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Better Workplace, Better Culture.

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有給取り放題、社員全員がCEO。先進企業「ゆめみ」が描く未来(ビヨミレ2022イベントレポート)

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社会課題解決に取り組むミレニアル世代を応援するアワード&トークイベント「BEYOND MILLENNIALS(ビヨンド・ミレニアルズ)」。2019年から毎年1月に開催してきたこのイベントの第4回目が2022年1月24日(月)〜28日(金)に開催。

4日目の27日(木)には、トークセッション「全員CEO、給与は自分で決める…カルチャー先進企業『ゆめみ』の秘密」(Sponsored by talentbook)が開催され、PR Table PR / Evangelistの久保圭太氏のファシリテートのもと、ゆめみ代表取締役の片岡俊行氏が、自社で制度化したユニークな取り組みや「talentbookのコンテンツを用いて提案する新たな企業カルチャーのビジョンを紹介。このイベント趣旨にふさわしい、企業のあり方や働き方の“今、そしてこれから”を知る機会となった。

失敗の連続から生まれたユニークな社内制度

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左)久保圭太(くぼ・けいた)氏/PR Table PR / Evangelist 右)片岡俊行(かたおか・としゆき)氏/株式会社ゆめみ 代表取締役

久保圭太氏(以下、久保):片岡さんが代表取締役を務める株式会社ゆめみ(以下、ゆめみ)は、企業のDX内製化支援などを手掛ける企業で、2年ほど前から私どものプロダクトである「talentbook」をご活用いただいているというご縁で、このような機会が実現しました。まずゆめみさんのユニークな制度についてお聞きします。

片岡俊行氏(以下、片岡):ゆめみは2000年に創業した会社です。創業メンバーが全員学生、役員も学生で、社会人経験のないままに起業したので、何をやっても失敗の連続ばかりでしたが、結果として既存の常識にとらわれないユニークな会社になったのではないかと思っています。

我々は、内製化支援というかたちで大企業からスタートアップまで、多岐にわたる企業様のデジタル変革をお手伝いさせていただいています。技術的な課題を解決するためには、我々も学んでノウハウやナレッジを蓄えなければいけません。そこで「日本一勉強する企業」を目指しています。

そんな学びの後押しをするのが「勉強し放題制度」です。弊社は研修費用に上限を設けていません。また、学びの対象についてもほぼ制限がありません。将来の事業につながるのであれば、どんな勉強でも会社として全額補助しようという制度です。

久保:「将来への投資」というわけですね。では「有給取り放題制度」について教えてください。

片岡:文字通り、有給休暇を無制限に取得できる制度です。制度化にはわりと深刻な背景がありました。あるとき、業務委託の方から親御さんの介護で平日に仕事ができないと聞かされました。

これから総介護時代になるともいわれるなかで、介護に関する手当を出している企業はほぼないでしょう。そこで、介護や看護、もちろん本人の傷病も含めて対応するために、有給休暇を無制限にしたという経緯があります。

企業はソフトウェア。頻繁にアップデートを繰り返していく

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片岡:そして「全員CEO制度」は、全社員に代表取締役の権限を付与し、社員があらゆる意思決定を行うことができるというものです。弊社では、2018年に出版された『ティール組織』(フレデリック・ラルー著/英治出版)という本で意思決定のプロセスとして紹介されている「助言プロセス」に基づき、社員に積極的な意思決定を促していました。ただ、「自分にはそんな権限がない」という意見があったので、「じゃあ全員に代表権を付与しよう」ということになったわけです。

「助言プロセス」とは 「誰もがどのような意思決定も行うことができる。ただし、意思決定の前に関係者や専門家から助言をもらうこと。その工程を経ているなら、どんな意思決定してもいい」というものです。そのプロセスを明確に定義したものを社内では「プロリク」と呼んでいます。

これはソフトウェアエンジニアの文化で、「プルリク」と呼ばれるソフトウェアを開発する際のプロセスから名称を参考にしています。弊社は社員の6〜7割がエンジニアですが、プロセスが定義されるとハックしていくエンジニアにあわせて、会社をアップデートしていくというやり方ができてきたという感じです。

