2021年11月2日、スコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26(気候変動枠組条約締約国会議)でのビル・ゲイツ。
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- ビル・ゲイツは、次のパンデミックを防ぐ方法をテーマにした著書を刊行すると発表した。
- 新型コロナウイルス感染症についての洞察や、陰謀論の対象になることなどが語られる予定だ。
- 彼の新著は、2022年5月に出版される予定だ。
ビル・ゲイツ(Bill Gates)は「新型コロナウイルスは最後のパンデミックになるだろう」と楽観的だ。彼の次の著書はこのテーマに捧げられたものとなっている。マイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツは、長年続けているブログ「ゲイツ・ノーツ(GatesNotes)」への投稿で、新著のタイトルが、『How to Prevent the Next Pandemic(次のパンデミックを防ぐ方法)』になることを明らかにした。2022年5月に出版される予定だ。
「我々が望むほど、このパンデミックの終焉に近づいてはいないが、我々はパンデミックの再発を阻止する方法について多くのことを学んだ」とゲイツは、新著発表に伴って公開された動画の中で述べている。
この著書は、アメリカではクノッフ社(Knopf)、海外ではペンギン・ランダムハウス(Penguin Random House)から出版される予定だ。同著は、将来のパンデミックを予防し、よりよいグローバルヘルスケアを提供するための社会のあり方について、具体的なステップを示す内容だという。
また、バイデン政権の首席医療顧問アンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)や、世界保健機関事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)など、公衆衛生のリーダーたちとの対話から得た教訓も紹介されるという。
「感染症が何百万人もの命を奪ったり、世界経済を停止させる可能性があることを誰も納得する必要はない」とゲイツは書いている。
「正しい選択と投資をすれば、新型コロナウイルスを最後のパンデミックにすることができる」
マイクロソフト(Microsoft)を去った後、ゲイツはグローバルな健康問題に目を向け、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)を通じて、新型コロナウイルス感染症の撲滅と気候変動の脅威に対する意識向上のため、数十億ドル(数千億円)の寄付を公約している。後者の気候変動については彼の最新の著書のテーマでもある。
ゲイツは以前から世界的なパンデミックの脅威の可能性について警告していた。また、新型コロナウイルスが出現して以来、ワクチンの重要性を声高に訴えてきた。ビル、メリンダ・ゲイツ夫妻は2020年1月、パンデミックに対抗するため、総額20億ドル(約2300億円)の拠出を約束している。
ゲイツは、ワクチンを悪用して人々にマイクロチップを埋め込んだとして、ネット上で陰謀説の対象ともなった。彼は、この経験も著書の中で取り上げる予定だ。
ゲイツは自身のブログを通じて、メタバース、ワクチン、その他のビジネス書など、さまざまな話題に対する自分の考えを共有している。
2021年末のブログでは、妻メリンダとの離婚もあり、2021年が「最も異常で困難な年」だったと彼は明かしている。
また、不倫や社員に不当な扱いをしたとの疑惑も浮上したが、マイクロソフトの広報担当者はこの2つの疑惑を否定している。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)