
「オフィスの中にいるという当たり前だったことが社会的にも政治的にも流動的になる時代には、選択肢を持つことは重要だ」と彼女は述べている。
「制作計画は何カ月もかけて行われますが、時代はその間も動いている」
広告は試合を超えて活用すべきもの
ここ数年、メキシコ産アボカドは定番の広告主として名が知られている。2022年は、スーパーボウルを利用して、他の2つのパートを含むより大きなキャンペーンを構築していると、アボカド・フロム・メキシコ(Avocados from Mexico)のマーケティングおよびイノベーション担当副社長イボンヌ・キンザー(Ivonne Kinser)は述べている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)