テスラ「非公表」の国内販売台数が“国交省資料”から判明…計1万1000台強、大衆向け「モデル3」が7割占める

tesla_model_hakone3-3

モデル3の国内導入直前にプレス向けに用意された試乗車。

撮影:伊藤有

日本向けの出荷状況をこれまで詳細には明かしてこなかったEVメーカー大手テスラ。

その非公表の国内販売台数などの情報が、3月14日に国土交通省が発表したテスラ車両の「改善対策届出」資料によって明らかになった。2014年の国内導入開始以来、販売台数は約1万1000台以上にのぼり、各モデルの構成比なども詳細にわかる。

国交省資料で浮上する「日本のテスラの売れ行き事情」

今回、改善対策の対象となったのは、2014年7月7日〜2022年1月26日に日本に輸入されたモデル3、S、Xの3車種(18型式)、合計1万1425台だ。

日本に輸入される自動車の台数については、日本自動車輸入組合が毎月速報値を公表している。ただし、テスラに関しては「others(その他)」に含まれており、いったい日本で何台販売されているのか、さまざまな憶測を呼んでいた。

今回公表した台数について、国交省は、上記の期間にテスラ・ジャパンが輸入した全車両に相当すると、Business Insider Japanに語った。加えて、テスラが日本で納車を開始したのが2014年9月であることを踏まえると、発売開始以来、日本で販売されたテスラ車の台数にほぼ近い数値と見られる。

tesla sales model3 modelS modelX

【図1】改善対象となったテスラ・ジャパンの日本への輸入台数(2014年7月7日〜2022年1月26日)。テスラがこれまでに日本で何台販売してきたのか、おおよその台数が分かる。

出所:国土交通省

【図1】は、今回改善対象となったモデル別・型式別の輸入台数だ。

3車種のうち、台数が最も多いのは、テスラ車のなかで最もリーズナブルな大衆向けシリーズ「モデル3」。計8278台と、全体の約72%を占める。首都圏ではこの2年ほどでモデル3とすれ違うシーンが増えてきたが、それが実際の数値にも現れた格好だ。

tesla CEO Elon Musk

テスラのイーロン・マスクCEO。アメリカで今最も人気が高いのが、日本未発売のクーペタイプの大衆向けSUV「モデルY」。今年中には日本でも発売されるのではないかと見られているが……。

Patrick Pleul / REUTERS

次に多いのが、テスラ車の中で最もグレードの高い最高級セダンシリーズ「モデルS」(発売時期やモデルによって異なるが、価格はおおむね1000万円以上)で、約16%の計1826台。3番目は、後部座席ドアが上下に開閉する「ファルコンウィング」が特徴的な、7人乗りの大型SUVシリーズ「モデルX」(同じくおおむね1000万円以上)。約12%の1321台となっている。

なお、今回の改善対策届出の内容は、低速域でシートベルトを締めない場合に音で知らせる機能が作動しないケースがあるというもの。

「改善対策」は、保安基準に適合していない、または適合しない恐れがある製品を回収するリコールとは異なり、保安基準には適合しているものの、安全面などに不具合が発生する恐れがある場合、国交省に届け出ることになっている。

国交省は、音通知機能の不作動については今のところ、日本の顧客からテスラに対して行われた報告は0件だとしている。

(文・湯田陽子

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み