テスラのモデル3。
Tesla
- テスラは、航続距離の記録を伸ばそうとはしていない。
- 「99.9%の時間で、不要なバッテリーを積んでいることになる」と、イーロン・マスクCEOはツイッターに投稿した。
- その結果、多くのドライバーが使わない航続距離のためにパフォーマンスが落ちると、イーロン・マスクは主張している。
1回の充電で電気自動車が走行できる距離は過去10年でかなり改善され、満タンにしたガソリン車が走る距離に近づいてきた。
テスラ(Tesla)は、フル充電での航続距離に関してはEV業界の平均を上回っているが、ガソリン車にはまだ遅れをとっており、追いつくことはなさそうだ。
だが、テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOによると、それは意図したことだという。
「我々は12カ月前に航続距離600マイル(約965km)のモデルSを製造できたが、それはよい製品にはならなかっただろう」と、マスクはツイートした。
「走行時間の99.9%で不要なバッテリーを積んでいることになり、加速、ハンドリング、効率が悪くなる」と彼は付け加えている。
「現在のテスラの航続距離400マイル(約643km)でさえ、ほとんどの人が使うには長い」
EVニュースブログ、ホール・マーズ・カタログ(Whole Mars Catalog)はテスラが航続距離500マイル(約804km)のEVを大量生産する初のメーカーになるだろうと予測していたが、実際にはルーシッド・モーターズ(Lucid Motors)が2021年9月にAir Dreamで航続距離500マイルを達成した。マスクのコメントはその予測に対しての回答でもある。
「大半の消費者にとって、250マイル(約402km)から300マイル(約482km)がスイートスポットだ。そのような航続距離の車なら、毎日の運転や週末の運転をすべて賄うことができるだろう」とコンシューマー・レポート(Consumer Report)のシニア・ポリシー・アナリストのクリス・ハート(Chris Harto )はInsiderに語った。
ポッドキャスターのジョー・ローガン(Joe Rogan)による2021年のインタビューで、マスクはなぜ自動車メーカーが航続距離2000マイル(約3218km)の大型ガソリンタンクを搭載しないのかに言及した。
「人々はそれほどたくさんの燃料を積むことに意味がないことを知っている。自慢できることかもしれないが、すぐに飽きられてしまう」とマスクは述べた。
もしジョー・バイデン大統領が計画通りに全米に50万カ所の充電スポットを設置したら、EVの航続距離はドライバーにとって問題ではなくなるだろう。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)