【更新】「ザポロジエ原発をロシア軍が占拠」とウクライナ当局 IAEA「放射線量に変化なし」

ザポロジエ原子力発電所の監視カメラ映像(2022年3月4日、ソーシャルメディアから取得した映像のスクリーンショット)

ザポロジエ原子力発電所の監視カメラ映像(2022年3月4日、ソーシャルメディアから取得した映像のスクリーンショット)

Zaporizhzhya NPP via YouTube/via REUTERS

【UPDATE(2022/03/04 21:18)】

ロシア軍がウクライナのザポロジエ原子力発電所を占拠したとウクライナ当局が発表した。

ザポロジエ当局幹部は、原発施設職員の言葉を引用し、ロシア軍が原発を奪取したが「核の安全は保証された」と述べたとInsider USは伝えている。

ウクライナ原子力規制当局は、職員が今も原発の安全を守るために働いていると述べた。放射線量に変化はないと報告したが、変化する可能性はあると警告した。IAEAのグロッシ事務局長は3月4日の声明で放射線量に変化はないと述べた。


【UPDATE】ウクライナ非常事態庁は3月4日、ザポロジエ原子力発電所での火災について、鎮火したと発表した。火災があったのは5階建ての訓練棟。調査の結果、3階・4階・5階の部屋が燃えたことがわかったという。火災による死者はなく、原子力発電所の火災制御状態も問題ないとしている。ロイター通信は「原発の敷地の外にある訓練用建物」だったと伝えた。(2022/03/04 14:22)

ロイター通信は3月4日、ウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模の原発「ザポロジエ(ザポリージャ)原子力発電所」の施設で火災が発生したと伝えた。AP通信は「ロシア軍が原子力発電所を砲撃」と伝えた。現時点で詳細は不明。

ロイター通信は、同原発に近いエネルゴダールの首長が「ロシア軍の攻撃により火災が発生している」とSNSでの投稿で明らかにしたと伝えた。一方でロイター通信は「火災の潜在的な深刻さを含め、情報をすぐに確認できなかった」とした。

ウクライナのクレバ外相も火災が発生しているとTwitterで報告した。

クレバ外相は「爆発すればチョルノーブィリ(チェルノブイリ)の10倍の規模になる」と危機感を示し、ロシア軍に対して即座の消火や消防士の立ち入り、安全地帯の設置を求めた。

ザポロジエ原発をめぐっては、ロシア国防省が2月28日に制圧・掌握したと発表。ただ、ウクライナ側はロシア軍の制圧を否定していた。

ロシア軍がウクライナ侵攻後の2月24日にチョルノーブィリ(チェルノブイリ)原発を制圧している。

IAEAのグロッシ事務局長はザポロジエ原子力発電所の状況について「原子炉が攻撃されれば深刻な危険がある」と警告。武力行使の停止を訴えた

ザポロジエ原子力発電所(2014年)

ザポロジエ原子力発電所(2014年)

REUTERS/Stringer


ウクライナ当局「放射線量に変化なしと報告」とIAEA発表

IAEAは、ウクライナ当局から原子力発電所敷地内の放射線量に変化なしとの報告を受けたと発表した。

ザポロジエ原発周辺のモニタリングデータ

ザポロジエ原発周辺のモニタリングデータ

npp.zp.ua/en/safety/arms


ウクライナ当局が「火災は『安全管理上の重要な設備』に影響なしと報告」とIAEA

IAEAはウクライナ当局から、ザポロジエ原発での火災は「安全管理上の重要な設備」に影響を与えておらず、発電所職員が対応中との報告があったと発表した。

(文・吉川慧)

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