いくつかのキッチンのトレンドは廃れつつあるが、多くのものはこれからも残るだろう。
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- 2022年に期待されるキッチンのトレンドについて、インテリアデザイナーに聞いた。
- 真っ白なキッチンやダブルオーブンは、実用性に欠けるため廃れる傾向にある。
- スマート家電、無塗装のキャビネット、ダークカラーのキッチンに人気が集まっているという。
「ブラックのコンロ」がより流行する
ブラックのキッチンコンロは空間をエレガントでスマートな印象にすることができる。
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キッチンデザインを手掛けるスーザン・セラ・アソシエイツ(Susan Serra Associates)のスーザン・セラ(Susan Serra)は、2022年はもっと黒いガスコンロが増えるだろうとInsiderに語っている。
「ブラックのガスコンロは、エレガントでドラマチックなキッチンのフォーカルポイント(視線が集まる見せ場)になる」とセラは話す。
「ブラックを多用せず、他のブラックをアクセントとして絡めることで、スタイリッシュでありながら生活しやすいスタイルに仕上がる」
小さなノブや取っ手などのアクセントをブラックにすると、ダークカラーのガスコンロを引き立て、スマートな印象に仕上げることができる。
「オープンキッチン」は定着する
オープンキッチンは引き続き、人気のコンセプトであり続けるだろう。
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オープンキッチンは、おもてなしをする時や同時に複数のことを行う時に便利なので、これがトレンドであることは不思議ではない。
「それが実現できるかどうかはスペース次第だが、一般的にはオープンな間取りが望まれている」とベイクス&クロップ(Bakes & Kropp)の共同設立者兼デザイン責任者のボブ・ベイクス(Bob Bakes)はInsiderに語っている。
「キッチンを独立した部屋にする必要があるというのは古い考え方で、それはまだ復活はしないと思う」
「白一色のキッチン」は次第に減っていく
白一色のキッチンは、手入れが大変だ。
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白一色のキッチンは人気はあるが、このクリーンでクラシックなデザインの選択は消えてしまうかもしれない。
「真っ白で洗練されたモダンなキッチンは冷たい印象を与えるので廃れつつある」とイタルクラフト(Italkraft)のデザイナー、アンドレア・スボトフスキー(Andrea Subotovsky)はInsiderに語っている。
「代わりに、ヌードカラーやトープ(茶色がかった灰色)が多く見られるようになっている。これらの色が人気なのは、軽やかなニュートラルカラーのため、それほど冷たい印象を与えることなく、清潔感のあるモノトーンの見た目に仕上がるからだ」
スボトフスキーによると、真っ白なキッチンを維持するためには、カウンタートップ、キャビネット、床などを拭くといった手入れが必要なので、それが人々を遠ざけることになるかもしれないという。
「アイランドキッチン」が主役になる
アイランドキッチンはワークスペースとしても最適。
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アイランドキッチンは多目的に使えるので、2022年に人気になると予想されている。
インテリア、ガーデニングサイト「トレンディ(Trendey)」のリード・インテリアデザイナー、アンドラ・デルモニコ(Andra DelMonico)は、アイランドキッチンはワークスペースを増やせるため、このトレンドは今後も続くと考えている。
「最も人気があるのはダブルアイランドだ」とデルモニコは言う。
「確かに、誰もがそのようなスペースを持っているわけではない。しかし、ダブルにするスペースがない場合は、シングルアイランドでもこのトレンドに乗ることができる」
「無塗装のキッチンキャビネット」がトレンド
無塗装のキャビネットを選ぶ人が増えている。
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塗装されたキャビネットがなくなることはないだろうが、無塗装の美しい外観を保つためにはどの種類の木材を使うべきなのか、より多くの住宅オーナーが考えることになるだろう。
「塗装されたキッチンキャビネットはどこにも行かない」と、インテリアスタイリスト兼デザイナーのマギー・クラーク(Maggie Clarke)はInsiderに語っている。
「でも私は、明らかに天然木のキャビネットがトレンドになっているのを知っている」
「ダブルオーブン」は時代遅れになる
ダブルオーブンはスペースの無駄遣いになることも。
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2022年は場所を取るダブルオーブンよりも、電気圧力鍋やエアフライヤーなどの小型家電が好まれると予想されている。
「ポータブルやビルトインなど、これほど多くの種類のオーブンが存在するのは初めてのことだ」とセラは言う。特にそれほど広くないキッチンの家では、ダブルオーブンを見直し、従来のオーブン1台と、スチームオーブンやポータブルオーブンの組み合わせを好むようになっている。
「グリーン」が人気色に
グリーンをアクセントにしたキッチンは、2022年に顕著なトレンドになると予測されている。
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キッチンのアクセントにポップな色を使うのは新しいことではないが、今後はより多くのグリーンがデザインに取り込まれていくだろう。
「ペイントメーカーのシャーウィン・ウィリアムズ(Sherwin Williams)とベンジャミン・ムーア(Benjamin Moore)の『2022年の色』が、どちらも落ち着いたダスティ・グリーンであることを考えると、より軽く、よりニュアンスのあるグリーンが多く見られると思う」と、シャープ・アンド・グレイ・インテリア(Sharp and Grey Interiors)の主任デザイナーであるリビー・ロウズ(Libby Rawes)は言う。
「堅木張りの床や無塗装の集成材のカウンタートップには、グリーンが美しく映えるだろう」
「低いバックスプラッシュ(汚れ止めタイル)」は流行遅れになりつつある
バックスプラッシュは、キッチンキャビネットの下まで伸ばすべきだ。
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低いバックスプラッシュ(汚れ止めタイル)はここ数年のトレンドだったが、人気が落ちつつある。
「低いバックスプラッシュは人気がなくなってきている」とデルモニコは言う。
「壁全体を保護しないため機能的ではない、視覚的に物足りず、スタイル的にも意味をなさない」
それでもバックスプラッシュをキッチンに取り入れたいという人に対してデルモニコは、キャビネットの下まで、またはレンジフード周りの天井まで伸ばすことを提案している。
「真鍮製の金物類」は魅力を失いつつある
真鍮製のドアノブやアクセントは、流行遅れの感がある。
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真鍮製の金物類は流行しているが、時代遅れになるかもしれない。
「真鍮の金具は今どんどん減っている」と、ハウスグレイル(HouseGrail)のインテリアデザイナー、マルコ・ビズリー(Marco Bizzley)は言う。
「人々はこれからパントリーや棚には真鍮製の金具を使わず、つや消しのニッケルやガラス、ステンレスを使うようになるだろう」
[原文:Interior designers share 5 kitchen trends that'll be huge this year and 4 that will be out]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)