2022年2月11日、男子スケルトンの競技を終えたウクライナの選手が、「No War in Ukraine」と書かれたメッセージを掲げた。
NBC via AP
- 2月11日、北京オリンピックで競技を終えたウクライナの選手が「No War in Ukraine」と書かれたメッセージを掲げた。
- IOCは、これを「平和への一般的な呼びかけ」だとして、選手を罰しないと決定した。
- ロシアがウクライナに侵攻する可能性が高まっている中で、このメッセージは掲げられた。
北京冬季オリンピックで「No War in Ukraine(ウクライナで戦争をしないで)」というメッセージを掲げたウクライナの選手は、国際オリンピック委員会(IOC)からの処罰を受けないだろう。
2022年2月11日の夜(現地時間)、ウクライナのスケルトン選手、ウラジスラフ・ヘラスケビッチ(Vladyslav Heraskevych)は、滑走後にウクライナの国旗の色である黄色と青色の紙にこの言葉を記して掲げた。
これは、ロシアとウクライナの緊張が高まり、オリンピックが終わる前にロシアがウクライナに侵攻するかもしれないと指摘されている中で行われた。
「これが私の立場だ。普通の人と同じように、私は戦争を望んでいない」と、競技を終えたヘラスケビッチ選手は語ったとAP通信が報じている。
「私は自分の国の平和を望むし、世界の平和を望む。それが私の立場なので、そのために戦う。私は平和のために戦う」
このメッセージは、「いかなる種類のデモや政治的、宗教的、人種的プロパガンダも、オリンピック会場やその他のエリアでは許可されない」というオリンピックのルールに違反する可能性がある。
しかし、AP通信によると、IOCはこのメッセージを「平和への一般的な呼びかけ」とみなし、ヘラスケビッチにペナルティを課さないことを決めたという。
アメリカの国家安全保障問題担当大統領補佐官、ジェイク・サリバン(Jake Sullivan)は2月11日、北京オリンピックが終了する予定の2月20日以前に、ロシアがウクライナに侵攻する可能性があるという「信頼できる予測」があると語った。
サリバン補佐官は11日のホワイトハウスでの記者会見で、「プーチン(Putin)大統領によって最終決定が下されたと言っているわけではない」と述べた。
「我々が言っているのは、現地で見ているもの、情報アナリストが拾ってきたものに基づいて、十分なレベルの懸念があるということであり、だから、我々はこの明確なメッセージを送っているのだ」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)