400人以上のセールスフォースの従業員が、同社のNFT市場参入計画に抗議している。
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- 400人以上のセールスフォースの社員が、NFT参入計画に抗議する公開書簡に署名した。
- ビジネスソフトウェア大手の同社は、ユーザーがNFTを作成・販売できるプラットフォームを立ち上げる計画を発表していた。
- 書簡には、環境と経済への懸念が綴られている。
セールスフォース(Salesforce)の従業員が、同社のNFT市場参入計画に反発している。
トムソン・ロイター・ファンデーション・ニュースが最初に報じたところによると、400人以上の従業員が、環境と経済への懸念を理由に、抗議の公開書簡に署名したという。
セールスフォースは2022年2月上旬、ユーザーがNFT(非代替トークン)を作成・販売できるNFTクラウドサービスを立ち上げる計画を発表していた。
NFT市場は2021年に410億ドル(約4兆7000億円)に膨らんだ。しかし、NFTは二酸化炭素排出量と規制されていないことによるリスクの高さから広く懸念されている。新しい研究によると、NFTの炭素排出量を相殺するには、数百万本の木を植えなければならないという。
この書簡は、セールスフォースの共同CEOに宛てたもので、NFT市場が、信頼、顧客の成功、革新、平等、持続可能性という同社の5つのコアバリューを損ないかねないことを強調している。
「NFTの分野では、詐欺や不正行為が後を絶たない」と従業員たちは書いている。トムソン・ロイターによると、環境問題に言及し、NFTの金銭的利益の分配が不平等であるという調査結果も引用しているという。
書簡では、従業員の反発が「離職率の上昇につながる可能性がある」とも指摘されています。ある従業員はトムソン・ロイターに対して「NFT計画が実現したら辞める」と述べたという。
セールスフォースの従業員の中には、スーパーボウル中継でのCMで持続可能性へのコミットメントを大々的に強調するメッセージを発した矢先にこの計画が発表されたことにショックを受けたと、社内チャットで語った者もいたという。
しかし、セールスフォースが成長するNFT市場で顧客を導くのに役立つだろう、とこの計画を支持する声を上げている社員もいる。
セールスフォースは、従業員との「リスニング・セッション」を開催する予定だという。
「当社のコアバリューは、製品の開発だけでなく、我々のすべての行動を導くものだ。従業員のフィードバックを歓迎し、従業員が多様な視点を提起することを可能にする信頼の文化を育んでいることを誇りに思う」とセールスフォースの広報担当者はInsiderに語った。
[原文:Hundreds of Salesforce employees are rebelling against the software giant's NFT plans]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)