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知識が行動に結びつかない日本人。SDGs「知っているけど関心ない」15 〜39 歳意識調査で米中と格差

SDGs ishiki Japan China America United States reseach

企業のSDGsに対する取り組みや商品などに対しても、「何も思わない」という回答が目立った。

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」

「SDGs」という言葉を知っている日本人は多いが、自ら行動に移すほどには関心がない……。

調査会社アスマークが、日本・アメリカ・中国のZ世代、ミレニアル世代(15〜39歳)を対象に実施した意識調査で、SDGsに対する日本人の「行動力の欠如」が浮き彫りになった(詳細はリンクを参照)。

まずは、調査結果の概要をまとめた【図1】を見てほしい。

SDGs ishiki Japan China America United States

【図1】SDGsの認知と興味関心度は3カ国それぞれだが、日本人の関心の低さが目立つ。

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」

日本では、SDGsの認知率が高いものの、情報収集している人は少なく、SDGsに取り組む企業や関連商品への関心も低い。

一方、アメリカではSDGsという言葉自体は知られていないが、情報収集には積極的で、SDGsに取り組む企業や商品を「応援したい」と考える人が多い。

意識が最も高いのが中国だ。名称が浸透しているだけでなく、積極的に関わろうとする姿勢が強く、企業や商品にも敏感。それが商品の購入意欲にもつながっている。

具体的にはそれぞれどんな特徴があるのか。調査結果を詳しく見ていこう。

日本人と中国人は「知っている」

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【図2】SDGsを知っていますか?(1つ選択)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

SDGsについては「何となく知っている」「言葉を聞いたことはある」が多いとはいえ、日本と中国では9割以上の認知率だった。

「内容まで理解している」回答者を年代別で見ると、日本では10代が4割と最も高く、20代、30代が2割強。中国では、30代が過半を超え、20代が4割、10代が2割強だった。アメリカは両国に比べて相対的に認知度が低かった。

「受け身」の日本人

SDGs ishiki Japan China America United States

【図3】SDGsに関する情報を意識的に収集していますか?(1つ選択)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

アメリカと中国では、6割近い人が意識的に情報収集をしていた。中国では特に30代の積極性が目立つ。一方、日本人で情報収集しているのは3割と低く、両国に比べ「受け身」の姿勢であることが明らかになった。

日本人はジェンダー平等・貧困に関心

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【図4】SDGsの17の目標について、知っているものはどれですか?(複数選択可)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

17あるSDGsの目標のうち、日本で最も認知度が高かったのは「ジェンダー平等を実現しよう」。続いて「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」と、人の生活に関わる事柄に関心が高いことが分かった。

それに対して、中国の関心度トップは「住み続けられるまちづくりを」。2位が「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、3位が「安全な水とトイレを世界中に」と、社会基盤やシステムに対する関心が高かった。

SDGsという言葉と同じく、アメリカは両国に比べて相対的に低かったが、「知っているものはない」という回答率が最も高かったのは日本だった。

「協力できそうなことがない」日本人

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【図5】SDGs目標の中で、協力できそうだと思うことはどれですか?(複数選択可)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

具体的な行動に対する意欲はどうだろうか。

「SDGs目標の中で、協力できそうだと思うことはどれか」という項目では、アメリカの積極性が垣間見られた。トップは「すべての人に健康と福祉を」で3割超と、健康志向の高さがうかがわれる。「飢餓をゼロに」「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」も3割を超えた。

中国は「住み続けられるまちづくりを」がトップで、アメリカ・日本の約2倍。2位の「ジェンダー平等を実現しよう」はアメリカよりも高い結果となった。

一方、SDGsの17の目標の中で、協力できそうだと思うものが「ない」割合が最も高いのが日本。日本のトップは「つくる責任、つかう責任」だが、それでも中国より低いなど、日本人の「具体的な行動に移そうとする意欲」が相対的に低いことが明らかになった。

「実践していない」日本人

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【図6】協力できそうだと思うSDGs目標のうち、取り組めているのはどれですか?(複数選択可)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

SDGs目標の中で具体的に実践している項目は、3カ国とも「ジェンダー平等を実現しよう」が最も高かった。

だが、ここでも日本は「取り組めているものがない」割合が3割超と、アメリカ・中国と比べて圧倒的に多く、行動力のなさが浮き彫りになった。

企業のSDGsにも「無関心」

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【図7】SDGsの取り組みを推奨・実践している企業に対して、どんな印象を持ちますか?(複数選択可)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

衝撃的だったのが、企業のSDGsの取り組みに対する日本人の関心のなさだ。

「SDGsの取り組みを推奨・実践している企業に対する印象」について、「印象が良くなる」「応援したくなる」が3割を超えたものの、それと同じくらい「何も思わない」と答えた人がいた。

アメリカ・中国はいずれも1割未満。両国が「応援したくなる」「信頼できる」など、企業に対するポジティブな印象につながっているのに比べると、日本人の無関心さが際立つ。

SDGs商品にポジティブな中国人

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【図8】SDGsの取り組みがされている商品をどう思いますか?(1つ選択)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

SDGsに関連する商品に対しても、日本人の無関心さが際立った。特に20〜30代に顕著で、「何も思わない」との回答が4割を超えている。

それに対して、中国人は「応援したくなる」「人に勧めたくなる」「積極的に購入したい」がいずれも6割を超えるなど、ポジティブな受け止め方が大勢。アメリカは、日本と中国の中間というところだろうか。

米中で高い「エシカル消費」認知度

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【図9】エシカル消費を知っていますか?(1つ選択)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

障害者支援やフェアトレード、環境に配慮した商品など、社会的課題の解決につながる消費行動を指す「エシカル消費」。日本ではまだ馴染みのない言葉だが、今回の調査でも聞いたこともないという回答が過半数を占めた。

一方、アメリカと中国では広まっているようで、「内容まで理解している」「何となく知っている」「言葉を聞いたことはある」と答えた人は、アメリカは6割超。中国ではなんと9割を超える人が知っていた。

日本のエシカル意識は「男高女低」

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【図10】普段の生活でエシカル消費を意識していますか?(1つ選択)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

エシカル消費という言葉が浸透しているだけに、普段から実践を心がけている人は、中国では8割を超えた。

日本では女性より男性のほうがエシカル消費を意識していた。「毎日意識している」と答えた女性がごくわずかだった(約3%)のに対し、男性は約2割。中国とアメリカでは男女比がほぼ同等だったが、「時々意識している」も含めると、両国では「意識している」女性のほうが男性を上回った。

旺盛な中国人のエシカル購入意欲

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【図11】エシカル消費につながる商品・サービスを、購入したいと思いますか?(1つ選択)

出所:アスマーク「日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査」より筆者作成

SDGsと同様、エシカル消費につながる商品・サービスを購入したいという意欲が最もあるのは中国。日本も決して低くはないが、中国・アメリカと比べると慎重な傾向がうかがえた。

ちなみに、今回の調査では、親世代のSDGsに関する意識についても(子どもに)聞いている。それによると、アメリカは約6割、中国では約5割の人が「親の意識が高い」と回答。日本人は2割にも満たなかった。親の意識や習慣が子どもに影響することを考えれば、今回の調査対象でもあるZ・ミレニアル世代の「行動力」は、日本の将来に大きなインパクトを与えそうだ。

(文・湯田陽子

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