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- 仕事中の雑念を減らし、集中力を高めるという「ブレインダンプ」という方法を試してみた。
- 心理学者によると、不安や焦燥感を抱えている人、考えすぎる傾向がある人に効果があるという。
- 私はこの方法で頭をスッキリさせ、毎日を整理して、目の前の仕事をこなすことができた。
初めて「ブレイン・ダンプ(brain-dumping)」という言葉を聞いたとき、その奇妙な名前に疑問を持ったくらいで、あまりピンとこなかった。
しかし、ブレインダンプについての本を読んだ後、1週間試してみることにした。結果、ブレインダンプには思っていた以上に効果があることが分かった。目の前にあるタスクを整理し、正しい方向に向かって1日をスタートするのを助けてくれたのだ。
ブレインダンプの核心は、頭の中にある考えや悩み、長引く疑問、ToDoリストなどをすべて紙などに書き出し「放り出す」ことで、心を整理し、ストレスや不安を解消することにある。
「特に、常に競争心を持っている人、物事を考えすぎる傾向がある人にとって、ブレインダンプは多くの不安を解放してくれるものになる」と心理学者のマーシャ・ブラウン(Marsha Brown)博士はInsiderに語っている。
「ブレインダンプは、頭の中から思考を取り出し、その思考が頭の中で常にぐるぐると回ることのないようにどこかに置いておくこと。そして忘れないようにどこかに書きとめておくことで、後で対処できる」
ブレインダンプは、朝一番か、夜寝る直前に行うのが一般的だ。
朝は雑念を減らすことで、集中力を高めることができるとブラウン博士は話す。夜はブレインダンプをすることで、脳の活動を抑制し、脳が 「オフ」 の状態になるため、よく眠れるようになる。
私は朝の時間帯にブレインダンプを試してみた。その時間帯に行うブレインダンプがもたらす効果に興味があったからだ。毎朝、その日のタスクや気になることを書き留めてみた。すべてを集約するとその日のToDoリストを俯瞰できるので、それに合わせて1日を構成することができた。
また、私は、くよくよと考え続けていた悩みも書き出した。頭の中のスペースや知力、エネルギーを他のことに使えるよう、どこか別の場所に移しているような感じだった。
悩みを紙に書き出すことで、それらを一時的に棚上げして、後でまた戻ってくればいいということがわかり、ストレスを感じない自由が得られた。
ブレインダンプは、私の思考やタスクを素早く合成して、私の1日のミニスナップショットというべきものを作るので、やらなければならないこと、答えなければならないことに優先順位をつけることができた。
ブレインダンプが朝にとても役に立ったからか、気がついたら寝る前にもやっていた。やり方としては、ポストイットやインデックスカードに、翌日やらなければならないことを書き留め、朝一番に目に入るようにノートパソコンに貼っておくだけ。翌朝、整理整頓された状態で1日をスタートできるのはうれしいことだ。
その週末には、ブレインダンプを試してみてよかったと感じていた。ブレインダンプはその名前から想像するほど不快ではないものだったし、むしろ役に立つものだった。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)