2022年2月13日、スーパーボウルLVIに出演したエミネム。
Keith Birmingham/MediaNews Group/Pasadena Star-News via Getty Images
- NFTというと、退屈そうな表情をした猿のイラストを思い浮かべる人が多いだろう。
- しかし、所有権を表すことができるこのデジタル・トークンは、現実の世界でも使えるものだ。
- それは、不動産の権利書、パスポート、コンサートのチケットなどだ。
最近はNFTの話題を避けて通ることはできないようになってきた。
NFT(non-fungible token:非代替性トークン)とはブロックチェーン上に保存されたデジタル・トークンで、美術品などの所有権を示すことができる。
一般的には、売上高が10億ドルを超えたBored Ape Yacht Clubや、記録的な落札価格になった美術品オークション、著名人がNFTやWeb3のお祭り騒ぎに飛びついたといったニュースで目にすることが多いだろう。
しかし、実際には(あまり面白みはないものの)実用的な使い道もある。
ここではそのいくつかを紹介しよう。
契約書や不動産の権利書がNFTになるかも
家の権利書がNFTになるかもしれない。
Ted Shaffrey/AP Photo
スマート・コントラクトは、従来の契約に代わってブロックチェーン上に安全に構築されるデジタルな法的拘束力だと考えることができる。証明書や大学の学位など、人が何かを所有したり達成したりしたことを示すことができる。
そしてこれは新居の権利書など、不動産にも利用できる。関係者全員が同じ場所でやり取りすることで、退屈な住宅購入プロセスを迅速化できるだろう。
コンサートやスポーツの観戦チケットにも
2022年2月13日、スーパーボウルのハーフタイムショーでパフォーマンスを披露するエミネム。
Kevin C. Cox/Getty Images
NFTをコンサートチケットとして使用すれば、発行されたチケットは購入者に確実に帰属するため、偽造を防ぐことができる。
NFLは2022年のスーパーボウルでこのような取り組みを行い、実際のチケットに付属する「デジタル記念品」としてNFTを無料で配布し、そこに固有の座席番号も表示した。Coindeskが指摘するように、これらのNFTは古いビートルズのコンサートチケットの半券のように、時とともに記念品としての価値が上がる可能性がある。
また、そのNFTをスマートフォンで表示して、会場で飲食物を購入するという運用も可能だ。
NFTパスポートは旅行を変えるかもしれない
2021年、マイアミ国際空港で。
AP Photo/Marta Lavandier
航空会社や空港がNFTパスポートを採用することになれば、あなたの個人情報等はブロックチェーン上に安全に保存されることになる。
また、パスポートだけでなく、搭乗券から、旅行先でのショーや地元のアトラクションのチケットまで、紙に印刷されていたあらゆる書類がブロックチェーン上で安全にNFTとして構築される可能性がある。
これは理論上、セキュリティを大幅に強化することになる。個人情報の盗難を減らすことができ、空港職員がブロックチェーン上で簡単にNFT文書を確認できるからだ。
健康の記録も
2021年3月29日に2回目のCOVID-19ワクチンを接種する女性。
Sergio Flores/Getty Images
病歴、予防接種歴、処方箋のすべてがブロックチェーン上のNFTとして存在すれば、担当医師が変わっても簡単にアクセスできるようになるだろう。
イベントやビジネスに関連して、ワクチンの接種状況をスムーズに確認できる方法として、NFTによるCOVID-19ワクチン・パスポートの作成が検討されているのには理由がある。
一部の地域では、それを実行に移している。イタリアと国境を接する小国サンマリノは、2021年7月に国民のワクチン・パスポートを作成する法案を可決した。このデジタル・トークンは、デジタルトークンはQRコードを利用し、VeChainのブロックチェーン台帳を使って、所有者のワクチン接種状況を確認するものだ。
[原文:4 ways we could actually use NFTs in the real world that don't involve cartoons of bored apes]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)