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- NFLの伝説的クオーターバック、トム・ブレイディは、自身が長きにわたり第一線で活躍している理由として、代替医療とストイックな生活スタイルを挙げている。
- ブレイディは、プロ・アスリートの中でも屈指の、厳格な健康管理のルーティーンを守っている
- ブレイディは2022年2月に引退を表明したものの、それからわずか40日後の3月13日に引退を撤回。来シーズンもプレーする意向を示した。
1. 毎晩8時半にはベッドに入り、9時間の睡眠時間を確保
アンダーアーマー製スリープウェアの広告に登場したトム・ブレイディ。ベッドに横たわり、眠るポーズをとっている。
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ブレイディの1日は通常、日が昇る前にスタートする。特に、ニューイングランド・ペイトリオッツでプレーしていた時代のシーズン中は、夜明け前に起きることが当たり前になっていた。
ブレイディは、毎朝5時半に起きる。これは、必要な食事をとり、朝のエクササイズに励む時間を確保するためだ。その日のメインの日課に取り掛かるのは、これらをすべて終えた後だ。
彼の生活リズムの中で、睡眠はとても重要な要素だ。ブレイディは、2017年に出版した著書『The TB12 Method』の中で、その詳細を綴っている。毎晩少なくとも9時間は眠ることを目標としており、そのため夜は8時半にはベッドに入る。これによって十分な休養をとり、毎朝決まった時間に目覚めることができるという。
2. 毎日、朝一番に、36グラムのタンパク質を含むスムージーを飲む
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現役最後になるはずだった2021シーズンに、ブレイディは、朝食に飲んでいるお気に入りのスムージーのレシピを披露した。これには、大半の人の夕食よりも多くのタンパク質が含まれている。
レシピによると、このスムージーには、アーモンドバターや生のクルミ、さらにはカップ1杯分のホエイ・プロテインが含まれている。
3. 毎日8リットル以上の水を飲む
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ブレイディは以前、フォーブスの取材に対し、カップ37杯分を目安に毎日水を飲んでいると語っていた。これは、2.3ガロン(約8.7リットル)に相当する量だ。
アメリカの学術機関、全米アカデミーズ(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、1日に摂取すべき水分の量について、成人男性は125オンス(約3.7リットル)、成人女性は91オンス(約2.7リットル)という目安を示している。ただし、その人の身体活動量やタンパク質摂取量のレベルによっては、より多くの水分をとる必要が生じることもある。
高タンパク質の食事を摂取する、現役NFLプレーヤーのブレイディの場合は、脱水症状を防ぐために、これだけ大量の水が必要になると、アメリカスポーツ医学会(American College of Sports Medicine)は指摘している。
4. 組織の柔軟性を維持するための施術を毎日必ず(多い時は1日2回)受ける
ベテラントレーナーのアレックス・ゲレーロから、日課のマッサージを受けるブレイディ(2018年公開のドキュメンタリー『Tom vs. Time』の1シーン)。
Tom vs Time / Facebook
ブレイディは、ベテラントレーナーのアレックス・ゲレーロと初めてタッグを組んだ2005年、ゲレーロから体の組織の柔軟性が大切であることを学んだ。WebMDによると、組織の柔軟性とは、筋肉回復力の度合いを表現する用語だ。これが高いと、筋肉をより効率的に動かせるようになり、筋肉へのダメージも避けられるという。
ゲレーロはNBCスポーツに対して、手技療法のテクニックを使ってブレイディの組織の柔軟性を高めていると解説している。具体的には、フォームローラーを使った柔軟運動やマッサージ、ストレッチなどで、これを少なくとも毎日1回、多くの日は1日2回行っているとのことだ。
5. 特定のカテゴリーの食品は、まったく口にしない。具体的には、乳製品、砂糖、グルテン、精製された炭水化物、カフェイン、加工肉などだ
ピザには、実にさまざまな種類がある。ニューヨーク・スタイルやディープ・ディッシュ(シカゴ風)ピザなど、好みは人それぞれだ。
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ブレイディは、炎症を引き起こすことで知られる食物を避けている。WebMDによれば、炎症には、ケガや臓器にダメージを与えるリスクを高める悪影響があるという。
自らに課したこのルールを守るうえで最もつらいことのひとつは、特に休暇の時期に、家族とともにする特別な食事の機会を逃してしまうことだと、ブレイディはシリウスXMのポッドキャスト「Let's GO!」で明かしている。
6. 野菜や果物でも、避けるものがある。具体的には、イチゴやトマト、ナスなどだ
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ブレイディは、ナス科に属するあらゆる植物を口にしない。ナス科の植物の仲間には、トマト、ナス、ジャガイモ、トウガラシなどがある。これらの作物は、人間の健康に悪い影響を与える可能性のあるアルカロイドを含んでいるとWebMDは解説している。
7. 食事の8割はビーガンで、残り2割はオーガニックな動物性タンパク質を摂る
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ブレイディの食生活の基本となる食事は、80%を野菜や穀類などの植物由来の食品、残りの20%を天然物の魚や平飼いの鶏肉といった、オーガニックで低脂肪の動物性タンパク源が占めている。
こうした食事法をとることで、内臓の状態改善、炎症の抑制、一部の疾病のリスク軽減など、ビーガンの食生活がもたらす健康への利点を享受できるという。同時に、動物性のタンパク源を適量食べることで、低脂肪のタンパク質を安定的に摂取できる。
8. とっておきのデザートにはダークチョコレートを選ぶ
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自身の食事に関するルールの枠内で、というただし書きはつくものの、ブレイディも時に自分を甘やかす方法を見つけている。試合がある日には、夕食後に、自分へのご褒美としてデザートに少量のチョコレートを楽しむことにしているのだ。だが、これはカカオ成分100%のものでなくてはならない。
ダークチョコレートには、健康にプラスの作用があるとされている。このタイプのチョコレートは、フラボノールが豊富なカカオ豆の含有率が高い。フラボノールには、炎症抑制やコレステロール値の低下、さらには体全体の血流を良くする効果があるとされている。
[原文:8 diet and lifestyle rules Tom Brady follows to stay healthy and dominate the NFL]
(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)