ユニクロを展開するファーストリテイリングはロシア事業の一時停止を発表した(写真は2017年3月撮影)。
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ファーストリテイリングは3月10日、ロシアでのユニクロ事業を一時停止すると発表した。
ブルームバーグによると、ファーストリテイリングは3月7日時点では「衣料は生活必需品だ」として、ロシアでの事業を継続する方針を示していた。これに対し、SNSや海外メディアなどでは批判の声も出ていた。
以下は、ファーストリテイリングのリリース本文。
ファーストリテイリングは、ユニクロのロシア事業の一時停止を決定したことをお知らせします。
ファーストリテイリングはあらゆる戦争に強く反対します。私たちは、人々の人権を侵害し、平穏な生活を脅かすいかなる攻撃をも非難します。
私たちの使命は、一般の人々に日常着を提供することです。衣料の提供を通して、人々の生活に貢献することが、私たちの責務であると考えています。そのため、各国・地域で衣料品の販売だけでなく、過去20年間にわたって、紛争や自然災害の影響を受けた人々を含め、世界中で必要とする人々に服を届けてきました。このような考えに基づき、先週には、長年のパートナーである国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて、人道支援のため1,000万米ドルの寄付と衣料20万点の提供を発表しました。さらにヨーロッパでは、従業員有志が、ウクライナから近隣諸国に避難した人々に、衣料を直接届ける活動を始めています。
ロシアにおいても、私たちの使命の一環として、これまでユニクロの日常着を一般の人々に提供してきました。しかしながら、現在の紛争を取り巻く状況の変化や営業を継続する上でのさまざまな困難から、事業を一時停止する判断にいたったものです。
私たちは戦火に遭われている方々に心を寄せ、最大限の支援を続けていきたいと考えています。困難な状況に置かれた多くの人々が、一日も早く、平和で安定した生活を取り戻されることを切に願っております。
(文、撮影・小林優多郎)