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- ビクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)がブランディングを変えた時にクレームを付けたのは、ほとんどが男性だったと同社のCEOが明かした。
- ビクトリアズ・シークレットは店頭から性的にきわどい広告を排除し、"エンジェル"を廃止し、ショーの開催を取りやめた。
- ビクトリアズ・シークレットには男性客たちから、同社がブランドを「毀損している」と主張するメールが寄せられたという。
ビクトリアズ・シークレットは、そのブランドイメージを大幅にトーンダウンさせてきた。
同社は店頭から露出度の高いモデルたちの写真を排除し、毎年恒例だった"エンジェル"と呼ばれるモデルたちが下着姿でランウェイを歩くショーの開催を取りやめた。
着心地の良さとあらゆる人を受け入れようとする姿勢を重視した同社の新たなブランディングは、今のところ顧客の共感を呼んでいるようだ。売り上げの減少が何年も続いた後、ビクトリアズ・シークレットは再びプラス成長を記録し、投資家もブランドのポジショニングにより自信を持っているようだ。
ただ、このブランド再生に全ての人が満足しているわけではない。
ビクトリアズ・シークレットのCEOマーティン・ウォーターズ(Martin Waters)氏は3月3日の投資家向けの電話会議で、ブランド再生によって離れていった顧客はいなかったかとアナリストから尋ねられた。
そして、顧客からの不満を訴えるメールが増えたとウォーターズ氏は答えた。
「わたしたちのポジショニングについて最初に発表した際、『これはひどい。(ブランドの)値打ちを下げるものだ。わたしたちのブランドを毀損している。以前の感じが好きだったのに、どうして変えるのか?』というメールが大量に寄せられました」とウォーターズ氏は語った。
ただ、詳しく分析していくと、こうしたフィードバックの大半は一番の得意客やポイントカード会員から寄せられたものではないことが分かったと、ウォーターズ氏は明かした。
むしろ「主に男性から寄せられたものでした」と同氏は話した。
その一方で、女性客のブランド再生に対する反応は今のところ良いという。また、ウォーターズ氏によると、ビクトリアズ・シークレットはセクシーなイメージやランジェリーを全て捨てたわけではない。
「今でも刺激的な商品は売っています」とウォーターズ氏は言い、バレンタイン向けのコレクションは「気後れすることなくセクシー」なものだと付け加えた。
「わたしたちにとって、これはバランスの問題です」とウォーターズ氏は語った。
「ただただセクシーというより、女性の生活のあらゆる側面を支持しているのです」
(翻訳、編集:山口佳美)