ロシア経済制裁の不安定期に際立つ「圧倒的な経営効率」34銘柄。ウーバー、クアルコム…モルスタ最新分析

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2022年の株価低迷を事前に予測していた米金融大手モルガン・スタンレーは、ロシアのウクライナ軍事侵攻で世界の市場環境がますます厳しくなるなか、高いパフォーマンスを発揮する厳選銘柄を顧客向けに推奨している。

REUTERS/Brendan McDermid

米金融大手モルガン・スタンレー米国株チーフストラテジスト兼最高投資責任者(CIO)のマイケル・ウィルソンは2021年末、3年連続で好調を維持した株式市場がついに下落するとのきわめて大胆な予測を発表。S&P500種株価指数の2022年末目標を、他の金融大手の予測値に比べて圧倒的に低い「4400」としている。

2022年はまだ始まって2カ月少々だが、現時点で言えば、ウィルソンの予測は的中ということになる。2月末のS&P500種株価指数は「4374」だった。

ウィルソンは(昨年末に予測した)2022年末目標だけでなく、新年早々にも新たに予測を的中させている。

1月前半に大幅下落を記録した株式市場が、月末には早くも持ちなおすとの(同業他社の)予測について、ウィルソンは疑わしいとの見方を提示していた。

案の定、S&P500種株価指数は年明け1月3日につけた史上最高値を更新するどころか、同27日に1月の最安値を記録する結果となった。翌2月には、1月の最安値を一時下回っている。

図表1

【図表1】ロシアのウクライナ軍事侵攻は2022年2月、S&P500種株価指数に1月最安値を下回るインパクトをもたらした。

Morgan Stanley

ウィルソンは最近の顧客向けレポート(2月28日付)で、投資家はいま、ロシアとウクライナの紛争激化、金利上昇に伴う(将来得られる利益の現在価値の低下による)株価バリュエーションの縮小、モルガン・スタンレー分析に見られるような企業収益の伸びの鈍化など、通常より相当に複雑な市場環境に直面していると指摘する。

ロシアは数カ月前からウクライナ侵攻の気配を見せていたものの、プーチン政権が本当にそれを決断したときには、同国の議員たちもさすがに衝撃を隠せなかった。

ウィルソンはロシアの軍事侵攻こそ予想していなかったものの、それ以外に株式市場をおびやかす2つのリスクを数カ月前には見抜いていた。

ウィルソンは2021年秋の顧客向けレポート(9月20日付)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が経済状況の急回復を受けてコロナ復興のための景気刺激策を迅速に終了せねばならなくなる「火」のシナリオと、企業業績の伸びが予想より早く鈍化する「氷」のシナリオを挙げている。

半年後、「火」のシナリオが現実のものとなった。

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