Bob's Watches
- ロレックスの時計は昔からコレクターの間で人気を博してきたが、投資にも向いていることがわかった。
- Bob's Watchesの最新のデータで、ロレックスの投資利回りは金、不動産、株を上回っていることがわかった。
- 世界中で需要が急増しており、エントリーレベルのモデルでさえ小売価格以上の値がついている。
もし2011年に戻り、50グラムの金地金か、5000ドル分のダウ平均インデックスファンドか、ロレックス(Rolex)のサブマリーナをもらえるとしたら、あなたは一番よい投資としてどれを選ぶだろう。
ロレックスの時計の中古販売を行うBob's Watchesの最新のデータによると、サブマリーナを選ぶのが一番得をするそうだ。
過去10年、Bob's Watchesは一貫した価格戦略で数多くの時計を売買してきた。これにより、ロレックスのすべてのモデルの実際の市場価値のデータを得ることができたという。
「我々は、10年前にさかのぼってデータを把握できる唯一の企業だ」と、同社のポール・アルティエリ(Paul Altieri)CEOはInsiderに語った。
ロレックスは毎年80万個の時計を生産していると報じられているが、同ブランドの人気は新商品の供給をはるかに越えた需要を生み出しており、中古時計市場を活発化させている。
そして、世界的に需要が高まってきている。「ロレックスは長年よい投資対象だったが、ここ5年間はこれまでとは違う」とアルティエリは述べた。
実際、ロレックスの平均販売数は2017年から上昇し、2020年にはさらに急上昇した。現在のロレックスの平均価格は1万3000ドル以上で、2011年の5000ドルの3倍近くになっている。(価格の推移はこちらに)
ロレックスの価格はダウ工業株価を追うように上昇してきたが、この1年でそれを上回った。金や不動産(平均住宅価格)などの他の投資先は、それとは程遠い。
だが、このような高価格であっても、ロレックスは「手の届きやすいラグジュアリーブランド」だとアルティエリは言う。確かにオーデマ ピゲ(Audemars Piguet)やパテックフィリップ(Patek Philippe)といった3万ドルを超えるようなスイスブランドと比較すればそうだろう。ロレックスの中で近いのはコスモグラフ デイトナで、小売価格ではそれらの3分の1だが、中古マーケットでは平均3万1000ドル以上の価値がある。
「店を出る前に支払った価格の2倍か3倍の価値がある」とアルティエリは述べた。
ただし、それを売ってくれる正規販売店が見つかればの話だ。
「多くの人が自分の名前が購入者リストに掲載されるのを1、2年待っており、それをあきらめることはないだろう」とアルティエリは語った。
生産量の多さから見ると、クラシックなスチールのサブマリーナはロレックスで最も人気があり、価格帯はブランド全体の平均に沿ったものだ。
しかし、ブランドへの熱狂的な人気は、デイデイト、デイトジャストのようなエントリーモデルとみなされるものの人気も押し上げ、今では中古市場の価格が小売価格を上回っている。
過去の結果が将来の動向を保証するわけではないが、新製品の供給に限りがあることを考慮すると、このような価格のトレンドが続くと予測するのは妥当だろう。
マッキンゼーの報告によると、現在、中古のラグジュアリーウォッチの市場は推定総額200億ドルで、2025年までに290億ドルになるとみられている。
アルティエリは、株式市場のインデックス・ファンドは今後も慎重で安全な投資の選択肢であり続けるだろうが、面白くはないと述べた。
「ほとんどの人は株を見たことはないし、まして所有している株ならなおさらだ」と彼は話す。
「しかし、時計は毎日触れることができるものだ」
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)