モトローラは「motorola edge+」および「motorola edge 30 pro」を発表した。
出典:モトローラ
モトローラは2月24日(現地時間)、2月28日からスペインで開催されるモバイル業界の大規模展示会「MWC Barcelona 2022」に先立って、新型スマートフォン「motorola edge+」と「motorola edge 30 pro」を発表した。
motorola edgeシリーズは同社のスマホの中でもフラグシップ機の1つに位置付けられ、今回発表の製品はクアルコム製最上位機種向けチップセットの最新版「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載する。
edge+は北米向けモデルの製品名で、今後数カ月以内に発売。通常価格は999.99ドル(約11万5000円)。
edge+のアジアを含むその他地域向けとも言える「edge 30 pro」について、モトローラ・モビリティー・ジャパンの広報は「近日中日本発売の予定あり」としている。
最新のハイエンドチップセットをいち早く搭載
edge+/edge 30 proはSnapdragon 8 Gen 1を搭載する。
出典:モトローラ
edge+の最大の特徴の「Snapdragon 8 Gen 1」は、2021年11月に発表。既に中国などでは一部製品が展開されており、今後ソニーやシャープなどでも搭載機種が発表される見通しだ。
性能アップの恩恵は、カメラなどの画像処理、バッテリー駆動時間、機械学習の処理スピード、画面描画速度に生かされている。
画面は6.7インチFHD+(1080×2400ドット)の有機EL。表現力高く動画を再生できるHDR10+に対応。描画速度(リフレッシュレート)は最大144Hz。販売地域によって異なるが、メモリーは12GB、ストレージは512GBとなっている。
OSは最新のAndroid 12を搭載しており、アプリやホーム画面をまとめてカスタマイズできる「My UX」(Matarial You)や、それぞれのアプリがどのぐらいカメラやマイク、位置情報にアクセスしたか確認できる「Privacy Dashboard」にも対応する。
edge+/edge 30 proは背面に3つのカメラセンサー(うち1つは深度センサー)を搭載する。
出典:モトローラ
カメラについては、背面に50MP(5000万画素)のメイン、50MP・114度超広角カメラ、深度センサー。正面には60MPのものを搭載。
50MPもの比較的高精度なセンサーを2つも搭載している点が特徴的だが、メインカメラでは「Omni-directional PDAF」と称した高速なオートフォーカス、超広角カメラでは広角さだけではなく2.5cmまで寄れる接写(マクロ)撮影をウリにしている。
PCのようにスマホが使える独自機能がWindows 11/10に対応
Windows 11と10に対応した「Ready For PC」。
出典:モトローラ
ここまでは比較的テクニカルな特徴で、かつスマホメーカー各社が凌ぎを削っている領域だ。
一方、モトローラがedge+で取り組んだもう1つの差別化ポイントは、ビジネスでの利用、特にテレワーク時代における多様な働き方への対応がある。
モトローラは以前から「Ready For」と呼ばれる、携帯電話を外部ディスプレイに接続した際に、PCのように使える機能を提供してきた。
edge+ではReady ForのPC連携を強化し、「Windows 10や11上でも、1つのウィンドウとして動作できるようになった」のがポイントだ。例えば、スマホに届いたSMSをPCから返信したり、スマホ専用のアプリをPCから操作できる。もちろん、写真などのファイルを簡単にPCに読みだすことも可能だ。
「Motorola Smart Stylus」
出典:モトローラ
また、純正のデジタルペン「Motorola Smart Stylus」も用意。4000段階の筆圧を検知でき、edge+で手書きメモや絵を描くことができる。
また、ジェスチャー操作にも対応しており、Ready For起動時のスクロールやクリック、ドラッグ&ドロップといった操作をペンを振る形で操作できる。
本体にペンを内蔵する機構はないが、純正のフォリオケースにはペンを格納するスペースがある(ペンとフォリオケースは地域によって、販売状況が異なる)。
最新機種の日本導入で存在感を示せるか
モトローラは日本でも精力的にスマートフォンを出し続けているメーカーではあり、2021年は折りたたみスマホ「motorola razr 5G」なども展開している。
ただ、razr 5Gはソフトバンクでの取り扱いがあったが、同社の主力はコストパフォーマンスの高いローからミドルレンジ機であり、そちらは大手キャリアでの取り扱い例もなく、大きなシェアを獲得するには至っていない。
いち早くSnapdragon 8 Gen 1搭載機を日本に導入することで、2022年は日本で存在感を示せるか注目だ。
(文・小林優多郎)