LimeWireは、2010年にピアツーピアのファイル共有サイトとしての業務を停止した。
LimeWire
- LimeWireは、10数年前にピアツーピアのファイル共有プラットフォームとしての業務を停止したが、NFTマーケットプレイスとして蘇る。
- NFTマーケットプレイスの運営は5月に開始され、現在は参加予約の受付中だ。
- ブルームバーグによると、オーストリア人の起業家兄弟が廃業したLimeWireの事業の権利を購入した。
LimeWireが音楽その他のデジタル・エンターテインメントのファイル共有プラットフォームとしての事業を閉鎖してから10年以上経過した。今はNFTのマーケットプレイスとして再出発する準備を進めている。
同社は2022年3月9日 、5月に稼働するNFTマーケットプレイスへの参加希望者向けにウェイティングリストを設けたと発表した。このサイトでは、以前の事業でも扱っていた音楽関連の資産の売買が可能となる。
LimeWireは2010年、アメリカ連邦地方裁判所が発した同社の音楽ファイル共有を禁じる恒久的な差し止め命令を受けて事業を停止した。この命令は、2006年に全米レコード協会(RIAA)が起こした著作権侵害の訴訟によるものだ。
LimeWireは3月9日、音楽業界の主要アーティストとの提携を通じて、初年度で100万人のユーザーをNFTプラットフォームに呼び込むことを目指すと発表した。
「LimeWireは、ストリーミング・プラットフォームに代わるものとしてではなく、アーティストが独占的に音楽やアートをコレクターに直接販売するための新たなチャネルとして再出発するということに注目してほしい。当社はまた、アーティストがコアなファンのコミュニティとつながり、関わるためのユニークな方法を提供する」とLimeWireの共同CEO、ジュリアン・ツェートマイアー(Julian Zehetmayr)は声明の中で述べている。ブルームバーグによると、オーストリアの起業家であるジュリアンとその弟のポール(Paul)がLimeWireの権利を購入したという。
同社は、初期登録は「NFT初心者でも簡単」だとしており、未発表のデモやグラフィックアート作品などのアイテムは米ドルで価格設定され、暗号通貨ウォレットでの支払いを必須条件とすることはない予定であると付け加えている。ユーザーは決済プラットフォームのWyreを通じて、クレジットカード、銀行振り込みなどで法定通貨によってアイテムを購入できる。
ジュリアンがブルームバーグに語ったところによると、約10名の「大物」 アーティストがLimeWireの一員となることにサインしたという。また、ラップグループのウータン・クランやR&Bシンガー・H.E.R.のマネジメントチームのメンバーがアドバイザーとしてLimeWireの取締役会に参加すると報じられた。
(編集:Toshihiko Inoue)