出典:アップル
アップルは3月9日未明、オンラインの新製品発表イベントのなかで、噂されていた新型の第3世代にあたる「iPhone SE」など4製品と、iPhoneの新たなカラーバリエーションとしてアルパイングリーンを発表した。
発表会全体のポイント解説はこちら。
撮影:Business Insider Japan
iPhone SEの従来モデルである第2世代が登場したのは2020年4月。
そこから2年が経ち、新型iPhone SEは、最上位のiPhone 13シリーズと同じ高性能半導体(A15 Bionic)を搭載してきたことが目を引く。価格は5万7800円から。注目の性能について解説してみよう。
「一番安価なiPhone」でも性能はProと同じ
出典:アップル
第3世代のiPhone SEは、過去最もコストパフォーマンスに優れたiPhoneになりそうだ。
外観こそ、従来の第2世代とほとんど変わらないが(指紋認証のTouch IDもそのままだ)、性能と価格は見るべき部分が多い
Business Insider Japan
- 心臓部の半導体にはiPhone 13 Proと共通の「A15 Bionic」
- 5G通信のサポート
- 背面カメラはシングルレンズ、1200万画素(広角)。背景ボケ撮影対応
- 正面カメラは700万画素。背景ボケ撮影対応
- 4.7インチのRetina HDディスプレイ(1334x750ドット、高色域P3対応)
- ストレージは64GB、128GB、256GB
- 重量 144g
- 防沫性能、耐水性能、防塵性能は、最大水深1メートル/最大30分間(IP67等級)
- 価格は5万7800円、6万3800円、7万6800円(税込)
端的にまとめると最上位級の処理性能、5G対応で価格が非常に手ごろ、ということに尽きる。
マスク必須の時代にはむしろ復活を望む声もある指紋認証Touch IDを搭載する唯一のiPhoneシリーズでもある。
出典:アップル
第2世代iPhone SE(いわゆるSE2)から、半導体が2世代性能アップしたことが最も「効く」のは、ゲームアプリを中心とした快適性だ。
iPhone 13 Proと性能が同水準になることは、価格面からターゲットユーザーの1つと考えられるZ世代向けにも人気の端末となりうる。
廉価モデルということでカメラはシングルレンズだが、A15 Bionicの性能を生かした機械学習による高画質化機能(Deep Fusion)や、写真の明暗差を補正して「失敗写真」を減らすスマートHDR4などは利用できる。
旧「iPhone SE2」との違いは?
Business Insider Japan
スペック上の値を比較をすると一目瞭然だが、少なくとも表記面ではカメラ性能などに違いはない。
カメラセンサーが共通かは不明ながら、公式ページにあるSE2との性能比較を見ても、カメラに関する記述は一切ない。本体サイズも、重量が4g軽くなった以外は完全に共通だ。
つまり、SE2との比較で言えば「チップを2年分の進化(A13→A15)させ」、国内に限って言えば「価格を最新のレートに合わせて8000円アップした」、新型の最廉価モデルということになる。
なお、アメリカ国内での価格からアップル社内での日本円レートに換算すると、第3世代iPhone SEが429ドルなので122円程度(消費税別)という計算だ。
(文・伊藤有)