久保:制度化をしてからどう運用するかということも非常に重要ということですね。

そこで次にうかがいたいのが、2つ目のテーマ「制度設計や組織運営の原理原則」について。制度や仕組みを運用するなかで、失敗したり、それを改善したりといったことは行われるのでしょうか。

片岡:そうですね。私どもは、会社をソフトウェアのようにとらえていて、制度を悪用したりする人が出てきたら、制度をアップデートすればいいと定義しています。

制度を作ると、それを永続的に維持しなければいけない、社員に説明会を開いて納得してもらわなければいけないと思われるかもしれません。でも、リリースして、使ってもらって、フィードバックをもらって改善する。そしてそれを頻繁に行っていくことが重要です。

社内ルールはオープンにして、ライセンスフリー、二次利用可能に

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久保:アップデートされた制度の例を教えていただけますか?

片岡:「全員CEO制度」を設けたこともあって、弊社には管理職やマネージャー、上司がいません。なので、一般的には何かあったときには、先ほどお話しした「プロリク」に沿って、みんなで話し合って決めたことがルールであり、上司になります。

最近は、そういったルールをオープンハンドブックという形で社外にも公開し、クリエイティブコモンズと呼ばれる二次利用可能でライセンスフリーのコンテンツにして、運用をしています。

久保:社内ルールをドキュメント化することはわりと浸透してきたかと思うんですけど、それをさらに外部にもオープンにするところまで徹底しているのは、なかなかないですよね。なぜオープンに、しかもライセンスフリーの二次利用まで認めているのでしょうか。

片岡: 新たに制度を作るとしても、みんながイチから作り直す必要はないと思っているんです。他社の情報を参考にして、それを土台にすることができれば、助け合いながら切磋琢磨できます。そんな思いでオープンにしています。

企業と社員の“ゆるい関係”は、居心地の良さになる

久保:では最後に3つ目のテーマ「社員のエンパワーメントと企業カルチャーの醸成について」にいきたいと思います。御社のユニークな制度にもエンゲージメントを上げる意図はあるのでしょうか。

片岡:エンゲージメントももちろん重要ですが、会社がコミュニティになっていき、部署がプロジェクトになっていき、パラレルワークなどの自由度のある雇用形態によって、働く人と会社との絆はどんどんゆるくなってきています。そのゆるさは居心地の良さとなると言われています。

たとえば会社の同僚たちと家族ぐるみのお付き合いがあると、「辞めます」とは言いづらくなりますよね。そんなゆるやかなつながりの中で辞めづらさみたいなものを作るということを、弊社も3〜4年ぐらい前から重視しています。

久保:おもしろいですね。より深く繋がるっていうより、むしろゆるい関係性に持っていくということですね 。

片岡:そうです。ゆめみの場合だと、サーバーサイドエンジンニアというような専門的な職種には従事してもらいながら、一方でたとえば「趣味やライフワークとしてコーチングをしているので、それを生かしたい」という希望があるなら、サーバーサイドエンジンニア8割、2割は社員にコーチングを提供するコーチの役割を担ってもらったりしています。

人は自分が持っている特技や技術がすべて活かせると、居心地がいいんですね。しかも、同じやり方を他の会社で受け入れてもらおうと思っても難しい。でも、ゆめみならできる。パズルでいびつなピースがうまくはまるように、会社側が職務を柔軟に変えて用意していくというのも、弊社の考え方ですね。

久保:今のお話は、会社がとても社員のほう向いているということの好例だと感じました。会社が社員との絆を作るために囲い込むのではなく、社員のやりたいことやできることに対して、会社がその環境を用意する。そうすることで、ピースがしっかりとはまり、居心地のいい関係性がうまく作られていくって、おもしろいですね。

我々もtalentbookというプロダクトでコンテンツを作っていますが、今回、片岡さんのお話を聞いて、共感できる部分がたくさんありました。

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片岡:私達は社会の実験場としていろいろなことを試みて、その結果をオープンにし、業界貢献していきたいという思いが非常に強いんです。

そういう点で、日本の企業は、騙し合いではなく助け合いができる土壌があると思っているので、ビジネスをゲームチェンジしていきたい。企業カルチャーにムーブメントを起こし、業界に貢献していきたいですね。

久保: ありがとうございます。今、労働市場の人口が減ってきているなかで、みんなでオープンに助け合っていくことはとても重要だと思います。今日はありがとうございました。


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