2021年11月に500万株以上のテスラ株(約57億ドル相当)を慈善団体に寄付していた。
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- SECに提出された書類によると、テスラのイーロン・マスクCEOは約57億ドル相当のテスラ株を慈善団体に寄付していた。
- この寄付は2021年11月、国連がマスクに世界の飢餓と戦う計画の詳細を伝えた数日後に行われた。
- 書類にはどの慈善団体に寄付したかは明記されていない。
テスラ(Tesla)のイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは、国連世界食糧計画(WFP)が60億ドル(約7000億円)を世界の飢餓対策に役立てる計画の詳細を発表した数日後、500万株以上のテスラ株を寄付した。
この寄付は、2022年2月14日に公開されたアメリカ証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになった。それによると、マスクは2021年11月19日から29日にかけて、合計504万4000株のテスラ株を寄贈している。書類には、マスクがどの慈善団体に寄付したかは明記されていないが、信託に付されたことが記されている。
ブルームバーグの試算によると、寄贈した日のテスラ株の平均価格に基づけば、寄付金は総額57億ドル(約6600億円)の価値があったという。
マスクは、2022年8月に期限切れとなるストックオプションの行使に伴う税金を賄うため株式を売却している最中に、今回の寄付を行った。
当時、マスクはWFPのデビッド・ビーズリー(David Beasley)事務局長とツイッター(Twitter)でやりとりをしていた。
ビーズリー事務局長は10月26日のCNNの「コネクト・ザ・ワールド」で、マスクやジェフ・ベゾス(Jeff Bezos )などのビリオネアから60億ドルの寄付があれば、4200万人の「手を打たなければ死んでしまう人々」を助けることができると語っていた。
10月31日、マスクはツイッターでそれに答え、その金額で飢餓危機を解決するという主張に対して異議を唱え、WFPが計画を示せば「今すぐテスラの株を売ってもいい」と述べた。
ビーズリーは11月16日、WFPが66億ドルをどのように飢餓対策に使うかを詳細に記した計画をマスクに伝えた。
Insiderはテスラに寄付金の行方を尋ねたが、回答はなかった。MarketWatchは、マスクが自身の慈善団体「マスク財団」を運営し、再生可能エネルギーの研究やアドボカシー活動などに助成金を提供していることを指摘した。
WFPの広報担当者、スティーブ・タラベラ(Steve Taravella)は、WFPが寄付を受けたかどうかについては、Insiderに回答しなかった。彼はInsiderに対し「寄付の開示は、寄付者自身に任せるというのがこれまでの慣例だ」と語った。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、マスクは現在の純資産が2270億ドル(約26兆円)で、世界一の大富豪だ。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)