参加者は各ブースを訪問することができる。
Screen grab / Venu
- 人材紹介会社のHirectが、Y Combinatorに支援されたスタートアップを対象としたメタバース就職フェアを開催した。
- ロビー、展示エリア、講演会場などがあり、参加者は自由に行き来することができた。
- 技術的には不格好な印象だったが、人とコンタクトを取り、連絡するのは簡単だった。
神話の山の頂上にある仮想会議場で行われるメタバース採用フェアに参加しないかと言われたとき、正直言って少し懐疑的だった。
メタバースは、Meta(メタ、旧フェイスブック)が火をつけて以来、コンサートから会議、そして今や採用活動まで、あらゆるものの未来として宣伝されている。
私は、採用活動とは個人的なつながりを築くことだと考えているので、これをバーチャルで再現できるのかどうかは疑問だったが、結果的には、うれしい驚きがあった。
このイベント「Hired in the Metaverse:The New Frontier of Recruiting」 は、人材募集アプリのHirectと、イベントポータルをデザインした技術系スタートアップのVenuが主催した。
参加者は、VRで参加したい場合はOculus Quest 2のヘッドセット(Hirectがアメリカ国内の参加者には貸与した)を装着するが、ウェブブラウザからアクセスすることも可能だった。 私はヘッドセットをセットアップする時間がなかったので、ブラウザで参加した。
会場はなかなか立派なものだった
イベント会場のロビー。
Screen grab / Venu
ログインすると、ロビーにいることに気づいた。 会場に行くのに山を登る必要がなくてよかった。
Hirectは、技術系スタートアップのVenuと協力して、このイベント会場を作成した
ロビーから見た展示エリア。
Screen grab / Venu
参加者は階段を降りて出展者エリアにいける。会場内は自由に歩き回ることができた。
最初、アバターは無個性で不気味だと思った
アバターの頭上には名前とメールアドレスが表示されているので、簡単に連絡が取れる。
Screen grab / Venu
同じ服装のものが多く、口が動く以外、顔や身振りで意思表示できない。
時々、アバターが無造作に座っていることがあったが、潜在的な雇用主に好印象を与えることはできないだろう。
アバターはキーボードの方向キーで操作する。初期のビデオゲームをやっているような感覚だった。バーチャルリアリティほど没入感はなく、手でポーズをとることもできないが、それでもイベントに参加している感覚はあった。
Y Combinatorが支援するスタートアップ30社のリクルーターと200人の求職者が参加していた。ステージでの講演を見ることもできた
登壇者を見ようとアバターが集まっている。
Screen grab / Venu
フェアの前半は、講演会場でライブプレゼンテーションが行われた。ゲストがアバターでステージに登場し、パネルディスカッションやQ&Aセッションがあった。
観客席にいる間はミュートされるが、ステージ脇に並ぶと質問することができる。キーボードの「1」を押せば拍手もできる。
講演会場の様子。グラフィック設定を調整すればすべてのアバターが見えるようになる。
Screen grab / Venu
対面に近い形式だったが、かなり違和感があった。Zoomでのプレゼンの方がよかったかもしれない。
通常であれば、周囲の人とネットワークを作る絶好の機会なのだが、ここでは不可能なので、会場に立っている様子を再現しても、得るものがないように思う。
会場には、個別のチャット用の座席など、さまざまなエリアがあった。
Screen grab / Venu
私は講演会場を出て、Insiderの同僚でを見つけて、このイベントについて話し合った。
実際のイベントと同じように会場内を歩き回ることができる。
Screen grab / Venu
技術的にはかなり不便なもので、正しい方向を向かないと相手の言っていることが聞き取れない。でも、一度うまくいくと、ちゃんと会話ができるようになる。イベントが進むにつれて、親しみやすく、自然に感じられるようになっていった。
出展者ホールでの企業の展示は非常にインタラクティブだった
ビデオを見て、採用している企業の詳細を確認し、リンクをクリックして連絡を取ることができる。
Screen grab / Venu
展示の近くまで来るとビデオが流れ始めた。クリック可能なリンクから採用担当者に電子メールを送信したり、会社のウェブサイトにアクセスしたりすることもできる。
また、展示者のホールにいる誰にでも歩み寄り、直接話すように会話を始めることができる。
アバターはかなり不格好だった。
Screen grab / Venu
やり方を覚えると、人と接触するのはとても簡単だと感じた。 名前と電子メールアドレスが頭の上に表示されているので便利だった。彼らにメッセージを送りたければ、電子メールアドレスをクリックすればいい。
私はこれを気に入った
通常の就職説明会のように、人々に近づいて話を始めることができた。
Screen grab / Venu
全体として、メタバースは特定の文脈における採用プラットフォームとして非常にうまく機能すると思う。
Hirectのイベントは、スタートアップ企業やリモートでテック系の仕事を探している求職者を対象にしていた。不格好で奇妙な会話以外は、人と接触するのはとても簡単で自然だった。
他の業界や対面式の職種で、このようなイベントがうまくいくかどうかは分かならい。そして、目新しさが、私が楽しんだことに大きな役割を果たしたことは確かだ。
このような体験は初めてだった。これが就活の常識になったら(Hirectなどは、そうなる可能性があると言っている)、すぐに疲れて退屈してしまうのではないだろうか。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)