アップルは「iPad Air(第5世代)」を発表した。
出典:アップル
アップルは3月8日(現地時間)、新型タブレット「iPad Air(第5世代)」を発表した。
直販サイトでの予約開始は3月11日午後10時から、発売日は3月18日(いずれも日本時間)。直販価格(税込)は以下の通りだ。
- iPad Air(第5世代)64GB/Wi-Fiモデル……7万4800円
- iPad Air(第5世代)256GB/Wi-Fiモデル……9万2800円
- iPad Air(第5世代)64GB/Wi-Fi+Cellularモデル……9万2800円
- iPad Air(第5世代)256GB/Wi-Fi+Cellularモデル……11万800円
発表会全体の解説はこちら。
撮影:Business Insider Japan
Apple M1+「ウェブ会議に便利なカメラ」搭載
iPad Air(第5世代)の概要。カラーバリエーションは、スペースグレイ、スターライト、ピンク、パープル、ブルーの5色。
出典:アップル
iPad Air(第5世代)の最大の特徴は心臓部であるチップセットだ。昨今のMacやiPadの最上位モデルである「iPad Pro」と同等の「Apple M1」チップを搭載する。
アップルによると、第5世代Airは第4世代Air(2020年10月発売)と比較して、処理性能は最大60%高速化、グラフィックス性能は最大2倍の速度に向上しているという。
性能向上の恩恵は、「Adobe Lightroom」での写真加工や3Dグラフィックを多用したゲーム、「iMovie」を使った映像編集といったクリエイティブ作業などに生かされる。
10.9インチ2360×1640ドット解像度のLiquid Retinaディスプレイ、外部カメラなどとも繋ぎやすいUSB Type-Cポート、側面ボタンの指紋認証「Touch ID」、第2世代Apple Pencil対応などの部分は、第4世代Airから引き継がれている。
センターフレームは複数人がカメラの前に集まっても自動的に画角を調整してくれる。
出典:アップル
チップセット以外で異なる点としては、正面カメラがあげられる。
正面カメラは第4世代Airが7MPのFaceTime HDカメラだったのに対し、第5世代Airは12MPの超広角フロントカメラを搭載。最新のiPad Proやminiでも採用された、被写体を自動的に画角に収める「センターフレーム」(アメリカではCenter Stageと呼称)も利用可能になった。
違いの少ない11インチiPad Proとの違いは画面やAR機能
情報はアップル公式サイトより抜粋。
作成:Business Insider Japan
iPad Air(第5世代)は、前世代機と比べると、チップセット変更による処理能力の向上と正面カメラの性能向上がメインのアップデートとなっており、堅実的な進化という印象だ。
ただ、一方で同様のサイズ感で、同じチップセットの上位機種「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年5月発売)とはどう違うのか気になってくる。
スペック上で第5世代Airと比較して、iPad Pro 11インチの優位点としては
- ストレージが128GB〜2TBで選べる
- 背面カメラが広角+超広角の2眼構成+LiDARスキャナ搭載(Airは1眼)
- 生体認証が「Face ID」(顔認証)
- ディスプレイの描画速度が最大120Hz
- スピーカーが4つ(Airは2つ)
- コネクターがThunderbolt 3/USB 4仕様
が挙げられる。
iPad ProのカメラはiPad Airとは大きく異なる。
出典:アップル
iPad Proは最小構成でも直販価格9万4800円(税込、128GB/Wi-Fiモデル)。同じWi-Fiモデルで比べるならば、Airであれば容量も2倍で2000円安い価格で購入できることを考えると、第5世代Airのコストパフォーマンスは光る。
当分は、より高度なARなどの開発に使うためにLiDARスキャナ、よりリッチなゲームやクリエイティブな作業のために最大120Hz駆動のディスプレイが必須ということならば「11インチiPad Pro(第3世代)」。そうでないならお買い得な「iPad Air(第5世代)」という住み分けになりそうだ。
(文・小林優多郎)