NFTを作り、発行するプロセスは複雑で、ある程度の技術的知識が必要となると語るのは、自らの散歩風景をNFTとして販売したNFT初心者だ。
Nadia Bormotova/Getty Images
クリスティーズのオークションではNFT(非代替性トークン)が高値で取引され、ビットコイン1単位が6万ドル(約690万円、1ドル=115円換算)を超えるなど、Web3、仮想通貨、ブロックチェーンは爆発的な人気を博している。
しかし多くの人は、この新しいテクノロジーの恩恵を享受しようにも、何をどのように始めていいのかよく分からないのが実態だろう。
Insiderは、これまで仮想通貨で億万長者になった人、NFT初心者、260万ドル(2億9900万円)相当を仮想不動産に投資した仮想通貨投資会社CEOなど、いくつかの体験談を紹介してきた。本稿では、自らNFTを作成・発行し、メタバース上で不動産を購入してきた彼らの体験談と学びを紹介する。
初心者が偶然手に入れたビープル作品
NFT投資は、時間の経過とともに成長する長期的投資となり得る。別名ビープル(Beeple)として知られる人気NFTアーティスト、マイク・ウィンクルマン(Mike Winkleman)が作ったNFTのひとつは、オークションにおいて数億ドル(数百億円)で落札された。彼の名はNFTの象徴となり、その作品はコレクターの間で大人気だ。
エドワード・フェアチャイルド(Edward Fairchild)は、ビープル作品のリミテッド・エディションが発売された際、需要の高さから手を出せないでいた。結局、別のオープンエディションのビープル作品を、969ドル(約11万1400円)で手に入れた。その後、需要の高まりとともに、フェアチャイルドが購入したNFTは20万ドル(約2300万円)を超すまで値上がりした。このように、自らが求めたNFT作品ではなく、むしろ偶然入手したNFT作品が大きな利益を生んだ例もある。
良い取引を行うための情報収集
仮想通貨への投資を検討しているなら、ボイスチャットサービスDiscord上のパブリックフォーラムや、毎週、最新の仮想通貨動向を伝えるポッドキャストなど、各種の情報源がある。
専門家から直接学ぶこともできる。仮想通貨で億万長者となり、フォーチュン誌のNFTy 50(訳注:NFTで最も影響力のある50人)にも選出されたクーパー・ターリー(Cooper Turley)は、早い時期から仮想通貨に投資し、数百万ドル(数億円)の利益を上げてきた。ターリーは、特定のデジタル資産の動向を知りたいのであれば、関心のあるデジタル資産に特化した複数の適切なメディアを探すことを勧めている。
自分のNFTを作成・発行する
すべてのNFTが、クリプトパンクス(CryptoPunks)やボアード・エイプス・ヨット・クラブ(Bored Apes Yacht Club)のような有名クリエイターによるハイエンドなコレクターズアイテムというわけではない。公園での普通の散歩風景が、NFTの傑作に生まれ変わることもある。
トビー・ヘイゼルウッド(Tobey Hazelwood)は、散歩中に撮影した写真をNFTとして発行したところ、0.015イーサリアムの値がついて売れた。NFTの発行に関心を持つ人は、買い手となり得る層を特定し、できるだけ早期に市場に参画することをヘイゼルウッドは勧めている。
デジタル不動産に1億円投資した人も
ブロックチェーンの活用法は、NFTや仮想通貨だけではない。メタバース上でデジタル不動産に巨額の投資をした人もいる。
トークンズ・ドットコム(Tokens.com)のアンドリュー・キゲル(Andrew Kiguel)CEOは、3Dバーチャル・プラットフォームのディセントラランド(Decentraland)上の「不動産」に、100万ドル(約1億1500万円)を投資した。
彼が投資を決断した理由は、メタバースが1兆ドル(約115兆円)産業へと成長し、既存顧客はもとより新規顧客をも惹きつける可能性があると考えているからだという。キゲルは今回の購入をベースに所有不動産を広げ、製品の広告、製品・サービスの販売を推進したいと考えている。
※この記事は2022年2月21日初出の記事の再掲です。
[原文:A beginner's guide to making money through NFTs, cryptocurrency, and the metaverse]
(翻訳・住本時久、編集・:大門小百合)